ボリンジャーバンドとは移動平均線と標準偏差を表す線で構成され、線の動きの変化でトレンドやトレンドの大きさが確認できるテクニカル指標です。この記事では、ボリンジャーバンドの見方の他、ボリンジャーバンドと組み合わせて使用を検討したい、テクニカル指標を紹介します。テクニカル指標の知識を高めたい方は、ぜひ最後までお読みください。
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ボリンジャーバンドとは
ボリンジャーバンドとは、アメリカの投資家「ジョン・ボリンジャー」が考案したテクニカル指標です。移動平均線とその上下の標準偏差と呼ばれる線で構成され、通貨価格は多くの場合、この線の範囲内に収まるという統計学の考え方をもとにした分析方法です。
ボリンジャーバンドの見方
ボリンジャーバンドは、標準偏差を表す線が作り出すバンドの形状で、トレンドやトレンドの大きさがわかります。以下、代表的なボリンジャーバンドの形を紹介します。
スクイーズ
バンドの幅が狭くなっている状態で、価格のボラティリティが小さいことを表しています。売買が交錯していてもみ合っている状態と考えられます。またボラティリティが小さいため、この局面でトレードしても大きな利益にはなりません。
エクスパンション
相場のエネルギーが解放され、バンドが上下に大きく広がった状態がエクスパンションです。スクイーズの後に起こる可能性が高く、エクスパンション発生時は大きな利益を狙える可能性があります。エントリーポイントは、買いの場合は2σを超えたとき、売りエントリーは-2σを超えたときです。「σ(シグマ)」については後のボリンジャーバンドの計算式の章で解説します。
また反対のバンドが縮まり始めたら、相場の勢いが弱り始めているサインのため、利益確定を意識するタイミングとなります。具体的には売りエントリーをしたときは上方のバンドが縮み始めたとき、買いエントリーをしたときは、下方のバンドが縮み始めたときです。
バンドウォーク
トレンドの勢いが強いとき、ローソク足のローソクが±2σに沿って、一方向に並ぶことがあります。この状態をバンドウォークと言います。トレンドの勢いが強いため、順張りでエントリーすれば大きな利益が狙える可能性があります。
ボージ
バンドの幅が最も拡大した状態のことです。その後はバンド幅が狭くなり、トレンドの終了が近いことを表します。
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ボリンジャーバンドの計算式
ボリンジャーバンドの仕組みを理解するために、計算式を理解しておきましょう。ボリンジャーバンドを作成するためには、標準偏差を算出する必要があります。標準偏差の計算式は以下の通りです。
標準偏差=√(n※×期間中価格の終値の2乗の合計-期間中の終値の合計の2乗)÷{n×(n-1)} nとは対象期間のこと、1週間の標準偏差を知りたいときはn=7となります。 |
次にボリンジャーバンドの計算をします。ボリンジャーバンドは以下のように計算します。
n日の移動平均±n日の標準偏差 | ±1σ |
n日の移動平均±n日の標準偏差×2 | ±2σ |
n日の移動平均±n日の標準偏差×3 | ±3σ |
σとは標準偏差のことを表します。偏差とは平均値からの差のこと、標準偏差とはデータ値が平均からどれだけばらついているかを数値化したものです。
そして価格は標準偏差±1σの間に約68%の確率で、標準偏差の2倍の±2σの間には約95%、標準偏差の3倍の±3σの間には約99%が収まることになります。例えば、ボリンジャーバンドの+2σと-2σの間で価格が推移する可能性は、約95%であると考えます。
±1σに収まる確率 | 約68% |
±2σに収まる確率 | 約95% |
±3σに収まる確率 | 約99% |
ボリンジャーバンドと組み合わせる指標例
ボリンジャーバンドも他のテクニカル指標と同様、だましに合うことがあります。先の「エクスパンション」の章でエクスパンションが起きたときのエントリーポイントを紹介しましたが、+2σを超えたときに買いエントリーをしても、反転して下落してしまうといっただましに合うことがあります。
こうしただましを避けるためには、複数のテクニカル指標を組み合わせる方法が有効です。複数のテクニカル分析で同じシグナルが出ていることを確認してからエントリーすれば、だましに合う確率は抑えられるでしょう。
ここではボリンジャーバンドと相性が良いテクニカル指標を紹介します。
RSI
相対力指数のことで、相場の売られ過ぎ買われ過ぎを判断するテクニカル指標です。RSIは一般的に為替レートに近い動きをしますが、まれにダイバージェンスという為替とRSIの値動きが逆行する現象が起こります。ダイバージェンスが起こるとRSIはだましに合いやすくなりますが、ボリンジャーバンドのバンドの動きも確認しておくと、だましに合う確率を抑えられる可能性があります。
関連記事:RSIとは?計算式や見方・おすすめの組み合わせ例をわかりやすく解説
MACD
MACDはMACD線とシグナル線、ヒストグラムといった情報から、売買シグナルやトレンド、トレンドの強さなどを判断するテクニカル指標です。MACDはレンジ相場でだましに合いやすくなりますが、ボリンジャーバンドのエクスパンションも併せて確認すれば、だましに合う確率が抑えられる効果が期待できます。
関連記事:MACD(マックディー)とは?売買サインや注意点をわかりやすく解説
まとめ
ボリンジャーバンドは、「通貨の価格は多くの場合、一定の範囲内で収まる」という統計学の考え方をもとにしたテクニカル指標です。ボリンジャーバンドを確認することで、トレンドやトレンドの大きさを確認できます。ただ他のテクニカル指標と同様だましがあるため、他の指標と組み合わせて、だましのリスクを減らすことをおすすめします。
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