【山中康司監修_コアレンジャー_スイスフラン/円】レポート

現在、当該ロジックは自動売買セレクトに掲載されておりません。

トライオートFXの自動売買セレクトに有名ストラテジスト監修のコアレンジャーが追加されました!
こちらのレポートでは有限会社アセンダント取締役、山中康司氏の予想するスイスフラン/円相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「山中康司監修コアレンジャースイスフラン/円」の解説と、相場の先行きについて解説致します。

1.概要

1-1.設定値

通貨ペア:CHF/JPY
想定期間:~2021年4月
ストラテジスト想定レンジ
サブレンジ(売り):118.00~122.00円
コアレンジ(売り買い):114.00~118.00円
サブレンジ(買い):1110.00~114.00円

自動売買プログラム設定値
※ストラテジスト想定レンジの±100pipsの範囲にてレンジ幅設定

出所:インヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、これまでのコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」という新しいアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し
①運用通貨ペアがレンジ相場を形成すると思えるか
②ストラテジストの相場予測の考え方が腑に落ちるか
③設定値の中で上手くレンジ相場になりそうか
という観点から自動売買プログラムを選択頂くのをお勧めいたします。
ただ、最終的にはお客様のご判断により投資判断をご決定頂ければと存じます。

※コアレンジャーは両建て取引となりますが、両建て取引を推奨するものではありません。両建てはスプレッド・金利が二重にかかること等デメリットがある点をご理解の上ご利用ください。

2.想定レンジ根拠

以下、ストラテジスト執筆のレポートです。
想定レンジの根拠等の解説がなされておりますので、是非ご参考ください。

2-1.はじめに

今回のトライオート戦略では、スイス円の2020年11月から2021年4月頃までの半年間の値動きを想定し、それをコアレンジャーのコアレンジと上下のサブレンジの3つのエリアに分ける作業を行います。

2020年の為替相場は2月から3月にかけてのコロナショックで大変動を見せたものの、その後は比較的静かな展開を続けています。相場全体で最も影響が大きい米国について考えると現状の金融緩和政策は今後数年に渡って継続することとなりますし、株式市場も緩和による資金の向かい先となっていることから、当面は下がったところでは買いが出るという状況は続きそうです。

この株式市場の動きをリスクオンと捉えるならば、今回取り上げるスイス円も円売りに動きやすいと見ることも出来そうですが、執筆時点(10月19日)では米国大統領選前の段階で、しかもバイデン前副大統領がリードしている現状では前提が変わってしまうことも考えられます。

そこで今回の戦略では月足を使った長期テクニカル分析をベースに「値動き」と「方向性」を分析するところから始めることとしました。「値動き」は、コアレンジャーの想定レンジとエントリーする際の値幅を考える根拠とします。また「方向性」はエントリーで売買どちらから入るかを考える根拠とします。

注意点として、表示しているチャートはトライオートの月足チャートですが、計算に用いた月足の四本値は私が個人的に記録をつけているインターバンクレートをベースにしたものです。それほど大きな違いはありませんし、戦略に与える影響もありませんので、その点はご安心ください。

2-2.テクニカル分析

出所:山中康司氏作成

スイス円は2016年7月安値を起点として2019年安値と結んだサポートラインを引くことが出来ます。直近ではサポートラインから乖離してきているため、ラインまでの距離はありますが、このサポートラインを下抜けるまではスイス高・円安の方向性を考えることとなります。

また、このサポートラインと平行なラインを引き2つのラインで示した上昇チャンネルの中での値動きを今後半年間も継続する可能性が高いという見方から、エントリーとしては新規の「買い」から入り仕切りの売り直しを行うという戦略を考えることとします。

スイスフラン円の場合、スイス中銀がユーロスイスの介入を放棄したスイスフランショックが2015年1月に起きています。この時にはスイスフランの月間レンジが25円ほどに達しました。これは標準的な取引が行われた範囲で、実際のレンジは各社まちまちで50円以上に到達したケースもありました。

しかし、その月だけ除外するといった考えはテクニカル分析にはありませんので、スイス円の2011年以降の約10年間の数字を取り上げると以下のようになります。

 月間レンジ
  最少レンジ 1円32銭
  最大レンジ 24円81銭
  平均レンジ 4円66銭

スイス円も上記の月間レンジは参考程度で、6か月移動レンジも計算します。これは、常に直近6か月間のレンジを過去に遡って算出したものです。そして平均ではなく中心値を求めてもっとも可能性がありそうな6か月のレンジと仮定してあります。

 6か月移動レンジ
  最少レンジ 4円07銭
  最大レンジ 28円65銭
  中心値 11円42銭

スイス円は今後半年の値幅を11円42銭程度と想定できますが、割り切れるキリが良い数字として12円を使います。この12円を先ほどのチャートの上昇チャンネルに当てはめるとおよそ110円から122円の想定レンジとすることが良さそうです。そして、この想定レンジを単純に3分割して以下のようなレンジとします。

 サブレンジ(売り) 118~122円
 コアレンジ 114~118円
 サブレンジ(買い) 110~114円

また、売買の値幅設定についてはコアレンジについては10%の40銭、サブレンジはその倍の80銭とします。

3.まとめ

長々と書いてありますが、結論は最後に太線で書いた部分です。

今回はスイスフラン/円のレポートと同じ形で、米ドル/円のレポートも提出しておりますが、ドル円では円高、スイス円では円安と方向性が違う点に居心地の悪さを感じられる方もいらっしゃるかと思います。これはすなわちドル円でドルが売られるスピードよりもドルスイスでドルが売られるスピードの方が速いと考えれば理にかなった動きということになります。

そうした動きが出てくる背景を想像すると10月16日のEUサミットにおいてもEUと英国との間の協議は平行線のままで、電話協議が継続されるということのみが決まりましたが、現状では協議がまとまらず合意が無いままに移行期間が終了するという展開が濃厚です。そうなると欧州の中でも中立な立場を取っているスイスフランがユーロやポンドに比べて相対的に強くなり、それがドルスイスでもスイス高に繋がると考えれば不思議ではありません。

そしてその大前提としてのドル安ですが、ドル円同様にドルスイスでもテクニカルな観点では長期トレンドはドル安です。そして、コロナショックに伴う大規模緩和で米ドルが市場において余剰な状態が続いていることが、今後の米ドル売りにつながるリスクが常にあるのではないかということを個人的には考えています。

今回は個人的な見通しとテクニカルによるトレンドがほぼ一致してはいますが、市場は常に何が起きるかわからないものです。コロナショック、スイスフランショックなど、ショックという言葉の付く相場の大変動は10年に1回どころか2年に1回は起きている印象です。

戦略が明らかにおかしいと感じる時には止めることも重要な判断ですが、そうならないことを願っております。