【奥村尚監修_コアレンジャー米ドル/円】レポート

現在、当該ロジックは自動売買セレクトに掲載されておりません。

トライオートFXの自動売買セレクトに有名ストラテジスト監修のコアレンジャーが追加されました!
こちらのレポートではトリオアセットマネジメント株式会社代表、奥村尚氏の予想する米ドル/円相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「奥村尚監修コアレンジャー米ドル/円」の解説と、相場の先行きについて解説致します。

1.概要

1-1.設定値

通貨ペア:USD/JPY
想定期間:2021年4月
ストラテジスト想定レンジ
サブレンジ(売り):107.71~108.92
コアレンジ(売り買い):103.21~107.71
サブレンジ(買い):101.99~103.21

自動売買プログラム設定値
※ストラテジスト想定レンジの±100pipsの範囲にてレンジ幅設定

出所:インヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、これまでのコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」という新しいアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し
①運用通貨ペアがレンジ相場を形成すると思えるか
②ストラテジストの相場予測の考え方が腑に落ちるか
③設定値の中で上手くレンジ相場になりそうか
という観点から自動売買プログラムを選択頂くのをお勧めいたします。
ただ、最終的にはお客様のご判断により投資判断をご決定頂ければと存じます。

※コアレンジャーは両建て取引となりますが、両建て取引を推奨するものではありません。両建てはスプレッド・金利が二重にかかること等デメリットがある点をご理解の上ご利用ください。

2.想定レンジ根拠

以下、ストラテジスト執筆のレポートです。
想定レンジの根拠等の解説がなされておりますので、是非ご参考ください。

2-1.リスク分析

 今回は、2つの通貨ペアで、コアレンジとサブレンジの予想をしている。ひとつは、AUDNZD。もうひとつが、ここで紹介するUSDJPYだ。

さっそく、ドル円レートの、過去の推移を眺める。今後半年を予想せよという課題であるので、その数倍の期間、すなわち数年前からの過去を振り返ってみて、クォンツ手法でこの2年間の成果がどうであったかをみる。手法は、別項で紹介しているAUDNZDと同様のリスクモデルである。

 下のチャートは、実勢レートとリスク推移だ。リスクを求めるには、まずリターンを求める。日次データをもとに、昨日買って本日売る、ということを毎日繰り返すと日々のリターンが計算できる。そこからリターンの標準偏差を算出しリスクとした。

出所:ロイター 日次データからTrioAM作成

 リスクの様子をみると、小さなギザギザになっており、時々ドカンと大きく上がる。
2018年冒頭と2018年暮れにリスクが高まったが、前者は米中貿易摩擦の激化と北朝鮮や中東情勢の緊迫化、後者はアップルの業績下方修正などで円高が進んだことだった。
 しかし、大きく目立つのは、2020年3月の大きなピークだろう。ドル円は、約112円から一気に約102円に急落した。株式相場も大きく下落し、シカゴVIX(いわゆる恐怖指数)が
85を超えた(18日)時だ。コロナショックのピークであったが、徐々に落ち着きを取り戻し、今や完全に恐怖はなくなったといってよかろう。

 ちなみに、恐怖指数は、米国のSP500という株価指数のオプション取引をCBOEで行っているのだが、そのリスク(ボラテリティ)から逆算される今後30日間の下落の恐怖具合であり、85という数字は、おおよそ、今後30日間に-25%下落する恐怖に相当する。恐怖指数が上る前の水準と比べるとSP500はきっちり25%下落した。
 恐ろしく当たっている。その後はご存じのとおり上昇に転じたがリスク分析するのは案外重要なのだ。

出所:ロイター 日次データからTrioAM作成

さて、為替に話を戻そう。リスクとリターンのみに注目すると、リスクに対するリターンの分布を示すことができる。以下のようになった。縦はリターン、横はリスク、どちらも単位は%ではない。

出所:ロイター 日次データからTrioAM作成

USDJPYは、AUDNZDに比べると、横軸(つまりリスク)が大きい。リターンも大きいものの、リスクに対するリターンをみると、ドル円は、2桁小さい。つまり、リスクをかけても、リターンが少ないのだ。

やや不利な通貨ペアといえよう。

2-2.トワイライトゾーン

今回は、前述のリスクデータを用いて、弊社が開発したトワイライトゾーンと呼ぶ価格レンジを設定する。トワイライトゾーンは、リスクを計測したうえで、そのリスクが継続する場合、8割の確率でゾーンの範囲に収まるレンジを計算する。

なお、トワイライトゾーンでは、ゾーンは一定時間で有効期限切れとなり、新しいゾーンに移行する。短いと2時間、長くても8営業日という期間でゾーンを入れ替える。しかし、今回は、今年11月から来年4月までの半年間という期間で同じゾーンが継続できるように、長期足をもとにリスク計算をした。

出所:ロイター 日次データからTrioAM作成

このゾーンの過去シミュレーションは、2019年後半がいまひとつ、ゾーンに収まらぬ展開であったが、それでも、ゾーンから一度出た後、戻ってきている。

2020年10月19日に提示された新しいゾーンは、上が107.71円、下が103.21円であったので、この範囲をコアとする。
トワイライトゾーンをトレードに活用する場合、相場がゾーン上を上抜けたら上へのトレンドが発生するので買い、相場がゾーン下を下抜けたら下へのトレンドが発生するので売り、という戦略をとるが、トライオートFXのコアレンジャーというロジックは「レンジ相場に仕掛ける」ロジックである為、相場がゾーンを抜けた際に順張りする手法ではなく、あえてゾーンを超えて相場が推移する場合は逆張りを仕掛けることで、ゾーンの範囲内に相場が戻ってくる事を想定した。

サブレンジ売りの想定は107.71~108.92、サブレンジ買いの想定は、103.21~101.99とする。もし、その限界を超えて上がる(あるいは下がる)場合、現在想定できぬ異常事態がおきている可能性があり、コアレンジに戻らぬ恐れがある為、その点は留意して頂きたい。