【だいまん監修_コアレンジャー_豪ドル/NZドル】レポート

2020年後半のリリース以降、ご好評いただいておりました「有名ストラテジスト監修コアレンジャー」ですが、今回2021年末までの相場を想定したロジックとしてバージョンアップされました!

ストラテジストによる解説動画はこちら

こちらのレポートでは有限会社フォレックス・ラジオ代表、だいまんこと文一雄氏の予想する豪ドル/NZドル相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「だいまん監修コアレンジャー豪ドル/NZドル」と、相場の先行きについて解説致します。

1.概要

1- 1. 設定値

通貨ペア:AUD/NZD
想定期間:2021年4月~2021年12月末

ストラテジスト想定値
サブレンジ(売り): 1.1400~1.1050NZドル
コアレンジ(売り買い):1.1050~1.0350 NZドル
サブレンジ(買い): 1.0350~1.0000 NZドル

自動売買プログラム設定値
※ストラテジスト想定レンジの±100pipsの範囲にてレンジ幅設定

出所:トライオートFXツール画面よりインヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、これまでのコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」という新しいアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し
①運用通貨ペアがレンジ相場を形成すると思えるか
②ストラテジストの相場予測の考え方が腑に落ちるか
③設定値の中で上手くレンジ相場になりそうか
という点から自動売買プログラムを選出して頂けますと幸いです。

1-3.注意点

ストラテジストによる相場想定は、2021年4月時点のものです。
今後の相場状況等の変化により、想定が変更される可能性がございます。
相場の状況と、解説レポートの内容、及び自動売買ロジックの注文設定をご確認いただき、お客様のご判断のもとで運用をご検討ください。

2.想定レンジ根拠

2-1.ファンダメンタルズは考慮せず

ご存知の通り、豪州とNZは、両国ともイギリス連邦の加盟国であり、地理的にも近く、地政学的リスクが低いこともあって、高金利通貨として投資人気を集めてきました。
現状はコロナウイルスの感染拡大もあって、両国も過去にないほどの低金利政策を実施していますが、それでも海外の主要国との比較からオセアニア通貨は底堅い動きを続けています。
そういった中、AUD/NZD相場は、軟調な展開を続けています。この要因としては、様々なことが考えられますが、違いと言えば、豪州は資源国通貨で、NZは資源国通貨ではないということぐらいです。 
ただ、この動きに変化が出てきたのが、2016-2017年であることを考慮すると、この時に起こった「中国経済の景気減速懸念」が、鉄鉱石や石炭などの資源価格の下落を招き、加えてトランプ政権の誕生で、関税強化などで対中政策を強化したことが、中国と関係の深い豪州経済にマイナスの影響を与えるとの見方が、豪ドル相場を圧迫した要因と考えられます。
現状豪州では貿易収支が改善を見せており、コロナウイルスの問題も、ワクチンの開発によって、世界的に立ち直りが期待されています。ただ、今年発足したバイデン政権も、中国に対して、強硬な姿勢を継続するようです。そうなると豪州にとっては、逆風が続くのかもしれません。
 ともかく、AUD/NZD相場の方向性を見るにあたって、今年はファンダメンタルズ面の格差を見る意味はあまりないのかもしれません。

2-2.AUD/NZDの長期サイクル

以下はAUD/NZD相場の1992年からの長期の月足チャートです。
 御覧のように比較的上下に大きく動いていますが、ここには一定のサイクルがあるように感じられます。
 まず、高値の動きを見ると①が8年4か月、②が10年6か月となっています。もし、2年多くなるパターンを想定すると、次の高値③は、12年後と仮定すれば2023年となります。これがぴったりと来るかは不透明ですが、少なくともAUD/NZD相場の本格反騰は、まだまだ先になりそうです。 
 一方底値は、もっとはっきりとしたサイクルが見えています。
 ④は1年11か月、⑤は2年10カ月でダブル・ボトムをつけてその後反発しています。今回は、異例に長い期間で、⑥は4年11か月となっていますが、倍々の期間で底値付きとなっていることや現状1.0020と0.9994のダブル・ボトムを形成していることを考えると、底値付きとなる可能が高そうです。 
 ただ、そうであっても、前述の高値のパターンからは、まだまだ本格的に上昇できません。また、過去の安値となる1.0500、1.0668、1.0657、1.0430、1.0028、0.9994を平均した値が1.03795となりますが、これを底値レベルとして、一方で上値の1.4228、1.3644、1.3793を平均した1.3888を高値として、この半値を取ると1.2134となりますが、チャート上で示したように、比較的過去の相場の中心値を示しています。
つまりこのレベルを超えるまでは、大きな上昇は期待できないこととなります。 

2-3.豪ドルとNZドルの対ドル相場のテクニカル

それでは、AUD/NZD相場を形成する豪ドルの対ドル相場のテクニカルをみておきましょう。
 AUD/USD相場は、0.4775の安値からの長期サポートを割り込むも、0.5510で下げ止まりを見せて、堅調に反発しています。
ただ、上値は現状0.8008と強いサイコロジカルやマイナー・レジスタンスで上値を押さえられています。スロー・ストキャスティクスも若干買われ過ぎで、一旦上値付きの可能性が見えることは注意です。あくまで現状の高値0.8008をしっかりと超える動きから0.8136-0.8164の戻り高値圏がターゲットとなりますが、ここから上値では、フィボナッチ・リトレースメント(0.5510~1.1083)の50%となる0.8297のクリティカルなポイントが、1.1083の高値から最終レジスタンスに控えています。上昇してもこの位置は上値を抑える位置となるでしょう。 
 一方下値は、0.7339-0.7414の窓の下限維持では強く、割れても0.9992の戻り安値やサイコロジカルな0.7000に、過去騙し的に割れたサポートが位置しています。この維持では堅調が続きそうです。ただ、維持出来ない場合0.6343-0.6447ゾーン、0.60前後まで視野となりますが、買いが入り易いでしょう。 
 従って、今年年末までの豪ドル/ドル相場の想定レンジを、0.7000~0.8300とします。 

 次にNZD/USD相場の月足ですが、一時2000年からの長期サポート・ラインを割れて、0.5469の安値まで下落していましたが、この位置からは急反発しています。
 ただ、現状上値はサイコロジカルな0.7500や0.7560の戻り高値、長期のレジスタンスを前に上げ渋っています。あくまでこういった位置を超えて、0.80方向への上昇期待ですが、この位置も長期の0.8842-0.8838のダブル・トップのショルダーに相当することから0.80-82台は重い位置となります。
 一方下値は、0.6800前後の窓の下限の維持では強く、割れても0.6440―0.6589ゾーンの維持では堅調で、0.6182の戻り安値を割れても0.5844-0.5920ゾーンなどは買いが入り易そうです。
 従って、今年年末までのNZドル/ドル相場の想定レンジを、0.6500~0.7600とします。

 

 また、豪ドルとNZドルの対ドル相場から算出したマトリックスチャートを見てみましょう。
 今年の予想レンジとして、豪ドルの対ドル相場を0.7000から0.8300、NZドルの対ドル相場を、0.6500から0.7600としましたので、これを基準としたAUD/NZD相場の最大想定レンジは、0.8684から1.2769となります。

2-4.AUD/NZD相場のテクニカル

それでは、直近の月足からテクニカルをみてみましょう。
 2020年の3月の0.9994の安値は、コロナウイルスのリスク回避で、世界的に株価が急落した時の動きですので、オーバー・シュートと見なすと、総じて三角保合の動きが続いています。 
 短期的にはこの下限の1.0498と上限の1.0947のブレイクが焦点となりますが、今年の相場では、AUD/NZDに、大きな変化が現れない前提で考えるとこのレンジからのブレイクがあっても、下値は1.0020から1.0137ゾーン、上値は1.1044から1.1446ゾーンが抑えてしまうと、スロー・ストキャスティクスも上昇傾向を維持できておらず、レンジ的な推移が続きそうです。
 そうなるとこの三角保合の中心値(APEX)となる1.0728を挟んだ展開が続きそうで、大きくみて大体この中心値プラスマイナスで0.0708程度の動きを想定すると、ざっくりと1.0000から1.1450がAUD/NZDが想定レンジ、もう少し狭いレンジとして、0.0350程度の動きと考えるなら、1.0378から1.1078が想定レンジとなります。

出所:有限会社フォレックス・ラジオ作成

2-5.コアレンジャーの想定レンジ

 コアレンジャーのレンジを想定する上で、特に豪ドルとNZドルの対ドル相場のマトリックスチャートから算出した最大レンジが、0.8684から1.2769となっていますが、この半値が丁度1.0727となることは注目です。つまり現状のAPEXとした1.0728とほぼ合致しますので有効性が高いと考えられます。
 これを参考に、0.0350幅で、端数を調整した戦略レンジは以下となります。

サブレンジ(売り): 1.1400~1.1050NZドル
コアレンジ(売り買い):1.1050~1.0350 NZドル
サブレンジ(買い): 1.0350~1.0000 NZドル