認定ビルダー「レンジ買い_米ドル/スイスフラン」について

今回の取引設定の意図

今回の設定は、以下の実現を目指しています。

  • 想定取引期間:半年~1年程度
  • スワップポイント:継続的にプラス
  • 証拠金額:多額を必要としない
  • 約定頻度:適度に約定する

上から2つ目のスワップポイントに関し、継続的にプラスになるように留意しました。

1年前後の取引ですので、スワップポイントはマイナスでも構いません。利食い重視で取引すれば、スワップポイントのマイナスをカバーしてくれるでしょう。

しかし、毎日確実にマイナスが蓄積するのは、気持ちの良いものではありません。

そこで、スワップポイントをプラスにすることにより、気持ちよく取引を継続できるようにしました。

ただし、将来において、スワップポイントが逆転する可能性がないわけではありません。その場合は、それまでの損益状況や為替レートの動きを見ながら、取引の継続可否を決めます。

また、一番下の「適度に約定する」について、私の通常のトレードは、利食いを捨ててでも、相場で長生きすることを重視するタイプです。

すなわち、新規約定と利食いを頻繁に繰り返すのを好む皆様にとって、少々物足りないかもしれません。

そこで今回は、利食いと安全の両方を同程度に重視する方針を採用しました。

取引設定の内容

今回公開させていただく自動売買の設定は、以下の通りです。

  • 通貨ペア:米ドル/スイスフラン(USD/CHF)
  • 売買:20pipsごとに買い
  • 発注範囲:0.9180-0.9960
  • 注文本数:40本
  • 1注文あたりの数量:1,000通貨
  • 利食い幅:30pips

下のチャートは、2015年2月以降の値動きです。2015年1月のスイスショック以降、レンジ相場が続いていることが分かります。

(作成:ゆったり為替)

 

下は、今回の発注範囲を赤枠で追加したチャートです。

(作成:ゆったり為替)

 

上の赤枠をご覧いただいて分かります通り、レンジ全体で発注していません。上限を米ドル/スイスフラン=0.9960にしています。

0.9960を超えてからレンジの上限(1.0300くらい)の範囲では、発注しません。

この理由ですが、レンジの上限で買った後に下落に転じると、含み損が大きくなるためです。可能なら、レンジの上限では買いたくありません。

その一方で、含み損回避を優先してレンジの下限近くだけで買い注文を出すと、ほとんど約定しないことになります。

この二つのバランスを取った結果、上限を0.9960にしています。上限で買うポジションの利食いレートは、0.9990です。

1.000は、心理的な壁として作用しやすいと予想できます。そこで、1.000の少し下で利食い決済するという意図です。

どれくらいの約定頻度を見込めるか

では、今回の取引設定で、どれくらいの取引頻度を見込めるでしょうか。上の月足チャートでは考えづらいので、週足チャートで見てみましょう。

(作成:ゆったり為替)

 

上の通り、激しく上下動していることが分かります。日足チャートで確認しますと、さらに激しく動いている様子が分かります。

すなわち、新規約定と利食いを繰り返してくれると期待できます。

具体的に、数字で確認してみましょう。2019年1月初日~2019年12月13日までの為替レートを確認したところ、以下の通りでした。

  • 日足で、高値と安値の差が20pips以上:日足全体の95%ほど
  • 日足で、高値と安値の差が30pips以上:日足全体の70%ほど
  • 日足で、高値と安値の差が60pips以上:日足全体の20%ほど

今回の設定は、20pips下落するたびに買い、30pipsの含み益で利食いする設定です。

為替レートが全然動かない日も、あります。そういう日は約定しないかもしれません。しかし、2019年の値動きが今後も続くなら、新規約定と利食いを繰り返してくれると予想しています。

損益曲線の推移

次に、損益曲線の推移を確認しましょう。トライオートFXに実装されているシミュレーション機能を使いました。

  • 緑色:実現損益
  • 赤色:評価損益
  • 青線:実現損益+評価損益

為替レートがレンジ内で推移すれば、実現損益は一般的に右肩上がりになります。よって、含み損が出ても、レンジで推移する限り、放置できます。

また、為替レートが上昇すれば、含み損はなくなります。

為替レートが注文範囲を超えて上昇する場合 

為替レートがレンジの上限を超えて推移する場合を、確認しましょう。下の赤枠部分です。

すなわち、以下の状態です。

  • 実現損益に変化がなくなる
  • 含み損もなくなる

為替レートが注文の範囲を超えて上昇するのですから、こうなるのは仕方ありません。

これが嫌だという場合、レンジ全体に注文を出すことになります。しかし、為替レート下落時の含み損が大きくなるのが、面白くありません。

では、上限に近いところだけ売り注文を出すのはどうだろう?という選択肢が出てきます。この考えは、採用可能だと思います。

今回は、スワップポイントがプラスになるように、という条件を付けました。そこで、買い注文だけの設定にしています。

売り注文を出さない場合は、為替レートが下落するのを待ちましょう。

損切りについて

次に、損切りについて確認しましょう。

今回の設定において、最も安値の買い注文は、米ドル/スイスフラン=0.9180に設定しています。この為替レートをしっかりと下回ったら、損切りします。

しかし、ビルダーですと、特定の為替レートで一斉に損切りする注文を、あらかじめ発注できません。そこで、以下の2つのいずれかを選択します。

  • 為替レートが0.9180をしっかり下回ったら、成行等で全ポジション決済
  • 注文稼働後、各注文の設定を変えて逆指値注文を設定

より精緻な取引設定にしたいとき

なお、冒頭で申し上げましたように、ここでご案内している内容は、ゆったり為替本来の設定と比べて、利食い重視の設定になっています。

そこで、ゆったり為替の「フルバージョン」とも呼べる設定につき、「FXゆったりトレード派」でご案内しています。

発展版と言える内容で、少々込み入っていますが、ご覧ください。以下の内容を目標としています。

  • 損切り時のダメージ軽減
  • より大きな利食いを狙う

ブログ:FXゆったりトレード派

 

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