もう12月ですね。現物株や225先物は景気いい感じの動意ですが、FXは動意に薄いです。そろそろ餅代を準備したいFXプレイヤーにとってはなかなか厳しい展開が続いています。
仮想(暗号)通貨も熱いですが、税制がちょっとね、儲かってもがっつり取られます。
さて、12月のリアルトレード戦略です。
1.米ドル
まずはドル円の日足チャートを見てみましょう。
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髭が本当に多くてフワフワしています。
「綺麗なレンジじゃないか」と言われればその通りかもしれませんが、移動平均線を挟んでフラフラしています。
また、(私も含めて)毎日相場に向き合っている人にとっては、「そんなこと言われなくてもわかってます」という程、ドル円は日々の値動きに関して主体性を感じることができません。
11月は例年輸入業者の決済もちょくちょくと入り円安に向かうことが多く、それがアノマリーとなっているわけですが、今年はそうはなりませんでした。
いろいろな理由が言われ説明がされていますが、結局はドル円の買い玉が10月末時点で、想定以上に溜まってしまっていたのかと思う次第です。
ドル円はFRBの利上げで金利差が開き、更にアノマリーで円安方向に向かいやすい時期にも関わらず方向感が出ていません。
(11月29日追記:北朝鮮がミサイルを発射しました。数ヶ月に及んだ中国を介した根回しは上手くいかなかったようです。一方で米国税制法案の本議会通過への明るい見通しが出てきています)
それでは他の主要通貨はどうなのでしょうか?
2.ポンド
次にポンド円とポンド米ドルを見てみましょう。
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ポンド円、ポンド米ドルともに長期では右肩上がりですが、直近ではあまり方向感が出ていません。
イングランド銀行は先日10年振りの利上げを実施しました。本音ではEU離脱を控えて利上げを行いたくないところなのですが、そのEU離脱が発端となった「ポンド安」が直撃する形で輸入物価が上昇、それがそのままCPI(消費者物価)の大きな上昇につながってしまい、やむなくの利上げとなりました。
本当はなるべく「利下げ」への糊(のり)代を確保しておいた上でEU離脱に臨みたかったはずだと思いますが、経済も為替も生き物ですので、これは仕方がないところです。
ポンドは現在このように方向性や動意がない状態であり、今後はEU離脱に絡む交渉内容次第で上下すると想定されますので、現時点で上か下かを張るのは適切ではないと感じます。
EU離脱への条件として厳しい清算金や条件を課されると短期的には、再びポンド安の可能性があります。(ですが、それがまたCPIを押し上げて利上げの可能性も出てきます。)
(11月29日追記:一部報道でEU離脱の清算金が合意したというニュースが流れポンドが上昇しましたが関係筋はこれを否定しています。今後の続報に注目です。清算金や条件が想定内で収まればポンド上昇の可能性があります)
ドル円相場がはっきりしない、そしてポンドも現在膠着相場。
では、ユーロはどうでしょうか?
3.ユーロ
ユーロ円とユーロドルを見てみましょう。
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こちらも長期的には右肩上がりですが、直近ではあまり方向感が出ていませんね。あえて言えばユーロドルが少し上に行きたがっている感じでしょうか?
ユーロに関しては、今後量的緩和の縮小とマイナス金利からの脱却をはかっていく方向性が出ていますが、やはりユーロ相場を押し上げたくないドラギECB総裁が必死に口先介入を繰り返して防衛している感じです。
ユーロの買いも個人的にはまだオススメできず、もう少し動意が出てからでも良いのではないかとは思っていますが、ゴールドマン・サックスのレポートでの来年のお勧めトレードが「ユーロ円買い(目標140円)」いうことですので、ユーロドルと共にその話しに少し乗ってみるのも面白いのかもしれません。
4.豪ドル
では、最後の豪ドルを見てみたいと思います。豪ドル円と豪ドル米ドルです。
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両チャート共に個人的には売りたくなります。200MAを明確に割ってきており、上で買った方々の投げが入って来そうに見えるからです。
ただ、現在は動意自体が小さく、またマイナススワップで年末年始を跨ぐと、ジワジワと資産を削られる感じもしますので、12月のお勧めというには、ちょっと早いのかもしれません。
この辺りから急激な下げが発生してきたら乗ってみるのは面白いと思います。ただ、ドル円が11月と違って円安に反転して来た場合は豪ドル円に関しては、200MA付近まで戻って来る可能性があり注意が必要かもしれません。
12月のリアルトレード戦略
12月のリアルトレード戦略ということですが、結論を言いますと今回は「休むも相場」もひとつの選択肢ではないかと考えます。
動意が乏しい上に年末年始に突入します。レンジ相場が得意な方はここでコツコツと儲けるチャンスかもしれませんがレンジ相場が得意な人というのは概して多くはありません。
レンジ相場ではむしろ往復ビンタで資産を減らす人の方が多いのではないでしょうか?ボラティリティがないことには相場で勝つには正直難しいと思います。
ただでさえ、動かない相場に「さらに我慢」というのは「耐え難きを耐え」ともなりますが、トレードも「出る所」、「引く所」の勘所を押さえることも大切だと思います。