世界で最も取引されている通貨ペア『ユーロ/米ドル』大解剖

世界で最も取引されている通貨ペア『ユーロ/米ドル』大解剖

今回は、インヴァスト証券のチーフテクニカルアナリスト「山口哲也」が、ファンダメンタルとテクニカルの観点から分析を行ったユーロ米ドルの今後の展望をご紹介していきます。

―世界の為替市場で最も取引されている通貨ペア「ユーロ/米ドル」の展望

こんにちは!インヴァスト証券の山口です。
今回は目先のユーロ/米ドルの展望についてお伝えしていこうと思います。
日本国内ではFX投資家に限らず、最も身近な通貨ペアは『米ドル/円』や『豪ドル/円』『南アランド/円』になると思います。
下のグラフは東京金融取引所「くりっく365」の2015年の全出来高(枚)に対する各通貨ペアの出来高(枚)を割合(%)で示したものですが、やはり日本においては、米ドル/円やクロス円の取引が上位を占めていることがわかります。

 

しかし、世界の為替市場に目を向けると『ユーロ/米ドル』が最も取引されている通貨ペアになります。
下のグラフは国際決済銀行(BIS)が3年に一度公表している2013年の外国為替取引における中央銀行の調査です。

※調査方法は4月の1日平均の全通貨の取引額を割合で示したもので、通貨別取引量は合計200%、通貨ペア別取引量は合計100%となります。
※2016年の結果については現在BISが集計中で2016年9月に公表され、総合的な結果は12月に公開されます。

これを見ていただくとわかりますが、世界での取引では『ユーロ/米ドル』が最も多く、次いで、『米ドル/円』です。
私たちにとって身近な『豪ドル/円』や『南アランド/円』は、外国為替市場(インターバンク市場と言っていいと思いますが)インターバンク市場において豪ドル/円が0.8%、NZドル/円や南アランド/円が0.1%と、殆ど取引されていないということがわかります。
(実際には、例として豪ドル/円の取引でいうと、米ドル/円を介してから豪ドル/米ドルが取引されます)

―「ユーロ/米ドル」をチェックしよう!

このように、米ドル/円やその他のクロス円を取引する上でも、世界で最も取引されている『ユーロ/米ドル』の動向チェックは欠かせません。
例えば、ユーロが米ドルに対して買われる(ユーロ買い、米ドル売りとなりユーロ/米ドルが上昇する)ことで、米ドル/円が下落(ユーロに対する米ドル売りが要因)したり、逆にユーロが米ドルに対して売られる(ユーロ売り、米ドル買いとなりユーロ/米ドルが下落する)ことで、米ドル/円が上昇(ユーロに対する米ドル買いが要因)したりすることが往々にしてあるからです。

では、ユーロ米ドルの特徴を見ていきましょう。

●流動性が高い!

投資をおこなう上で重要な要因の1つに流動性が挙げられます。
『流動性』とは取引(売買)のし易さのことですが、世界的で上位1位、2位の取引量を誇る通貨の組み合わせであるユーロ/米ドルは、外国為替市場において最も流動性が高い通貨ペアといえます。
流動性が少ないと取引ができなくなってしまったり、突拍子もない価格が提示されたりという懸念(流動性リスク)がありあるため、ユーロ米ドルはそのようなリスクが比較的少ない通貨ペアというわけです。

●過去の値動きを見てみよう!

それでは、これまでのユーロ米ドルの値動きを見ていきましょう。
下の2つチャートは「1999年ユーロ導入からのユーロ/米ドルの月足チャート(上)」と「1999年以降の欧米の政策金利の推移(下)」です。

●1999年ユーロ導入からのユーロ/米ドルの月足チャート

●1999年ユーロ導入からのユーロ/米ドルの月足チャート

―1999年から2001年末まで
ユーロは紙幣などが流通しておらず決済用の仮想通貨として取引されていました。
また、1999年6月以降2000年にかけてFRBが利上げをおこなっていったこともあり、この時期のユーロ/米ドルは下落相場でした。

―2000年後半から2003年にかけて
ITバブルの崩壊と米国の利下げ、2001年の9.11米同時多発テロ、また、2002年1月からは紙幣として実際にマーケットでユーロが流通し始めたことなどにより、ユーロ/米ドルは1.6038まで上昇いたしました。

―その後
サブプライム問題やリーマンショックの影響がユーロ圏の金融機関や金融市場にも影響もたらしたこと、ユーロ圏債務問題、更に米国の金融資産買入縮小と欧州中央銀行の利下げで欧米の政策金利差縮小と逆転などにより、ユーロ米ドルは2015年には1.0462まで下落しました。

それ以降は現在まで概ね1.05から1.15のレンジ相場での推移となっています。

「ユーロ/米ドル」今後の動向は?!

ユーロ/米ドルの大手金融機関の第2四半期の予想は4月7日時点で以下のとおり中央値、平均値ともに1.10で、方向性としては現時点の1.13から1.14水準から見ると下方向と言えます。

おそらく多くの金融機関がこのようなユーロ安ドル高を予想をする理由は、欧米の金融政策、欧米の経済状況の違いによるものだと思われます。

まず、金融政策については、ご存知のとおりECBはマイナス金利政策をとっており、米国はFEDのメンバーが今後の利上げを予想しています。また、FEDとECBのそれぞれが発表する景気、物価見通し(どちらも2016年3月に発表)を見くらべると以下のとおりです。

 

米国経済について
経済成長率や物価上昇率などがユーロ圏に比べて高く、ユーロ圏経済より良好な事がわかります。

ユーロ圏の経済は・・・
12月発表時から多くの数値が下方修正されており、GDPや輸出、輸入も前年2015年に比べて低下が予想されていることから、今後の景気に対しての不透明感があると言えます。
このように好景気の米国とやや陰りのある欧州という構図から、多くの金融機関がユーロ/米ドルの下落を予想しているのではないかということです。

「ユーロ/米ドル」をチャートで分析

個人的にも長期的な観点からは下落と考えていますが、短期的なテクニカルではちょっと違います。

 

まず、月足チャートを見ると2008年からの長い緩やかな下降トレンドでの推移となっていることがわかります。

 

しかし、週足チャートを見ると昨年末12月3日につけた1.0519から上昇、13週・26週・52週移動平均線も上回ってきていることから、現在は大きな下降トレンドの中で反発する動きに入っていることがわかります。
ただし、週足チャートでは1.15がレジスタンスとして意識されること。また、ストキャスティクスが高い水準まで上昇していることからも、近々反落する可能性があるのかもしれません。
サポートは移動平均線や過去の価格での高安が集中する1.10から1.11をイメージしています。

 

日足チャートを見ると、こちらも200日移動平均線を上回っており、一目均衡表は三役好転(ローソク足が雲を上回る・基準線を転換線が上回る、ローソク足を遅行スパンが上回る)しています。これ自体は、上昇トレンドの中にいるということが読み取れます。
ただし、日足チャートも弱気のサインが出ているとも読み取れます。

それは、
・1.15の手前で上げきれずにいること
・ストキャスティクスが高い水準から下向きになっていること
・MACDのヒストグラム(棒グラフ)が減少傾向にあること

などです。

これらの兆しも出ているため、近い将来にこれまでの短期トレンドが変化する可能性があるということです。

ただし、短期トレンドが転換した場合でも、日足も週足同様に一目の雲や200日移動平均線、基準線が位置する1.10から1.11がサポートになると考えられます。
(1.10や1.11で下支えされるというよりは、この水準での攻防になり、その後、この水準を割れ込むようなイメージです。)

●チャート分析まとめ

メインシナリオは、目先1.14から1.15を天井としてやや強気の展開が続いた後、1.10から1.11のサポートへトライ、最終的にはこの水準を下回ってくるものと考えています。
ただし、1.15を上回る場合は1.18程度まで上昇してくる可能性があり、これがサブシナリオになります。

もう1つのサブシナリオは、1.10から1.15のレンジ相場が長く継続する場合ですが、6月にはOPEC総会、FOMC、英国のEU残留を問う国民投票など、霞がかっている世界動向が少し見通せるようになると考えており、このレンジをどちらかに抜けてくるものと思います。

●仕掛けを利用するなら

短期的な観点では、[1.11から1.15]のレンジに仕掛ける[買追尾]を考えています。
(このレンジの上半分1.13から1.15まででもいいかもしれません)
上のサブシナリオでお伝えした通り1.15を上回るようであれば、この仕掛けの利用を継続するイメージです。

メインシナリオ通り、1.15に近づくも力尽きて、日足チャートの価格、ストキャスティクス、MACDが、それぞれダレてくる(下がってくる)ようであれば、上記の買い追尾は稼働停止。同じレンジでの売追尾仕掛けの稼働になります。
その場合は1.11や1.10がサポートとして意識されますが、ファンダメンタルや長期トレンドからは、これらを下方向にブレイクする可能性が高いと思われます。
メインシナリオで運用するのであれば、買い追尾の稼働や稼働停止などはおこなわず、現段階から1.11から1.15のレンジで売り追尾を仕掛けておく方が簡単だと思います。

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