初心者がFXを勉強する手順3ステップ|学習方法や成功するコツを紹介

FXを始めたいけれど、何から勉強すれば良いのかわからないと思っていませんか?FXを始めるには、専門用語や知識が必要ですが、身につけることでトレードに生かされて勝率が上がっていきます。

この記事では、FXで勉強すべきことや、やり方について解説しています。初心者でもこれからFXを始めたい、あるいは効率的に勉強したい人は、ぜひ最後までお読みください。

初心者におすすめのFX勉強方法【3STEP】

初心者がFXについて勉強する際は、次の3つのステップで進めていくと良いでしょう。

  1. FXの基礎知識を勉強する
  2. デモトレードで練習する
  3. 少額から取引を始める

順番に紹介していきます。

①FXの基礎知識を勉強する

FXは、為替レートが予想通りに動けば利益になり、予想が外れれば損失につながります。為替レートは、各国の政策金利や景気、貿易、政治などさまざまな要因で変動するため、これらの知識を持って取引を行ったほうが勝率は上がります。

逆に、FXに関する知識を持たないまま勘でトレードをしていると、いつまでたっても勝率は上がらず、損失を積み重ねることになるでしょう。勘に頼った取引で大切なお金を失うことがないように、FXを始める前に十分な知識を身につけておくことが大切です。

FX初心者が覚えるべき知識としては次のようなものがあります。

  • FXの仕組み
  • FXの専門用語
  • FXの注文方法
  • FXの取引スタイル
  • FXチャートの見方
  • FXチャートの分析方法

FXの仕組み

FXで利益が出る仕組みは2つあります。1つは注文時と決済時の差額(為替差益)を得る方法、そしてもう1つは、通貨ペアを構成する2国の金利差から発生するスワップポイントを得る方法です。

FXの専門用語

FXを始めると、初心者にとっては聞き慣れない言葉も出てくるでしょう。しかし、FXを続けていくうえで知っておかないと取引に支障が出る可能性があるので、以下のような最低限の専門用語は身につけておきましょう。

  • スプレッド
    売値と買値のレートの差額を指します。FX取引をする人が実質的に負担するコストにあたります。
  • レバレッジ
    レバレッジとは、「てこの原理」のことです。FX取引においては、少ない証拠金で大きな資金の取引ができます。通常は100万円の証拠金が必要になる取引でも、レバレッジを25倍にすれば、100万円の25分の1にあたる4万円で取引が可能です。なお、国内FX会社において、設定可能なレバレッジは最大25倍までとなっています。
  • スワップ
    金利差調整分のことで、通貨ペアを構成する2国間の金利差から発生する損益のことです。通貨ペアを構成する2国間の通貨のうち、金利が高い通貨を買い、金利が低い通貨を売ると、ポジションを保有している限りほぼ毎日スワップポイントが得られ、利益になります。逆に、2国間のうち金利が高い通貨を売り、金利が低い通貨を買うと、マイナススワップとしてスワップポイントをほぼ毎日支払わなければなりません。
  • 証拠金
    FXは、決済時に生じた売買損益のみを受け渡す差金決済であることから、レバレッジのように少ない証拠金で大きな取引が可能です。しかし、投資家に損失が発生した場合でも、決済はできるようにしておかなければなりません。そのため、FX取引では一定額の資金をFXの口座に差し入れておくことを求められます。このときに差し入れる資金のことを、「証拠金」といいます。
  • 証拠金維持率
    時価評価総額に対する必要証拠金の割合のことを指します。以下の式で算出します。
時価評価総額÷必要証拠金×100=証拠金維持率

例えば、FX口座に10万円あり、1ドル100円のときに1万通貨を保有した場合、(10万円÷4万円)×100で、証拠金維持率は250%となります。

  • 強制ロスカット
    FX取引で損失が出た場合、損失をこれ以上拡大させないよう、現在保有しているすべてのポジションを強制的に決済する仕組みのことです。

FXの注文方法

FXで用意されている注文方法を使いこなすと、チャートと向かい合わなければならない時間を減らせるかもしれません。代表的なFXの注文方法を紹介します。

  • 成行注文
    現在の価格で即座に注文する方法。
  • 指値注文
    指定したレートで注文できる方法。現在よりも有利な為替レートで売買したいときに活用します。
  • 逆指値注文
    指定したレートで注文できる方法。現在よりも不利な為替レートで売買したいとき、例えば損切りなどで活用します
  • OCO注文
    同時に2つの注文を出し、一方が成立すると、もう片方の注文が自動的にキャンセルされる注文方法。
  • IFD注文
    新規注文の成立と同時に、決済注文も有効になる注文方法。
  • IFO注文
    OCOとIFDを組み合わせた注文方法。新規注文が確定したと同時に、利益確定の指値注文と、損切りの逆指値注文のOCO注文が有効になります。

FXの取引スタイル

FXは、さまざまな取引手法があります。それぞれの取引手法の特徴を知って、自分のライフスタイルや投資スタンスにあった方法を選びましょう。

  • スキャルピング
    数秒から数分といった短時間の取引を繰り返し、小さい利益を積み重ねていく取引手法です。短期間で大きな収益を出したい人に向いています。
  • デイトレード
    数時間から1日の取引で、ポジションを翌日に持ち越さない取引手法です。スキャルピング同様、比較的短期間で大きな収益を出したい人に向いています。
  • スイングトレード
    数日から数週間の期間で取引をする取引手法です。長期間保有するため、為替差益だけではなく、スワップポイントも獲得できます。常にチャートを見る必要がないため、子育てや仕事で忙しくてFXトレードに時間を割けない人に向いています。
  • 長期保有
    月単位、年単位といった長期で保有するスタイルです。スイングトレードと同様、為替差益だけではなく、スワップポイントも獲得できます。長期保有も、忙しくてFXトレードに時価を割けない人に向いています。
  • (参考)自動売買
    上記で紹介した取引方法は、チャートを確認しながら自分の判断で売買注文を出す方法です。しかしあらかじめプログラミングした設定に基づいて、自動的に売買が繰り返される自動売買という取引手法もあります。要件を満たせば自動的に売買されるため、忙しい人やFX初心者でも利益が出せる可能性があります。また、人の意思を介さないため、利益確定や損切りが遅れることもありません。

FXチャートの見方

FX初心者がチャートを見ても、いくらで新規注文をすれば良いのか、あるいは売り買いどちらから始めれば良いのかわからないかもしれません。しかし、FXチャートの見方を勉強すると、新規注文をすべきポイントや、トレンドがある程度理解できるようになります。

勘に頼るのではなく、FXチャートの見方を理解して、トレードの勝率を上げていきましょう。

FXチャートの分析方法

FXチャートを分析しながら トレードをしていても、一般的なFXのセオリー通りの値動きとは異なる、いわゆる「ダマし」に遭うことがあります。

1つのチャートだけではなく、複数のチャートを組み合わせて分析することで、ダマしに遭う確率は減らせるでしょう。ここでは、主なFXのチャート分析方法を紹介します。チャート分析方法には、ローソク足や、いつ売り買いすれば良いのかを判断する「トレンド系」チャートと、買われすぎ・売られすぎといった相場の過熱感を判断する「オシレーター系」チャートなどがあります。

  • ローソク足
    ローソク足といわれる棒状の図形の中に、始値と終値、高値と安値の情報が盛り込まれており、ローソクの形や前後の並びから今後のトレンドや、トレンド変化の兆候をつかむ分析方法です。

【トレンド系チャート】

  • 移動平均線
    過去一定期間の価格の平均値を結んだ線が、移動平均線です。移動平均線の向きやローソク足との位置関係で、売りどき、買いどきを判断します。短期の移動平均線が、長期の移動平均線を下から上に抜けることをゴールデンクロスといい、買いのシグナルです。一方、短期の移動平均線が長期の移動平均線を上から下に抜けることをデッドクロスといい、売りのシグナルとなります。
  • ボリンジャーバンド
    為替レートは、68.26%の確率で1σ(シグマ)、95.44%の確率で2σ、99.74%の確率で3σの範囲内に収まるという統計学上の標準偏差の考え方をもとに、売り買いのタイミングを判断する分析方法です。チャート上に、バンドといわれる±1σ、±2σ、±3σの線を一部あるいは全部表示して分析します。

【オシレーター系チャート】

  • RSI
    相対力指数のことで、上昇変動と下降変動のどちらが強いのかを示すチャートです。RSIは、0~100%の範囲で表示され、一般的には30%以下になったら売られすぎ、70%以上で買われすぎと判断します。
  • MACD
    移動平均収束発散法のことで、2つの移動平均線をもとに、トレンドの強さを図る分析方法です。MACDラインとシグナルラインの2つの要素で構成され、2つの要素がゴールデンクロスを形成すると買いシグナル、デッドクロスを形成すると売りシグナルといった分析方法があります。

②デモトレードで練習する

FXでも、実践に勝る勉強はありません。しかし、いたずらに本番のトレードに手を出してしまうと、高い確率で損失を出してしまうでしょう。

FX会社の中には、仮想の資金が与えられ、本番同様のFX取引が体験できるデモトレードを用意していることがあります。デモトレードなら、取引で失敗しても自分の資金を失うわけではないため、FXの取引経験が浅い人や、新しい取引手法を試したいときなどに活用できます。

③少額から取引を始める

少額から取引を始めれば、損失を抑えやすくなります。

例えば、1ドル100円で1万通貨購入した場合、1円円高になると損失は1万円です。しかし、購入する通貨量を100通貨に抑えておけば、1円円高になっても損失は100円で済みます。

少額から取引を始めれば、失敗しても資金の減少は少なくなるため、何度もトレードが経験できるでしょう。

関連記事:FX初心者が覚えるべき基礎知識は?まずやることや取引方法について

FX初心者は何を使って勉強すべき?

初心者がFXを勉強する方法には、主に次のものが挙げられます。

  • 専門書籍を読む
  • インターネットの情報を参考にする
  • YouTubeの動画を視聴する
  • セミナーを受講する
  • 経験者に教わる

各勉強方法のメリットとデメリット、どのような人におすすめなのかについても紹介します。

専門書籍を読む

FXの専門書籍は、本屋やインターネットで数多く発売されています。FXに関する専門書籍は、一般的に、専門用語や取引手法、チャート分析方法などが体系的に書かれているため、FXの知識がゼロで、まさにこれから勉強を始める人におすすめです。

ただし、実際に本屋に行かなければ、本の中身は見られないため、買ってはみたものの知りたい情報が書かれていなかったというケースもあります。

インターネットの情報を参考にする

インターネットは、知りたい情報について検索すれば何かしらの回答を得られるため、情報を効率的に集めたい人に向いています。また、通信量を除けば、情報収集は無料です。ただし、必ずしもインターネットですべての情報が検索できるとは限りません。

インターネット検索は、書籍である程度基礎的な知識を身につけたうえで、もう少し詳しく知りたいことがあるとき、あるいは知識をもう少し肉付けしたいときに利用すると良いでしょう。

YouTubeの動画を視聴する

YouTubeなどの動画でも、FXに関する知識は習得できます。最近ではライブ機能を使って、リアルタイムに情報配信しているコンテンツが豊富にあります。そのため、FXをとりまく最新動向を把握したい人は、YouTubeの活用がおすすめです。

しかし、全体的にコンテンツ量は少ない傾向があり、インターネットで検索する以上に、自分の必要な情報にたどりつく可能性は低くなります。

セミナーを受講する

FXに関するセミナーも頻繁に開催されているため、活用してみましょう。あらかじめテーマや講師がわかっているケースがほとんどなので、事前にテーマや講師について調べておけば、セミナー受講が無駄に終わることはないでしょう。また、講師に個別で質問できる可能性もあります。

ただし、自分が希望する内容のセミナーがあるとは限りません。さらに、地方に住んでいる人は、開催されているセミナー数自体少ない傾向です。オンライン開催されていなければ、参加すること自体難しいでしょう。

セミナー受講は、ある程度勉強したいテーマが定まっている人、個別に詳しく聞いてみたいことがある人に向いています。とはいえ、すべてのセミナーで質問コーナーを必ず設けているとは限らないため、事前に確認しましょう。

経験者に教わる

知人・友人・職場の同僚など、自身のまわりにFX経験者がいれば、直接教わっても良いでしょう。個別にわからないことだけ聞けるため、多くの疑問をまとめて解決できる可能性があります。まわりにFX経験者がいる人は、積極的に聞いてみるのもおすすめです。

しかし、FXは経験者のライフスタイルや資金量などによって、手法もトレードの考え方も異なります。経験者の言うことが、すべて自分にも当てはまるわけではないことを心得ておきましょう。

FXの勉強に必要な時間

FXは、専門書籍を読んで一通り知識を身につけたあとに、デモトレードでトレード経験を積んでからスタートすることをおすすめします。

米ドル円の場合、雇用統計や消費者物価指数といった毎月発表される重要指標があるため、こうした重要指標で米ドル円の為替レートがどれくらい動くのかを一通り把握しておいたほうが良いでしょう。そのため、最低でも1~2冊の専門書籍を読む時間プラス1ヶ月のデモトレード期間は必要になります。

【初心者向け】FXの勉強で挫折しないための3つのコツ

FXは投資のため、誰でも稼げるようになるわけではありません。しかし、勉強をして取引の成功率を上げれば、利益は積み重なっていくでしょう。挫折することなく勉強を継続させるコツは、次の3つです。

  • 最初に目標を設定する
  • デモトレードを活用して知識を使ってトレードする
  • 自分の勝ちパターンを見つけるためにさまざまなトレードスタイルを試してみる

それぞれの項目について解説します。

最初に目標を設定する

まずは、取引の目標を設定しましょう。初心者は、1日にどれくらい利益が出るかわからない可能性があるため、まずは達成可能な小さい目標を決めていきます。

【FXスタート当初の目標設定の例】

  • 10pips損失が出たら損切りする
  • 1日のトレードで勝ち越しを目指す
  • FXの勉強ができなかった日はトレードしない
  • トレード前に必ずチャート分析で仮説を立てる

いきなり「毎月利益1万円」のように決めこともできますが、その金額に根拠がなければ、すぐにうやむやになります。金額の目標をたてるのは、実際にトレードをスタートしてみて、コンスタントに利益が出るようになってからにしましょう。

また、目標設定の例に「損切り」を入れたのは、初心者はなかなか損切りができない傾向があるからです。最初の段階では、1回の取引で大きな損失を回避することを心がけましょう。

デモトレードを活用して知識を使ってトレードする

専門書籍やインターネット検索のような座学だけでは、退屈になってしまうかもしれません。デモトレードで知識をつけて、適度にアウトプットしながらのほうが、楽しんで勉強を継続できるでしょう。勉強した成果がトレードに現れれば、勉強習慣の定着率も上がり、モチベーションアップにもつながるでしょう。

自分の勝ちパターンを見つけるためにさまざまなトレードスタイルを試してみる

前述しましたが、FXには4つのトレードスタイル(取引手法)があります。デモトレードを活用してさまざまなトレードスタイルを試してみると、自分も知らなかった才能に気付くかもしれません。

最初は、自分の中で「スイングトレード以外は手を出さない」のような決めつけをせず、可能性を模索してみましょう。また、本番のトレードではスイングトレードをしながら、デモトレードではデイトレードやスキャルピングの練習をしてみても良いかもしれません。

まとめ

FXは投資のため、誰でも利益が出せるものではありません。しかし、勉強をすればトレードの勝率が上がり、利益が出せる可能性が高くなるでしょう。FX取引にあたって必要な知識は何かを理解して、書籍やインターネット、セミナーなど自分にあった方法を選んで知識をどん欲に吸収していきましょう。また、本番のトレードを始めたら、勉強は終わりではありません。FXの勉強で挫折しないコツも取り入れて、継続的な学習を心がけてください。