今日の裏読み、表読み

昨晩は米長期金利の低下やナスダックの大幅下落が、直近の動きの巻き戻しを誘い、リスクオフの展開。ただ、日替わり的な展開もあって、追いかけるのは厳しく、逆のリスクを考慮して対応したい。
本日は、日銀金融政策決定会合が大きな注目を集めそう。ただ、政策自体は現状維持が想定されており、また日銀展望レポートでは、一部物価見通しが上方修正される可能性はあるが、これも反応は見えない見通し。問題は黒田総裁の発言で、恐らく強力な緩和姿勢を維持することをまたぞろ表明する見通し、9月22日同様、これを材料に投機筋が円売りを仕掛けるリスクが残っている。ただ、前回は、その後のドル円の急騰時に、財務省・日銀が市場介入を実施ており、警戒感も残りそう。その場合膠着感が続くかもしれない。一方為替レートに関しては、政府からのけん制があるのか、直近黒田総裁のトーンが、「最近の円安進行は急速で一方的、先行きの不確実性を高める」、「(急速な為替の動き)日本経済にマイナス、望ましくない」、「行き過ぎた円安に対し介入したことは大変適切」と変化している。今回更にこういった発言を強めると、思惑的な円買いが出るリスクも考慮しておきたい。
経済指標としては、日本の10月東京都区部消費者物価指数と9月失業率・有効求人倍率、豪第3四半期卸売物価指数、独仏第3四半期GDPと10月消費者物価指数・速報値、ユーロ圏10月経済信頼感・消費者信頼感・確定値、加8月月次GDP、米国では、第3四半期雇用コスト指数、9月個人所得・消費支出、9月住宅販売保留指数と10月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値などが発表される。
注目としては、日本の10月東京都区部消費者物価指数は強い数字が想定されるが、日銀の緩和姿勢に影響を与える可能性は低く、相場の反応ななさそう。また海外では独仏第3四半期GDPと10月消費者物価指数・速報値、ユーロ圏10月経済信頼感・消費者信頼感・確定値、加8月月次GDPと個別の強弱次第、米国では、昨日のGDPの結果からは、比較的良好な数値が想定されるが、あくまで米長期金利の反応次第となりそうだ。
また、引き続き株価や米長期金利の動向に注意だが、31日は、ハロウィーンでNYが休場、月末に向けたフローの動きにも細心の注意を払っておきたい。

昨日の為替市場でドル円は、ドル安相場もあって、落ち着いた動きとなっている。一方介入に対する警戒感も残っており、一定の効果も見えている。引き続き1日に2円近く上昇しない限りは、介入は入らない見通しで、その面では下押し圧力も出る可能性は留意しておきたい。
戦略としては、ドル円は、日銀で荒れた動きが想定されるが、基本は、またぞろ円売りの仕掛けが入る可能性からは、早期は押し目買い気味から、吹き値では日銀の介入リスクから売り狙い。特に東京時間の安値から2円近い上昇となるなら、売り場を探したい。また、想定通り介入が入った場合、4-5円動く可能性には留意しておきたいが、大幅な下げは買い向かいとなる。また、介入が入らない場合、または、黒田総裁が、強い円安けん制をした場合、円高に傾くリスクがあるが、その場合も、買いは安易な位置は避けて、大きめの動きを待ちたい。
レベル的は、売りは148円近辺への上昇か、日足の転換線の148.52レベル、ストップは150円越えなどで対応できればベター。一方買いは、145円が維持されるかは、テクニカル的に注目となるが、できれば割れるケースを想定して買い場探しも、ストップは143.18-52レベル割れがリスクとなる。 
ユーロドルは、ECB理事会後の下落も、一旦の利食いと考えて、押し目は引き続き買い場探しで、0.9918の転換線から、基準線とサポートが位置する0.9815近辺は、買い場探し。ストップは0.97割れが理想的となる。ただ、現状は昨日の高値1.0095レベルを越えないなら利食い優先が良い。
ポンドドルも、1.1350-00ゾーン、1.12までは買い場探しで、ストップは1.1061割れが理想的も、同様に昨日の高値1.1646が押さえると利食い優先となる。
一方クロス円は、日銀でドル円が荒れるとやりづらくなることで、様子見ながら直近高値安値を睨んで、大き目な上下の動きがあれば逆張り場を探して、利食えるなら利食いを優勢しながら対応したい。