今日の裏読み、表読み

昨晩は米CPIを受けて荒れた動きも、引き続き株価の動向に左右される展開が続いていること、また週末のポジション調整の動きにも注目して対応したい。
 本日の経済指標としては、中国の9月消費者・生産者物価指数と貿易収支、独9月卸売物価指数、仏9月消費者物価指数・改定値、ユーロ圏8月貿易収支、加8月製造業出荷・卸売売上高、米国では、9月小売売上高、9月輸入・輸出物価指数、8月企業在庫、10月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値などが発表される。
 注目としては、中国の9月消費者・生産者物価指数と貿易収支が焦点となるが、直近中国指標の結果に対する市場の反応が薄いことは、留意しておきたい。また米経済指標としては、小売売上高が大きな焦点だが、既に直近のWPIやCPIが強い結果となっており、影響は限られそうだが、弱い結果の方がサプライズとなりそうだ。また、ミシガン大学消費者信頼感指数に関しては、1-5年先インフレ見通しなどが引下げられると、米長期金利の押し下げにつながりそうだ。
 その他IMF国際通貨金融委員会、IMF・世界銀行年次総会、国際金融協会年次会合などから聞こえて来る要人発言にも注目されるが、為替変動の過度な変動に警鐘が出てくるようなことが無ければ、総じて反応は少ない見通し。また、英中銀の緊急長期国債買い入れ終了は、既に市場に織り込まれており、これに対する反応はないが、英財務省と英中銀に不協和音が指摘されており、来週は年金基金が採用している年金負債対応投資(LDI)戦略の一部が破綻の懸念が出ており、新たな対策が実施されない場合、ポンド相場に良い影響を与えないことは注意しておきたい。
 一方週末は、米財務省の半期に1度の為替報告書の議会提出期限を迎える。ただ、例年発表時期がブレることで、今週出てくるかは不透明だが、特に9月に日本が市場介入を実施ており、これに対する米財務省の反応に注目が集まりそうだ。為替操作国としての認定はないとしても、もし、批判的な見解が出た場合、財務省・日銀が介入しづらくなるとの思惑で投機筋が更に円売りを強める可能性に留意しなければならない。

為替の戦略としては、ドル円は、1998年の高値に迫る動き。一時1円程度下げたが、海外時間に市場介入することは出来ず、あくまで介入警戒感で利食いが強まった程度。ただ、東京時間は、引き続き介入警戒感で動きづらそうだ。実際今日の東京で再介入するかは不透明で、売りも狙いづらく、様子見に徹したい。一方介入した場合、4-5円落ちるケースもあることから、下げ始めた場合、その点を確認して対応したい。ただ、大下げがあれば買い狙いは有効で、大きな動きを待って行動する方が良いかもしれない。
 ユーロドルは、揉み合いをブレイクする動きも、結局は上昇気味。本日も昨日のレンジとなる0.9632から0.9806を睨んで、逆張りスタンスだが、0.97方向は少し長めに見ても、買いで狙いたい。一方ポンドドルは、強い上昇も、来週を睨むと追いかけるのは厳しい。早期は1.1380をストップに売り場探しで、1.13を割れるかどうか注目。割れると1.12方向では利食いで、買いは1.11まで慎重に買い場探し。ストップは1.1058割れなどで対応となる。
一方クロス円は、強い上昇も引き続き売り場探し。ただ、下げが甘ければしっかりと買い戻しながら対応したい。