昨晩の海外

金曜日の海外市場は、トラス政権が打ち出した1972年以来の大規模な減税策と国債増発計画をきっかけに、世界的な株安・債券安が強まり、リスク回避のドル全面高となった。米9月製造業・サービス業PMI・速報値が予想を上回ったこともあって、ドルインデックスは、2002年5月以来の113.23まで上昇した。尚、サマーズ元米財務長官は、トラス新首相が採用した経済政策は、ポンドがドルに対して等価(パリティー)割れの水準に下落する環境を生み出している」、「非常に申し訳ないことを言うが、英国は沈み始めた新興国のように振る舞っている」、「英国の欧州連合、イングランド銀行のひどい後手後手ぶり、今のこうした財政政策。英国は主要国で長きにわたって目にしなかった最悪のマクロ経済政策を追求したとして記憶されるだろう」と述べている。
 ドル円は、米10年物国債利回りが、2010年4月以来の3.829%まで上昇したこともあり、143.36まで買い戻され、ユーロドルが0.9668まで下落、ポンドドルは英国の財政悪化懸念で、英株安・債券安・通貨安のトリプル安となり、1.0840まで大きく値を下げた。またユーロポンドは一時0.8973と昨年1月以来のポンド安水準まで上昇した。
 一方クロス円では、ユーロ円は138.67、ポンド円は155.46、オージー円は83.38、NZD円は82.18まで売りに押されたが、カナダ円は105.17から105.85で上下の動きに留まった。