今日の裏読み、表読み

昨日もドルの上昇が続いた。ただ、米長期金利は上げ渋っており、現状のドル買いが、金利差というより、貿易収支の悪化を受けて円やユーロに、実需の売りが出ていることは、十分留意しておきたい。
 その面では、ウクライナ情勢が将来的に改善を見せ、天然ガスや原油価格の上昇が止まり、今月のFOMCでの1%利上げも既に織り込まれており、逆に0.75%に留まるようなケースでは、大きくドルが売り直される局面もあることは想定して対応したい。
 本日の経済指標としては、NZ6月製造業PMI、中国の第2四半期GDP、6月小売売上高・鉱工業生産・固定資産投資、日本の5月第三次産業活動指数、ユーロ圏5月貿易収支、加5月卸売売上高、米国では、6月小売売上高、7月NY連銀製造業景気指数、6月輸入・輸出物価指数、6月鉱工業生産・設備稼働率や5月企業在庫、7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値などが発表される。
 注目は、中国のGDPは、ゼロコロナ政策の影響で弱い結果が想定されるが、中国の指標は操作されている可能性もあり、予想より案外強い結果が出るかもしれない。ただ、総じて反応は限られそうだ。また、直近ドイツの貿易収支の悪化が、ユーロ売りに繋がっており、ユーロ圏5月貿易収支の弱い結果が、ユーロ売りに繋がるか注意。
 一方米国では、景況感を見る上で多くの指標が発表されるが、6月小売売上高や7月NY連銀製造業景気指数、7月ミシガン大学消費者信頼感指数・速報値などが弱い結果となるならドルの上値を抑える見通し。更にミシガン大のンフレ見通しなどが引き下げられると、米長期金利の押し下げにつながるので注意して見ておきたい。
 その他、本日は米国債の償還日であり、東京仲値やロンドン・フィキシングで一定のドル売りが出ることは留意しておきたい。また週末のG20財務相・中央銀行総裁会議は、議題がウクライナ関係となりそうで、あまり影響はないが、バイデン大統領の中東歴訪が、原油価格の更なる押し下げにつながるなら、カナダドルや豪ドル相場に良い影響はない。ただ、日本にとっては原油の下落がプラスとなることもあって、円の買い戻りとなるか注目したい。

本日の為替の戦略としては、ドル円は既に一旦のターゲットとなる140円に迫る動き。米国債の償還日であり、本邦は3連休前。反発では売りから入ってみたいが、ただ、下げが甘ければ買い戻しや買いながら、回転する形での戦略を想定したい。
ユーロドルは、昨晩しっかりとパリティを割り込んだが、一定の反発が実現している。投げ売りもそろそろ一巡する可能性もあり、週末のポジション調整も想定されることで、押し目は買いから入っても、反発ではしっかりと利食い、吹き値では売りも検討する形。ポンドドルは、安値を更新する展開となったが、引き続き1.1760と戻り高値となる1.1968を睨んで、このレンジでの逆張りを検討したい。
一方クロス円は、引き続きまちまちながら、揉み合いの動き。中途半端なレベルは避けて、もし大きめの動きがあれば、逆張り場を探しながら、軽く抜くような戦略で臨みたい。