今日の裏読み、表読み

昨晩もドルの堅調が続いたが、本日は米雇用統計の発表や週末を控えて、荒れた動きが見えるか注意して対応したい。
 本日の経済指標としては、日本の5月全世帯家計調査、5月国際収支や6月景気ウオッチャー調査、仏5月国際収支、カナダと米国の5月雇用統計などが発表される。
 注目はやはり米雇用統計となるが、直近では雇用者数の増減や失業率に落ち着きが見えており、チャレンジャー人員削減予定数も2021年2月以来の悪化、週間新規失業保険申請件数も弱めの結果が続いている。事前発表のADP全米雇用報告の結果が昨日発表されておらず不透明感は残るが、予想比でサプライズ的に弱い結果となるかが焦点。景況感指数に加えて、遅行指数となる雇用まで陰りが見えると、FRBの利上げ姿勢に変化出る可能性に注目されそう。特に7月のFOMCでは、0.75%の利上げ確実視されているが、FOMCの議事録では、未だ0.50%の利上げの可能性も排除されていない。急速なFF金利見通しの引き下げが、米長期金利の押し下げにつながるか注目しておきたい。
 また日本の国際収支は悪化が想定されており、悪い結果が円売りに繋がるか注意。カナダ雇用統計は、結果次第の展開となりそうだ。
 一方イベントとしては、G20外相会議では、ブリンケン国務長官と王毅外相の会談が予定されており、ラブロフ露外相も参加する。激しい討論となりそうだが、ただ金融市場に直接的な影響はない見通し。要人発言としては、ラガルドECB総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁が、直近の急激なユーロ安に懸念を示すか焦点。ウィリアムズNY連銀総裁は、タカ派姿勢を継続しても、織り込みの範囲に留まりそう。
 株価面で日経平均は、オプションのSQ日にパッシブ型ETFの決算期日が重なる。配当金捻出のため大量の売りが出ると囁かれており、株価の上値を抑える要因と指摘されている。ただそれでも下げが限定された場合、逆に意外高の可能性に注目しておきたい。
 その他週末の中国の6月消費者・生産者物価指数は、直近中国の経済指標に対する市場の関心度が低下しており影響は少なく、 日本の参院選も自民党優勢が伝えられており、相場に影響はなだそうだ。

本日の為替の戦略としては、ドル円は、米雇用統計の結果次第だが、下値は底堅いとしても、上値も重くなっており、大きめの動きで逆張り狙いとなるが、売りのストップは137円越え。買いのストップを134.75と想定して対応したい。
ユーロドルは、一部にパリティ割れを指摘する声も出ており、軟調が続いるが欧信用不安でも、パリティを割れることはなかった。大分売りポジションも積み上がっており、やはり突っ込み売りは避けて、戻りを待って売り狙いとなる。またポンドドルは、ジョンソン首相の辞任で、皮肉にも戻っているが、こういった動きは一過性となり易く、1.21方向への反発では売り上がりを狙いたい。
一方クロス円は、まちまちの動きで対応が異なりそうだが、突っ込み売りは避けても、戻りでは売り場探し。直近安値の維持では買い戻しながら買って、回転させる形を想定したい。