昨晩もドルの堅調が続いた。FRBのタカ派的な引き締めが、ドル相場を支えているが、週末は米6月雇用統計、来週は米国の6月の消費者物価指数が大きな焦点となる。一部雇用も落ち着きを示し、インフレの上げ止まりも見えており、更にドルを追いかけて良いのかは不透明感が残ることは、留意しておきたい。
本日金融政策としては、6月9日開催分のECB理事会の議事録が公表される。既に7月の理事会での利上げが示されており、こういった内容は織り込みの範囲となるが、今後の利上げ姿勢にタカ派的な見解が見えるか、また直近進んでいるユーロ安に懸念が示されるとユーロ相場の一定の買い戻しのつながる可能性に注目したい。
経済指標としては、豪5月貿易収支、日本の5月景気先行・一致指数・速報値、独5月鉱工業生産、英6月ハリファックス住宅価格、米国では、6月ADP全米雇用報告、5月貿易収支と週間新規失業保険申請件数、加5月貿易収支と6月Ivey購買部協会指数などが発表される。
注目は週末の米雇用統計の発表を控えて、DP全米雇用報告や週間新規失業保険申請件数となるが、 昨晩の5月JOLTS求人件数なども減少を示しており、弱い結果が米長期金利の押し下げにつながるか注意しておきたい。
要人発言としては、ウォラーFRB理事、ブラード・セントルイス連銀総裁、G20外相会議などの発言が注目されるが、FRB要人のタカ派発言は織り込みの範囲、G20では、ラブロフ露外相が参加、本日か明日か不明だが、ブリンケン国務長官と王毅外相の会談なども予定されており、激しい討論となりそうだが、金融市場に直截的な影響はない見通し。
本日の為替の戦略としては、ドル円は、135円がどうにか維持されているが、米雇用統計を控えて、大きく動くかは不透明、134.75の安値と136.36の高値をストップ・ポイントに逆張りで臨みたい。
ユーロドルやポンドドルは、軟調が続いるが本日のECB議事録を前に、買い戻しも入り易い。早期は押し目を慎重に買って、しっかりと吹いたら利食いや売り狙いとなる。
一方クロス円は、引き続き突っ込み売りは避けたいが、大きめの戻りでは売り場探し。直近安値の維持では買い戻しながら、回転させる形を想定したい。