昨晩は円の全面安となったが、それほど円売りとなる要因に関しては不透明感が残ることは留意しておきたい。
本日金融政策としては、豪準備銀行が政策金利を公表する。0.50%の利上げが想定されているが、これは織り込みの範囲で、更なるタカ派的な追加引き締めの可能性が示唆されると豪ドル相場を、一時的に支える要因となりそう。ただ、米国の引き締めペースとの関連では、ドル相場の動きに流される可能性が残っていることは注意。
経済指標としては、日本の4月全世帯家計調査・消費支出や景気先行指数・速報値、独4月製造業新規受注、英5月サービス業PMI・改定値、加4月貿易収支と5月Ivey購買部協会指数、米4月貿易収支などが発表される。特別大きく相場に影響を与える指標はないが、日本の指標に関しては、普段影響は出ないが、昨晩黒田総裁の発言が円安を煽った側面もあって、指標に強い結果が見えた場合、また参院財政金融委員会での日銀の「通貨および金融の調節に関する報告書」の説明に関して、円安懸念が示された場合など、20年ぶりに高値をつけたドル円相場やクロス円相場に、利食いが強まる可能性には注意しておきたい。
その他世銀が世界経済見通しを公表するが、ウクライナ情勢や資源・食料価格の上昇を反映して、弱い見通しが株価を圧迫する可能性に注意となる。ただ、為替市場のリスクオン・オフの動きに、株価との整合性が希薄となっていることは留意しておきたい。
本日の為替の戦略としては、ドル円やクロス円は、一旦高い位置にあるが、こういうケースは安易な売りは危険としても、慎重に売りから入って、押しが甘ければ買い戻しながら対応。買いはしっかりと押し目を確認しながら対応したい。
ユーロドルは、引き続き一旦上下を見ており、これを睨んで逆張りとなるが、昨日下がっているので、今日は押し目買いからか?
また、ポンドドルは、想定に反して昨晩は、対ユーロでの買いが支えたが、今週はECB理事会もあって、ユーロポンドのショートカバーが、ポンド相場の上値を抑える方向で見ており、売り狙いから入って、直近安値を維持するなら買い戻しで軽く抜いてみたい。