今日の裏読み、表読み

円の全面安が続いている。昨日は、片岡日銀審議委員の「より金融緩和姿勢を強める必要がある」と発言が、一つのきっかけとなっているが、日銀に更に緩和を強化する特別な方法はない。この話で円安が進んだのは、ちょっと不思議だが、黒田日銀総裁の円安容認発言から、円売りの絶好の機会にされているようだ。
 この黒田日銀総裁の発言は、安易すぎるとか思えない。自分たちは、長らくデフレ克服を目指し、「間違った2%のインフレ目標」を掲げ、何年も超低金利政策を実施してきたが、全く効果はなかった。それがパンデミックやウクライナ危機で、偶発的な資源や穀物などの商品市況の上昇となり、インフレが実現しているというのは、なんと皮肉なことだろう。それを良しとしているなら、大いに疑問だし、更に加えて円安が進めば、国民が一番割を食う訳で、それは「悪い円安」を助長することになることは、理解しているのだろうか?
 いずれ、発言機会があれば「修正発言」を余儀なくされることとなりそうだ。
 まあ、それはさておき本日は、英国の2月小売売上高、独3月ifo企業景況感指数や米3月ミシガン大学消費者信頼感指数・確報値などが焦点となるが、引き続き経済指標に対する反応は限定されると見ておきたい。逆にこれで動いたら逆張り場ぐらいと考えておきたい。
一方、NATO緊急首脳会議やG7首脳会談、EUサミットの結果は、玉虫色で市場の反応は限定されている。ただ、一応軍隊の派遣や戦闘機の供与など、危険をはらむ決定がなされなかったことが好感されているが、本日は、バイデン大統領が、ポーランドを訪問するも、ポーランド大統領との会談は、26日の予定となっており、この影響は少なそうだ。
為替の戦略としては、ドル円は、早朝から利食いが出ているが、一応5-10日ということ、期末も睨んで仲値までは、堅調を維持する見通し。問題は仲値以降だが、こういったケースでは、仲値後も仲値を越えて動くなら強さが続き、逆に仲値を維持出来ない場合は、一定の円高が実現すると見ておくのが良いだろう。ともかく、値ごろだけで売っても厳しいので、上値にはしっかりとストップを置いて対応。買いはあくまで深押しを待ちたい。
ユーロドルは、1.09台と1.10台で、戻り高値や安値を睨んで、引き続き逆張り狙い。またポンドドルは、1.30が維持されたが、1.32は重いようで、こちらもこのレンジで吹き値売り、深押し買いを検討したい。
一方クロス円は、なかなか売っても勝てないが、やはりこのレベルで買いも厳しい。ただ、落ち始めると早いので、落ち始めたらしっかりと下げ止まりを待つのが無難かもしれない。 (個人的には、ドル円やクロス円はともかく上がったら売りから入って、駄目なら止めながら対応するつもり)