昨晩の海外市場は、トルコで開催されたロシア・ウクライナ・トルコ外相の3者会談において、主だった進展が見えず、リスクオフ相場が続く中、ECB理事会の結果を受けて、ユーロが大きく上下する展開となった。ECB理事会では、パンデミック緊急購入プログラムを3月に終了し、従来からの資産購入プログラムを、7-9月期に前倒しで終了することを発表。声明文から「金利は現在よりも低くなる可能性」や「利上げの直前に資産購入を終了」などの文言が削除されたことで、ユーロ買いで反応した。ただ、ECBスタッフの経済見通しでは、2022年のインフレ見通しを大幅に上方修正する一方、GDP見通しを下方修正、ラガルドECB総裁が、「インフレは短期的に非常に加速する可能性」、「成長見通しへのリスクが著しく増大した」と発言、欧州経済のスタグフレーションへ懸念が強まったことで、一転ユーロ売りに転じた。また、米2月消費者物価指数は、予想比変化はなかったが、高止まりが意識されたこと、NY株価3指数が軟調な展開となったことも、ドルやリスクオフ相場を支えた。
ドル円は115.81から116.20まで一時上昇後も、米CPIを受けて米10年物国債利回りが2.021%まで上昇したことで、高止まりが続き、ユーロドルは、1.1121まで上昇後1.0980まで売りに押され、ポンドドルも1.3195を高値に1.3088まで下落した。
クロス円は、まちまちの展開も、原油価格の下落にもオセアニア・資源国通貨買いが続いた。ユーロ円は128.87を上値に127.42、ポンド円は152.99から151.92まで下落、オージー円が85.55、NZD円は79.82、カナダ円は91.07まで値を上げた。