昨晩は、ウクライナの問題が、急速に改善に向かうとの思惑で、リスクオフ相場に巻き戻しが優勢となった。資源価格の下落もあるが、ただ、材料的それほど安心できるとは見えず不透明感が残る。また、本日も戦火が拡大すれば、またぞろリスクオフの動きが出易いので、少なくともユーロや株を追いかけて買うのは避けておきたい。
一方本日はECB理事会や米消費者物価指数が発表されることで、材料でも相場が動きそう。一応ユーロ相場は、一昨日の欧州連合の大規模な共同債発行の検討が、安心感につながっているが、今夜のECB理事会でも、金融引き締めに慎重なスタンスが示されると欧州株価に見直しも入りそうで、ユーロ相場も今一歩買い戻しが出るかもしれない。
米消費者物価指数に関しては、今回も強い結果が想定されている。ただ、一定の織り込みあること、米長期金利もこの辺を織り込んでいる可能性があり、想定範囲の結果なら米長期金利が低下を強め、特にドル円などでは案外売りに押される可能性もあるかもしれない。
その他EUサミットでは、ロシア制裁に関して協議がなされるだろうが、ドイツは、自国の事情からエネルギー関連では慎重姿勢を続けそう。主だった成果が出せないとユーロ相場の上値を押さえそう。また、トルコで開催されるウクライナ・ロシア:トルコ外相の3者会談だが、両者の思惑は引き続きかけ離れており、トルコが仲介しても、今夜休戦協定など進展が見えるとは思えない。一部にIAEAのグロッシ事務局長が、トルコのアンタルヤに向っていようで、ウクライナの核の安全について、協議するとの報道も見えている。ただ、ロシアは、自らの核施設の攻撃自体を否定しており、協議は平行線というパターンで、こういった結果が伝われば、またぞろリスクオフ相場が戻ってきそうだ。
為替の戦略としては、ドル円は、116円台を回復しているが、直近高値の116.23を越えることが出来るか、様子見を見て対応した方が良さそう。越えなければ売りだが、無理して手を出すより、ニュース次第で考えた方が良いかもしれない。さもなくば、116円ミドルぐらいか慎重に117円越えをバックに売って、下げが甘ければ買い戻し。一方買いは順張りは厳しく、115.20割れをストップに、115円ミドル方向があれば買って見るぐらいかな?
ユーロドルは、売り目線だが、ECB理事会などで上がるリスクもあるので、理想的は、現状売っても、これを前に買い戻し。または、ECB理事会やラガルドは発言で、上げたところから売り向かいも考えたい。現状買って見たいレベルは、1.0900-50ゾーン。
またポンドドルは、1.3100から1.3200でのレンジで見て逆張りで臨むのが良さそうだが、クロス円は、総じて戻り売り目線から入ってみたい。