昨晩の海外市場は、ウクライナとロシアによる第2回停戦協議の行方に注目が集まる中、ウクライナ主要都市ヘルソンが、ロシア軍に陥落、ロシア軍が欧州最大の原子力発電所であるザポリージャ原発の占拠を企てようとしているなどの報道にリスクオフの展開も、「ウクライナとロシアの代表団は、3回目の停戦協議の開催で合意した」との報道を受けて、下げ止まりを見せた。ただ、停戦協議に関しては、ロシア側が、「市民が避難するための人道回廊の設置や避難の際の一時的な停戦が実現する可能性で、一定の合意があった」とするも、ウクライナ側は「期待した結果は得られず」としており、今後の協議で停戦が早期に合意ができるとの見方は少ない。
一方米経済指標としては、週間新規失業保険申請件数は良好な結果も、2月サービス業PMI・改定値やISM非製造業指数が予想を下回ったが、ドル売りの影響は限られた。また、2日目となるパウエルFRB議長の議会証言も、「短期的に、エネルギー価格は確実にインフレを押し上げるだろう」などと述べたが、新味に薄く市場の反応は、ほとんど見えなかった。
ドル円は、米10年物国債利回りが、1.896%から1.830%まで低下したこともあって、115.81の高値から115.42まで下落、ユーロドルは一時1.1034まで下落、ポンドドルも1.3318まで値を下げた。
クロス円では、ユーロ円が127.59、ポンド円は153.87まで下落、オージー円は84.40から84.94、NZD円も78.70から78.31で上下、カナダ円は、ウィーンで開かれているイランとの核合意再建交渉において、「イランが72時間以内で合意を受け入れる」との報道を受けて、WTI原油先物価格が、116.51の高値から106.53まで下落したことで、90.94まで売りに押された。