昨日もウクライナでの戦況の悪化からリスクオフの動きとなった。一応本日は、2度目のウクライナ・ロシア間の停戦協議が行われる見通しだが、実際空爆が続いていることで、協議が行われるかも不透明。また行われたとしても、ウクライナがEUやNATOへの加盟を申請したことで、停戦合意のハードルは上がっている。再び決裂した場合、今後の調整が更に難しくなることは、留意しておきたい。
材料面では、豪州のGDP、ユーロ圏の消費者物価指数や米ADP全米雇用報告などが発表されるが、ウクライナ情勢を考えると経済指標に対する相場の反応は限定されそう。また、カナダ中銀の政策金利の発表では、引き上げの見通しとなっているが、リスク回避の流れの中、中銀が引き上げを見送る可能性もありそうだ。
大きな焦点としては、パウエルFRB議長の議会証言は、恐らく市場が一時織り込んだ3月のFOMCでの0.50%の利上げを、強く否定する見通しで、こういった面が、現状のリスクオフの相場に、一時的な巻き戻しを誘うのか注目したい。ただ、弱気が逆にインフレ抑止にマイナスとの見方が出る可能性もあり、その点は注意しておきたい。
一方OPECプラス閣僚級会合では、ロシアが参加するか不透明だが、現状の増産ペースの維持に留まるなら、先進国の備蓄放出の効果が限定されることで、原油価格の強気は続きそう。ただ、サプライズは、ロシアが不参加となり、OPECが先進国に忖度して、増産を拡大するケース。こういったことが実現するかはわからないが、その場合原油市場に大きなショックが走りそうだ。(個人的には期待しています)
為替の戦略としては、ドル円は、若干揉み合い気味も上値は重く、米長期金利の下落が続くなら、現状下値を支えている日足の雲の下限を割れるケースも想定しておきたい。停戦合意がない前提なら戻り売りから入る形。
一方ユーロドルは、既にターゲットとした1.10台まで昨日下落しており、一定の達成感もありそう。ウクライナ情勢次第も、常に欧州企業からのユーロ買いが入ることもあって、追いかけて売るのは避けて、あくまで戻りを待って売り場探しは変わらない。
またポンドドルは、引き続きサイドライン的な展開で、動いても逆張りスタンス。クロス円は、基本戻り売りも、もし良いニュースが出た場合、大きく戻るケースもあるので、停戦合意などのニュースが出た場合は、しっかりと買い戻して対応するのが無難となる。