
FXの上昇トレンドの継続を示すサインの1つにアセンディングトライアングルがあります。
この記事ではアセンディングトライアングルの種類や、発生したときの売買タイミング、実際に発生した場合の見極め方について解説しています。
FXのチャート分析手法の選択肢を増やしたい方、少しでもFXにおける勝率を上げたい方は是非最後までお読みください。
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アセンディングトライアングルとは

アセンディング(Ascending)とは「上昇」、トライアングルは「三角形」という意味があり、アセンディングトライアングルとはチャート上に出現する上向きの三角形(トライアングル)のことを指します。
ローソク足の複数の高値を結んだ水平に伸びるレジスタンスラインと、切りあがっていく複数の安値を結んだサポートラインが交差することで上向きの三角形を形成する、比較的初心者に見つけやすいチャートパターンです。
アセンディングトライアングルは、上昇トレンドの一時休止で発生し、何度も売り圧力に跳ね返されているものの買い圧力が徐々に強まっている状態で、上昇トレンドの継続を意味します。
ディセンディングトライアングルとの違い

ディセンディング(descending)とは「下落」という意味があり、ディセンディングトライアングルとはチャート上に出現する下向きの三角形のことです。
ローソク足の複数の安値を結んだサポートラインが水平に伸び、切り下がる高値を結んだレジスタンスラインが交差することで、下向きの三角形を形成します。ディセンディングトライアングルは、下落トレンドの一時休止で発生し、何度も買い圧力に跳ね返されているものの、売り圧力が徐々に強まっている状態を表し、下落トレンドの継続を意味します。
【アセンディングトライアングルとディセンディングトライアングルの違い】
チャートパターンの形 | チャートパターンの基本的な意味 | |
アセンディングトライアングル | 水平に伸びたレジスタンスラインと、右肩上がりのサポートラインが交差して「上向きの三角形」を形成 | 上昇トレンドの継続 |
ディセンディングトライアングル | 水平に伸びたサポートラインと、右肩下がりのレジスタンスラインが交差して、「下向き三角形」を形成 | 下落トレンドの継続 |
アセンディングトライアングルもディセンディングトライアングルも同じトライアングルですが、アセンディングトライアングルが一般的には上昇トレンドの継続を意味するのに対し、ディセンディングトライアングルは下落トレンドの継続を意味するチャートパターンであるという違いがあります。
アセンディングトライアングルの種類
基本的にアセンディングトライアングル発生後の値動きは、上抜けした後の3パターンと下抜けしたときの2パターンの合計5パターンがあります。
以下それぞれのパターンが表す意味と、取引をする上での注意点について解説します。
上抜け
レジスタンスラインを上抜けする場合、以下の3つのパターンがあります。
- レジスタンスラインを上抜け後、そのまま上昇
- レジスタンスラインを上抜け後、押し目
- サポートラインの下抜け後、上昇
それぞれ詳しく解説します。
レジスタンスラインを上抜け後、そのまま上昇
何度も売り圧力に跳ね返されたものの、買い圧力が優勢になり、最終的にレジスタンスラインを上抜け。そのまま上昇トレンドに向かう、典型的なアセンディングトライアングルの形です。押し目がないためエントリーポイントを見つけるのは困難ですが、一般的にレジスタンスラインを上抜けした直後が買いのエントリーポイントになります。
レジスタンスラインを上抜けした後は、トレンド継続となりますが過度に利益を追いすぎると、反転して含み益を失ってしまう可能性があります。ブレイク直後で購入できた場合でも、損切りや早めの利益確定を心がけましょう。
レジスタンスラインを上抜け後、押し目
レジスタンスラインを上抜けした後、その反動で押し目※を迎えるパターンです。押し目はレジスタンスライン近辺で作られ、その後のサポートラインかつ、買いのエントリーポイントとなり得ます。この形はレジスタンスラインを上抜け後、そのまま上昇する形よりも、売り圧力が強いか、買い圧力が強いことが考えられます。
※押し目・・・一時的な下げのこと
サポートラインの下抜け後、上昇
サポートラインを割り込んで再度上昇し、レジスタンスラインを上抜けする形です。この形を示すときは、レジスタンスラインを上抜けする直前に大きな売り圧力に押し返されたと考えられます。レジスタンスライン近辺で買いエントリーをして、この形になった場合、一見失敗したと感じてしまうでしょう。このようなパターンもあるということを理解して、損切りラインを決めておくことが大切です。
損切りラインを下回って再度上昇する可能性もありますが、気を取り直して次のトレードに専念しましょう。
下抜け
アセンディングトライアングルを形成すると、一般的には上昇トレンドの継続を表しますが、時にはセオリー通りの動きにならず、下抜けしてしまう場合もあります。
下抜けするケースは大きく以下の2通りです。
- レジスタンスラインを上抜け後、下落
- レジスタンスラインで跳ね返り、そのまま下落
下抜けするケースも詳しく見ていきましょう。
レジスタンスラインを上抜け後、下落
レジスタンスラインを上抜けしたにもかかわらず、下落してしまう形です。この形は、レジスタンスラインを超えた後、売り圧力が強まったために発生します。
このパターンでは、上抜けした後に買いエントリーをしてそのままポジションを持っていると、損失になってしまうため、早めに利益確定をしましょう。損失を過度に拡大させないよう、エントリーと同時に損切りの注文も出しておくことが大切です。
レジスタンスラインで跳ね返り、そのまま下落
レジスタンスラインを上抜けせずに跳ね返され、下落に転じてしまう形で、買い圧力が弱かったためと考えられます。このようにレジスタンスラインを上抜けしないこともあるため、同ラインを上抜けしてアセンディングトライアングルをしっかり形成してからエントリーすると、リスクは避けられるでしょう。
アセンディングトライアングルの売買タイミングの判断方法
アセンディングトライアングルの売買タイミングはどのように判断すれば良いのでしょうか?エントリーポイント、利確ポイント、損切りポイントに分けてそれぞれ解説します。
エントリーポイント
エントリーポイントとは新規で注文を入れてポジションを保有するのに望ましい時点のことを言います。
アセンディングトライアングルの買いエントリーポイントは主に以下の4つです。
- 切り上がるサポートラインのうち、最も高値と考えられる価格
- レジスタンスラインを上抜けした直後
- レジスタンスラインを上抜けた後、再度レジスタンスラインまで下がったときの押し目
- 3.で押し目を迎え再度反発したときは、上抜け後の高値
利確ポイント
利確とは保有しているポジションを決済して、利益を確定させることです。仮に適切なエントリーポイントで買いポジションを保有して含み益が出ていても、欲張りすぎると、逆に反転してしまい含み損どころか損失に転じてしまう可能性があります。
含み益が出ていても決済をしなければ利益確定にならないため、どこで決済をするか、利確ポイントを見極めることは大変重要です。
利確ポイントは次の2点です。
- アセンディングトライアングルの起点となった価格とレジスタンスラインの値幅と同じ値幅まで上昇した時点
- レジスタンスラインを上抜けして新たに形成されたサポートラインを下抜けしたとき
損切りポイント
損切りポイントとは、含み損が出たときに決済をして損失を確定させるのに望ましいポイントのことを言います。
アセンディングトライアングルは一旦形成したとしても、為替レートが逆に動くことがあります。エントリーをしているにもかかわらず、自分の想定とは逆の値動きをすれば含み損を抱え、そのままにしておくと含み損が拡大してしまうでしょう。損失をいたずらに拡大させないよう、自分の想定とは逆の値動きをしたときは、早めに決済をして損失を確定させることが大切です。
アセンディングトライアングルの損切りポイントは以下の2つです。
- レジスタンスライン近辺にもどってきたとき
- サポートライン
1.のケースはエントリーポイントのタイミングでもありますが、上抜けしたタイミングですでに買いエントリーしているときは、損切りするかどうかの判断が必要なポイントです。また少し余裕を持った損切りラインを設定したい方は、サポートラインに置くと良いでしょう。
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アセンディングトライアングルの引き方
アセンディングトライアングルを確認するためには、ローソク足チャートをもとに実際に線を引いてみる必要があります。レジスタンスラインは複数の高値を結ぶ線であるため、少なくとも2回は同じ価格にタッチしていることが要件です。
次にサポートラインを確認します。サポートラインは複数の安値を結んだ線であるため、安値同士を結んで、安値が徐々に切り上がっていないかを確認します。
水平に伸びたレジスタンスラインと、安値が切り上がっていることで右肩上がりになったサポートラインが交差して上向き三角形になれば、アセンディングトライアングルが完成します。
FX会社によっては、チャート上にラインを引ける機能を備えている場合もあるため、必要に応じて活用してみましょう。
アセンディングトライアングルのだまし(否定)に注意
アセンディングトライアングルが出現すると、基本的には上昇トレンドの継続を表しますが、セオリー通りの値動きを示さない、いわゆる「だまし」に合う可能性もあることを知っておきましょう。
例えば、アセンディングトライアングルが形成してレジスタンスラインにも超えたにもかかわらず、下抜けしまったようなケースがだましにあたります。アセンディングトライアングルにおけるだましは、想定以上に売り圧力が強かったり、買い圧力が弱かったりしたときに生じます。
だましを100%回避する方法はありません。アセンディングトライアングルは絶対的な法則ではないと割り切って、エントリーするのと同時に、損切り注文も出しておいて、リスクを最小限に抑えるようにしましょう。
まとめ
アセンディングトライアングルとは、水平に伸びたレジスタンスラインと、右肩上がりのサポートラインが交差して形成される、上向きの三角形のことを指し、上昇トレンドの継続を意味します。ただし、時にはだましもあるため、アセンディングトライアングルを形成した後の値動きのパターンを理解して、必要であれば損切りを設定しておくことが大切です。
アセンディングトライアングルのようなチャートパターンによる分析を自分でするのはまだ不安という方は、インヴァスト証券の自動売買システム「トライオートFX」の活用を検討しましょう。あらかじめ用意されている売買パターンから選ぶだけでも始められるので、初心者でも利益が狙えます。