仮想通貨の代表格となるビッドコインの対ドル相場は、2023年初頭から更に上昇を強め、直近では10月6日に、史上最高値の126296ドルまで一時上昇しました。現在はこの高値から調整気味となっていて、10月24日現在103582ドルまで一時売りに押されています。
元来、仮想通貨とは、あくまで「仮想」であることからその価値の本質に不透明感が残りますが、それでも「金融商品」として立派に成り立っていることは事実です。これを否定するつもりはありませんが、ステープル・コインのようにドルの裏付けがあるわけではなく、そのファンダメンタルズ的な「価値」には、賛否両論がありそうです。
また、まだ歴史が浅く、テクニカル面での有効性も不透明ですが、現状のチャートからは懸念もありそうです。
そのテクニカル分析手法は、「エリオット波動」です。
あくまで有効性に疑義を持ちながらも、投資家サイドからは取引に際して、一種の根拠が必要ですから、あながち無視することは出来ないと思います。
以下のビッドコインの対ドル相場の月足を見てみましょう。

エリオット波動からは、
長らくの低迷の後、19455ドルで第1波の高値をつけた後、調整を3191ドルで支えて、64830ドルと68946ドルで、ダブル・トップの5波を確定。その後ABC下落を経て、下落を完了しています。これは中期的な第1の波動です。
次の第2の波動は、15477ドルから73671ドルの1波、4906ドルで2波の底値、109118ドルで3波、93382ドルで第4波後、現状の高値まで上昇後調整気味となっています。
第1回の波動が、ちゃんとエリオット波動に整合性があることを考えると、現在の2回目の波動も整合性のある動きとなる可能性もありそうです。ただ、直ぐに大きく下落するとは限りませんが、中期1波の上昇の時のように、もう一度上値をトライして、ダブル・トップの高値をつけて調整を始めるなら注意です。
下値は現状110000ドル前後が支えていますが、この辺をしっかりと割れて来ると調整は止む無しとなりそうです。
その場合の一つの目途として、第1回の波動の下げが、高値から77.55%となっており、現状の高値から計算すると目途は、97922ドルぐらい。丁度サポートが95000ドルぐらいにありますから、こういった調整の可能性もありそうです。
ただ、こういった位置まで割れると過去の高値との横足からは、68946-73671ドルのゾーンぐらいまでの調整も想定しておいた方が良いかもしれません。
確かにテクニカルだけで下げると断定するのも無理がありますからそれには、「切っ掛け」が必要だと思います。
それが何かは、知る由もありませんが、現状世界的な株高、金や貴金属の強き相場の中で、バブルの懸念も高まっています。確かにバブルは、はじけてみないとわからないので、現状の相場がバブルと断言することはできません。ただ、ジョン・テンプルトンの「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で成長し、楽観の中で成熟し、陶酔の中で消えていく」との名言を考えると嫌な雰囲気も残りそうです。
バブル崩壊の要因が、地政学なのか政治なのか、それとも自然現象なのか、わかりませんが、何かのきっかけで世界的に金融資産の価値が大きな棄損する場合、仮想通貨もその影響を免れないことは間違いなさそうです。