昨晩の海外市場は、米4月製造業新規受注は弱かったが、4月雇用動態調査が予想を上回ったことで、米10年物国債利回りが、4.406%から4.474%まで上昇、ドルを支えた。またNY株価が、米中会談への期待感から堅調に推移したことで、クロス円中心に円が軟調な動きとなった。ただ、王毅中国外相は「米中関係の前提条件として相互の尊重が不可欠」、「米国が最近一連の否定的な措置を講じたことは遺憾」、「両国関係を正しい軌道に戻すために必要な条件を米国が整えるべき」と述べている。また、OECDが、トランプ政権の貿易戦争により米経済が大きな打撃を受けているとし、世界経済見通しを下方修正、レビット・ホワイトハウス報道官は「トランプ大統領は本日、鉄鋼・アルミニウム関税発動命令に署名する予定」、「鉄鋼・アルミニウム輸入関税50%は明日発効」と表明したが、影響は見えていない。その他ボスティック・アトランタ連銀総裁の「利下げに踏み切ることには非常に慎重」、クックFRB理事の「関税は雇用市場の冷え込みやインフレの上昇を招く可能性」との発言が伝わっている。
ドル円は、144.11まで反発、ユーロドルは、ユーロ圏5月消費者物価指数・速報値がわずかながら予想を下回り、1.1364まで売りに押され、ポンドドルは、はベイリー英中銀総裁が「インフレ率が目標を下回る恐れがあれば利下げを加速する必要」と述べたこともあって、1.3537から1.3492まで下値を広げたが、その後はこのレンジでの上下の動きに留まった。
一方クロス円では、ユーロ円は162.80から163.87まで反発、ポンド円は192.73から194.78、オージー円は92.06から93.11、NZD円は85.55から86.45、カナダ円は103.87から105.90まで買い戻された。