今日の裏読み、表読み

週初から暴落的なポンド売りが強まっている。昨晩は英中銀は声明だけに留めたが、更にポンド売りが進んだ場合、貿易赤字の英国では、更にインフレが高まることで、緊急利上げが発表されるリスクが残っていることは留意しておきたい。また、急激なドル高が、世界的なインフレの押し上げにつながる可能性もあり、G7などが緊急会合を開く可能性もありそう。具体的な協調介入まで協議されるかは不透明だが、恐らく「過度な変動は好ましくない」などの市場をけん制する動きも想定されることは、留意しておいたい。
 本日の経済指標としては、日本の8月企業向けサービス価格指数、米国では8月耐久財受注、7月住宅価格指数、S&P/ケース・シラー住宅価格指数や8月新築住宅販売件数、9月コンファレンス・ボードの消費者信頼感指数、9月リッチモンド連銀製造業総合指数とダラス連銀・サービス部門信頼感指数などが発表される。
 注目は米国の住宅や消費者信頼感関連の指数が焦点となる。特に住宅に関しては、インフレにより賃貸料や住宅価格が上昇を強めており、弱い結果がリスクとなりそう。ただ、総じて良好な米経済を見る限り反応は限定されそう。
 また、本日も要人発言の機会が多いが、特にポンドの急落を受けて、ピル英MPC委員の発言には注目したい。一方米国では、パウエルFRB議長がパネルディスカッションに参加する。FOMCの超タカ派姿勢でNY株が弱気を強めていること、また一部に批判が出ているようで、市場に安心感を与えるような発言が出るか注目したい。
 その他、本日も米5年物国債の入札が実施される。高止まりが続く米長期金利の動向からも目が離せない。

 本日の為替の戦略としては、ドル円は、財務省・日銀の介入後も戻り高値を目指す動き。完全に「介入催促相場」の様相だが、財務省にとっては、メンツもあって一度入れば二度目は比較的イージーとなりそうで、こういった思惑が上値を押さえれば良いが、またぞろ投機的な円売りが強まった場合、再介入のリスクは考慮して対応したい。
 一応本日の介入警戒レベルとしては、145.00-50ゾーンが危なそう。早期は押し目は買っても、こういった反発では、146円越えをストップに売りから入ってみる形。さもなくば、ポンド相場が荒れていることもあって様子見も一考。買いは、あくまで深目の押し目待ちが良さそうだ。
 ユーロドルは、岩盤と指摘した0.9600を簡単に破ってしまった。ただ、引き続き月足からは強いサポートが示唆されるレベルで、0.9550割れをバックに押し目は買い。または、0.95まで買い下がりのスタンス。一方上値は、既に0.97が押さえると弱く、利食いや売り。または、0.98まで待っての売り狙いも検討したい。
ポンドドルは、歴史的な安値を更新も、やり過ぎ感が強い。昨日の安値1.0350を睨むと、1.0400方向への調整は買い狙いも、金曜の戻り高値1.0930を越える動きなければ、強い反転は想定できず、1.08方向へ反発は利食いや売り狙いとなる。
一方クロス円も荒れた動きとなっており注意が必要だが、昨日のレンジを睨んで、大きめの動きでは逆張りから入って、軽く利食うようなスタンスが良いかもしれない。