昨晩の海外

金曜日の海外市場は、米長期金利が高値圏で上げ渋るも、NY株価が軟調な展開となり、週末を控えて総じてリスクオフの気味なドル買いが優勢となった。米10年物国債利回りは、2.975%から一時2.864%まで低下したが、NY株価3指数は、中国の4月ガソリン、ディーゼル、航空燃料の需要が今年前半より20%以上減少するとの見方が示されたことで、今後の景気減速にともなう世界的な需要の下振れ懸念から、そろって3%越えの下落となった。米経済指標としては、4月米製造業PMI・速報値は、予想を上回ったが、サービス業と総合PMIは、予想を下回り影響は限られた。
 ドル円は、東京時間に日米協調介入への警戒感が高まったことで127.74まで下落したが、日米協調介入の実現性が低いことなどからその後はじり高となり、NY市場で、米財務省が声明を発表、「イエレン財務長官と鈴木財務相は、為替市場を含む金融市場の動向を協議し、為替レートに関してはG7やG20の従来のコミットメントを維持する重要性を強調した」とし、特別市場介入に言及したかったこと、加えて黒田総裁が「円安が進行しても積極的な緩和を続ける」と発言したことで、129.11まで一時上昇したが、その後この発言に対して「円安に対しての文脈ではなかった」という修正が入ったことで、上値は抑えられた。ユーロドルは、ユーロ圏各国のPMIが予想を上回ったが、ECB関係者が「ラガルドECB総裁が、ECB高官に対して、理事会で決定された政策に反する個人的見解を述べたり、協議内容をリークしないように通告した」と明らかにしたが、前日のデギンドスECB副総裁への警告と見られ、1.0771まで下落、ただ、その後ラガルド総裁が、「年内利上げの可能性はかなり高い」と述べたことで下げ渋った。またポンドドルは、リセッションの可能性を示唆される中、予想を下回る英3月小売売上高や4月サービス業PMIを受けて、1.2829までじり安となった。
 一方クロス円では、ユーロ円は138.26から139.20で推移、ポンド円は164.81まで下落、オージー円が93.00、NZD円が85.07、カナダ円が100.904まで利食いに押された。