昨晩の海外市場は、揉み合い気味もまちまちの展開となった。米1-3月期GDPの確定値は市場予想通りの結果となったが、5月耐久財受注額や週間新規失業保険申請件数などが予想を下回り、米長期金利が低下傾向を示したことが、一時ドル売りを誘ったが、一方「バイデン大統領は、1.2兆ドル規模のインフラ投資計画で超党派の上院議員グループと合意した」との報道を受けて、米長期金利が反発、総じてレンジでの推移となり、影響は限られた。またNY株価3指数は、インフラ投資の合意を好感する形で、ナスダックとS&Pが高値を更新するなど堅調に上げ幅を拡大したが、リスクオンの動きは広がっていない。
尚インフラ投資額は当初から減額となったが、法人増税は盛り込まれなかった模様。また、バーキン・リッチモンド連銀総裁が「数カ月間の物価上昇よりも相対的な物価の安定の方が重要」、ウィリアムズNY連銀総裁は「インフレ率は来年と再来年に約2%に低下するだろう」、ブラード・セントルイス連銀総裁は「金融政策は上向きのインフレリスクに備える必要がある」、カプラン・ダラス連銀総裁は「インフレ率は、上振れリスクがある」と述べたが、強弱入り混じる発言に、相場の反応は見えなかった。
ドル円は。110.92から110.69で推移、ユーロドルは1.1956まで上昇後、1.1920まで下落、ポンドドルは、英中銀が政策金利と資産購入枠の据え置きを発表、議事録では「インフレ率の上昇は一時的」と示され、一部テーパリングの思惑もあったことで、失望感もあって1.3987から1.3890まで売りに押された。
一方クロス円では、ユーロ円は132.44から132.13の狭いレンジの推移、ポンド円は155.06から153.83まで一時売りに押され、オージー円は83.90から84.12、NZD円は78.11から78.36で小動きとなったが、カナダ円は90.24から89.83まで売りに押された。