【山中康司監修_コアレンジャー_米ドル/円】レポート

現在、当該ロジックは自動売買セレクトに掲載されておりません。

トライオートFXの自動売買セレクトに有名ストラテジスト監修のコアレンジャーが追加されました!
こちらのレポートでは有限会社アセンダント取締役、山中康司氏の予想する米ドル/円相場の予想レンジをもとに組成した自動売買プログラム「山中康司監修コアレンジャー米ドル/円」の解説と、相場の先行きについて解説致します。

1.概要

1-1.想定レンジ

通貨ペア:USD/JPY
想定期間:~2021年4月
ストラテジスト想定レンジ

サブレンジ(売り):106.00~109.00円
コアレンジ(売り買い):103.00~106.00円
サブレンジ(買い):100.00-103.00円

自動売買プログラム設定値
※ストラテジスト想定レンジの±100pipsの範囲にてレンジ幅設定

出所:インヴァスト証券作成

1-2.有名ストラテジスト監修コアレンジャーの選び方

有名ストラテジスト監修コアレンジャーは、これまでのコアレンジャーとは異なり、「ストラテジストによる将来の相場予測に基づくレンジ設定」という新しいアプローチで作成されております。
そのことから、過去の相場におけるシミュレーション結果である、自動売買セレクトの期間収益率やリスクリターン評価の値はあまり参考になりません。
自動売買プログラムを選択する上では、ストラテジストの解説レポートを確認し
①運用通貨ペアがレンジ相場を形成すると思えるか
②ストラテジストの相場予測の考え方が腑に落ちるか
③設定値の中で上手くレンジ相場になりそうか
という観点から自動売買プログラムを選択頂くのをお勧めいたします。
ただ、最終的にはお客様のご判断により投資判断をご決定頂ければと存じます。

※コアレンジャーは両建て取引となりますが、両建て取引を推奨するものではありません。両建てはスプレッド・金利が二重にかかること等デメリットがある点をご理解の上ご利用ください。

2.想定レンジ根拠

以下、ストラテジスト執筆のレポートです。
想定レンジの根拠等の解説がなされておりますので、是非ご参考ください。

2-1.はじめに

今回のトライオート戦略では、ドル円の2020年11月から2021年4月頃までの半年間の値動きを想定し、それをコアレンジャーのコアレンジと上下のサブレンジの3つのエリアに分ける作業を行います。

2020年の為替相場は2月から3月にかけてのコロナショックで大変動を見せたものの、その後は比較的静かな展開を続けています。相場全体で最も影響が大きい米国について考えると現状の金融緩和政策は今後数年に渡って継続することとなりますし、株式市場も緩和による資金の向かい先となっていることから、当面は下がったところでは買いが出るという状況は続きそうです。

この株式市場の動きをリスクオンと捉えるならば、今回取り上げるドル円も円売りに動きやすいと見ることも出来そうですが、執筆時点(10月19日)では米国大統領選前の段階で、しかもバイデン前副大統領がリードしている現状では前提が変わってしまうことも考えられます。

そこで今回の戦略では月足を使った長期テクニカル分析をベースに「値動き」と「方向性」を分析するところから始めることとしました。「値動き」は、コアレンジャーの想定レンジとエントリーする際の値幅を考える根拠とします。また「方向性」はエントリーで売買どちらから入るかを考える根拠とします。

注意点として、表示しているチャートはトライオートの月足チャートですが、計算に用いた月足の四本値は私が個人的に記録をつけているインターバンクレートをベースにしたものです。それほど大きな違いはありませんし、戦略に与える影響もありませんので、その点はご安心ください。

2-2.テクニカル分析

出所:山中康司氏作成

ドル円は2016年12月高値を起点として2018年高値と結んだレジスタンスラインを引くことが出来ますが、今年の高値もこのレジスタンスラインで上値を抑えられました。つまり、このレジスタンスラインを上抜けるまではドル安・円高の方向性を考えることとなります。

また、このレジスタンスラインと平行なラインを引き2つのラインで示した下降チャンネルの中での値動きを今後半年間も継続する可能性が高いという見方から、エントリーとしては新規の「売り」から入り仕切りの買い戻しを行うという戦略を考えることとします。

次に値幅を考える際に長すぎても短すぎても現状の相場から乖離した想定をしてしまう可能性がありますので、2011年以降の約10年間の月足データから以下のような数値を取り上げてみました。

 月間レンジ
  最少レンジ 1円16銭
  最大レンジ 13円34銭
  平均レンジ 3円99銭

ただ、半年程度の継続運用を考えると月間レンジというのは妥当性に欠けると思いましたので、併せて6か月移動レンジも計算してみました。これは、常に直近6か月間のレンジを過去に遡って算出したものです。そして平均ではなく中心値を求めてもっとも可能性がありそうな6か月のレンジと仮定してみました。

 6か月移動レンジ
  最少レンジ 3円36銭
  最大レンジ 22円67銭
  中心値 9円20銭

つまり、今後半年の値幅を9円20銭程度と想定し先ほどのチャートの下降チャンネルに当てはめるとおよそ100円から109円の想定レンジとすることが良さそうです。そして、この想定レンジを単純に3分割して以下のようなレンジとします。

 サブレンジ(売り) 106~109円
 コアレンジ 103~106円
 サブレンジ(買い) 100~103円

また、売買の値幅設定についてはコアレンジについては10%の30銭、サブレンジはその倍の60銭とします。

3.まとめ

長々と書いてありますが、結論は最後に太線で書いた部分です。

今回は米ドル/円のレポートと同じ形で、スイスフラン円のレポートも提出しておりますが、それぞれをお読みになられた方からすると、ドル円では円高、スイス円では円安と方向性が違う点に居心地の悪さを感じられる方もいらっしゃるかと思います。これはすなわちドル円でドルが売られるスピードよりもドルスイスでドルが売られるスピードの方が速いと考えれば理にかなった動きということになります。

そうした動きが出てくる背景を想像すると10月16日のEUサミットにおいてもEUと英国との間の協議は平行線のままで、電話協議が継続されるということのみが決まりましたが、現状では協議がまとまらず合意が無いままに移行期間が終了するという展開が濃厚です。そうなると欧州の中でも中立な立場を取っているスイスフランがユーロやポンドに比べて相対的に強くなり、それがドルスイスでもスイス高に繋がると考えれば不思議ではありません。

そしてその大前提としてのドル安ですが、ドル円同様にドルスイスでもテクニカルな観点では長期トレンドはドル安です。そして、コロナショックに伴う大規模緩和で米ドルが市場において余剰な状態が続いていることが、今後の米ドル売りにつながるリスクが常にあるのではないかということを個人的には考えています。

今回は個人的な見通しとテクニカルによるトレンドがほぼ一致してはいますが、市場は常に何が起きるかわからないものです。コロナショック、スイスフランショックなど、ショックという言葉の付く相場の大変動は10年に1回どころか2年に1回は起きている印象です。

戦略が明らかにおかしいと感じる時には止めることも重要な判断ですが、そうならないことを願っております。