青山竜也氏11月のリアルトレード戦略

せっかくの秋の行楽シーズン到来ですが、週末の度に雨やら台風やらで残念ですね。
テーマパークや行楽地はまさに稼ぎ時ですが、天候にはどうやっても勝てませんので大変だと思います。これだけ週末悪天候が続くと、四半期GDPにも影響してくるかもしれません。
私も、息子の少年野球のコーチをしていますが週末は雨ばかりで試合は中止続きです。

さて、11月のリアルトレード戦略です。まずは現在の相場状況を箇条書きにしてみます。

  •  日本の総選挙の結果もあり、株式市場は非常に強い状態が続いているが、ドル円の動意は小さい
  •  ドル円は日足ベースで髭が多く、方向性が掴みにくい
  •  ユーロは緩和からの出口がスタートしたが、利上げは遠く来年後半か?
  •  ポンドは経済指標は利上げを示唆しているが、EU離脱の不透明感がまだまだ強く神経質な展開が続いている
  •  北朝鮮はこの1ヶ月すっかりおとなしくなってしまった。

トライオートFXで取引可能な17通貨ペアから注目の3ペアを抜き出してみました。
1028日時点)

◯ユーロドルの下抜け狙い
・ユーロドルは1026日のECB理事会通過後に1.17の抵抗ラインを下抜けてきました。

ECBが緩和縮小を開始しました。ドラギ総裁は
「今回は引き締めスタートではない、あくまで緩和の調整に過ぎない」
・・・と言葉に言葉を選んでユーロ高にならないように気を配りました。 実際買い入れ額は縮小したものの、利上げに関しては「来年後半」の見立てです。

緩和縮小は市場に折込済みでしたが、ドラギ総裁の上手な物言いと、「やはり思っていたより利上げはまだ遠い」・・・という認識が市場を覆ってユーロは下落となりました。
緩和を縮小するということは「経済が良い」ということですので、この先ユーロが上昇する可能性はもちろんあります。実際75MA,200MA共にまだしっかりと上を向いています。
しかしながら、ここは春からの上昇相場を作ってきたロング(買い)が一旦は手仕舞いされる方向に賭けてみるのも面白いと思う。違っていたら小さくロスカット、見立ての賭けが当たっていれば、少々我慢して利益を伸ばしてみたらどうだろうか。
ということで、赤枠へのレンジ移動、そしてもう一段下への長い陰線が出るまでキープしてみるのも面白いかと感じる。

 ◯豪ドル米ドルの下抜け狙い
・こちらは200MAを下抜けてきました。

豪ドルは現在ちょっとわかりずらい状況が続いています。
指標などは堅調で豪ドルは上昇するのですが、、RBA(オーストラリア準備銀行)がとにかく「豪ドル高」を嫌がり、声明や発言の度に牽制、豪ドルが下がるというのを繰り返しています。

豪ドル米ドルのチャートですが、200MAを下抜けそうです。米ドルの強さが続くという前提が必要ですが、ここを抜けると一旦赤枠にレンジが移行するのではないかと考えます。
ただし、200MAもまだ上向き、75MAの上向きですので、ここが只の押し目になる可能性もありますがここでグッと下押した場合は、買い方の投げも一斉に入ってきて面白いチャートの可能性があると思っています。

しかし繰り返しますが、200MA,75MAともまだ上向きですので、焦りは禁物ですが、これがこの先75MA200MAを下抜いてくると下落の確度が上がってくると思います。

 ◯NZドル米ドルの戻り売り

・米ドルの強さと相まって、随分と下押ししてきています。


NZドルですが、こちらも経済は順調で春から通貨は上昇傾向だったのですが、ご存じの通り、政局が混迷しており急落となっています。第三党が連立のキャスティングボードを握ったのですが第二党と組むことに決定しました。つまり「政権交代」が発生。それが通貨安へと繋がっています。

そして「中央銀行の役割」を変更すると言っています。何を変更するのか正式な発表はまだありませんがこれまでの「物価の安定」に加えて米国FRBのように「雇用の最大化」を加える可能性があります。
つまり、選挙前までは「NZは次は利上げか?」と市場に思われていたわけですが、ここで新たな役割が加わると、再びハト派になる可能性がある・・・という疑心暗鬼もあり春からのロングが解消されている状況かと思います。
今後は新しい与党次第の部分があり、不透明感がありますが、この急落からリバウンドが発生した場合は再度売りが面白いのはないかと思っています。

◯クロス円について

・今回ピックアップした3通貨ペアは、どれもドルストレートでした。ではクロス円についてです。
ドル円は日経平均の強さと比較して大人しいですね。冒頭にも書きましたが、日足ベースでは髭だらけで方向感が掴みにくくやりずらい状況が続いています。

ここから年末にかけてのドル円はアノマリー的には上昇方向(円安・ドル円買い)が基本だと思っています。もちろん北朝鮮リスクなどは除きます。
そうは言ってもドル円の動きは緩慢で積極的に売買する気はどうしても失せます。

ただ、ここでポンド円やユーロ円などのクロス円を見てみると

これから年末に向けて、ドル円が上昇することを前提にした場合、上のポンド円、ユーロ円ともに軽く買ってみてもいいかな?とも思います。
ポンドもユーロも個別事情はあり、上に書いたドルストレートと若干矛盾する部分はありますがドル円の上昇という「追い風」が吹くのであれば悪くない選択だと思っています。