夜中の虫の鳴き声が秋の音色に変わってきて、半袖ですと朝夕は寒くなってまいりました。
秋の味覚が並びはじめ、女性ですと焼き芋が恋しくなるのかな?
10月のリアルトレード戦略です、今月は先月と違って通貨別に見ていきたいと思います。
1.ドル円
ドル円ですが、ここまでの流れとしては北朝鮮による8月27日のミサイル発射、9月3日の核実験を発端にリスク回避の動きが先鋭化。
一時的に年初来安値を割り込み下落(9月8日)、いろんな意味で冷や汗をかいた人が多かったかもしれません。
・・・が「ソコを底」に急反発。ボリンジャーバンドの+2σをブチ破りながら連続上昇。現在も強いまま。
この連続上昇をフォローできた方はなかなかの強者かと思います。
ドル円のアノマリーとしては夏場の円高が過ぎ、11月~12月の円安に向かう時期の過渡期となります。ここからドル円はどうなるか?予想するのは難しいです。もちろん、ここを天井に下落もありえます。
ただひとつ思うことはあります。下の図のように、ドル円が200MAの上で「底堅く推移」するようであれば、もう一段の上跳ねがあるかもしれないと考えます。
上にも書いた9月8日の年初来安値の「リスク回避」が最高潮に高まった頃に売った方々の売り玉がまだ残っていると考えるからです。ここまでの上昇でそれなりに掃けている部分もあるとは思いますが、今回の急反発(急反転)は逃げ場がなく「あれよあれよ」という感じでしたので、悲鳴を上げて売り玉を投げてくる場面があるかもしれません。
ただし長期的な200MAは右肩下がりになってきているので、過信は禁物で弱くなった場合は素直に仕切り直しが必要かと思います。
リスク要因としては、もちろん北朝鮮問題があります。こればっかりはどうしようもありませんので、リスク管理としてロスカットはしっかりと設定しましょう。
もう一つのリスクは日本の総選挙ですね。小池百合子氏率いる「希望の党」が、かなり台風の目になる可能性があります。選挙結果いかんでは、ドル円も上下する展開が想像されます。基本的には「保守(左翼でない)」を標榜していますので自民党といろいろ似ている部分はあるようですが、民進党からの合流が多そうですので本当に「保守」に成りきれるのかどうか未知数が多すぎます。
リスクとしては、自民(自公現政権)が過半数を確保できずに安倍総理が辞任。アベノミクス継続が危ぶまれると市場が判断した場合は大幅な株安・円高に振れる可能性があります。ただ連立を組むにせよ何にせよ、「株安」はどこの政党も望んではいませんので早期に火消しに回ることになり、株安・円高は一時的ではないかと考えます。
ただ現時点(9月27日)では希望の党の立候補者も選挙公約もまだ出ておりませんので、いろいろと想像の域を出ません。今後選挙までの出口調査などで米ドル円が上下に一喜一憂する場面がありそうです。
2.ユーロ
ユーロは強いまま9月に突入しました。その後も要人の強気の発言が継続したにも関わらず、伸び悩みとなりました。ECB理事会もタカ派的な内容でしたが、その後も伸び悩み気味。一旦の強気相場の終了の可能性があります。
ユーロドル
まずはユーロドルのチャートを見てみましょう。
一旦の強気相場の終了っぽいローソク足となっています。ここでの押し目買いは推奨できません。思い込みから、一旦は終わった相場のお尻を追いかけ回して何度もナンピン買いして最後は投げるという最悪のパターンだけは避けたいものです。
ただ、200MA,75MAとも強くしっかりと上向いていますし、ECBはこれから緩和の引き締め方向ですから(ただドルも引き締め方向ですが)反発がないとは言えませんが、ここは様子見が賢明ではないかと思います。
ユーロ円
次はユーロ円のチャートを見てみます。
ユーロドルと比べるとまだ押し目が拾える形です、ただユーロは短期的には夏場の頃の勢いはありませんので、買うとしても試し買い程度にしたいところ。
政治的には現在リスクがあります。圧倒的支持率で大統領になったフランスのマクロン大統領ですが、最近は急激な支持率低下で求心力を失いデモも発生しています。そして先日のドイツの総選挙では、メルケル首相の4選が決まったものの極右に議席を取られるし、連立政権は難航するしでこちらも少々難儀なご様子。
現在のユーロの弱さはこの政治的なリスクも多少は入ってきているものと思われます。
3.豪ドル
豪ドルですが、9月のリアルトレード戦略で買い推奨を致しましたが、それなりに上昇を致しました。相変わらずRBA(豪州準備銀行政策委員会)や要人は「豪ドル高牽制」の発言が多いですが、そういった中でも上昇しました。
豪ドル米ドル
まずは現在の豪ドル米ドルです。
ユーロ米ドルもそうですが、現在はドルが強いですから、この豪ドル米ドルのチャートも押し目買いをするにはちょっと心許ないチャートですね。右肩上がりの75MAを背に買いという選択肢もないことはないかと思いますが、一時的に反発をしたとしても、上で捉まった方々のやれやれ売りが出て来て、途中で再度エントリーポイントまで戻ってくる可能性もあると思います。
逆に75MAを下に突き抜けた場合にも、上で捉まった方々のロスカットが入ってきて思いがけない痛手を負う可能性があると思います。じゃあ、売りかというと、まだ早いと思います。75MAを割っても下髭で戻って来る可能性も否定できません。ここは様子見が賢明ではないかと考えます。
豪ドル円
次に豪ドル円です。
こちらは試しに押し目買いをしてもいいかな?と思わせるチャートです。現在豪ドルは利上げに向けての地ならしを行っており、その判断は今後の経済指標次第とはいえ、円の弱さが継続するのであれば、ここかもう少し下辺りで買ってみるのも面白いのではないかと考えます。
思惑と違って下がった場合ですが、トレンドラインを割ってきたら一度切って様子見がよいかと思います。
4.ポンド
ポンドですが、こちらはMPC(英国金融政策委員会)と要人発言から「近いうちの利上げ」が強く示唆されており、強い状態が続いています。ただ、相変わらずのEU離脱コストへの不透明感から、それらの話題が出る度に上値を叩かれたりしています。
ポンドドル
まずはポンドドルから。
他のドルストレート通貨と同じく、ポンド米ドルも「ドルの強さ」ゆえチャートが崩れかかっています。あまり押し目買いはしたくないチャートですね。
ポンド円
次にポンド円です。
こちらも全てのクロス円と同様、試しに押し目買いをしても良さげなチャートとなっています。ただし揉み合いのレンジを下抜けるようなら、一旦仕切り直しとしたい。
ユーロポンド
さて、トライオートFXで取り扱っている通貨ペアの中で、今回面白いなと感じたチャートはこちら。
ユーロポンドです。
チャートだけの判断ですが、75MA下のこの水準で揉み合って更に75MA自身が下向いてくれば、ここは売りが面白いと思います。75MAより上で買った方々の投げ売りが断続的に入ってくる可能性があります。
もちろん、これも思い込み禁止です。売りが早すぎると、今度は只の押し目となって上昇踏み上げのリスクもあります。しかし、更に200MAをも明確に割ってくるようであれば、売りがかなり面白いチャートになると思います。
ただ、正直に言うとユーロポンドは私は普段は見ていないので、通貨特性もよくわかりません。無責任で恐縮ですがチャートだけを見ればそういう面白いチャートに見えるというお話になります。
5.リスクについて
★今回のチャート形状は、全て最近の円安・ドル高の影響が色濃いです。トレンドには、ついていくのが定石ですので現状の判断はそれで良いと思っています。
ただ、北朝鮮しかり、総選挙しかりで、何らかの理由で「円安・ドル高↑」→「円高・ドル安↓」の逆回転が急激に進んだ場合は、上記の読みも全てが一時的に逆回転となる可能性があることだけは念頭に入れておくきだと思います。
ちょうど、8月末~9月初旬にかけては、北朝鮮問題を材料に「円高・ドル安↓」→「円安・ドル高↑」が急激に進みました。ここから全てのクロス円のチャートの景色がガラリと変わりました。
そうなった場合は一度ポジションを整理して、今一度戦略を考えなおすのが良いかと思います。チャンスは無限に転がっています。