円安の時にすること5選|メリットやデメリット・資産運用の注意点も解説

円安になるとエネルギーや食品といった生活に直結する値上がりが増えるため、何か対策を立てたいと思っていませんか?

この記事では、円安のメリットやデメリットについて解説しています。また、円安の局面でおこなっておきたい、おすすめの資産運用を5つ紹介しています。

円安で何かすべきことはないかと検討している人は、ぜひ参考にしてください。

円安とは

円安とは、円1単位で交換できる、他の通貨の単位数が相対的に少ない状態のことです。

例えば、米ドル円の為替レートが1ドル100円のときに1ドル買うために必要な資金は100円ですが、1ドル110円のときに1ドルを買おうとすると110円が必要です。これは円の価値がドルに対して相対的に価値が下がっていることを表します。

逆に1ドルを円に交換すると考えれば、円安の方が多くの円を受け取ることができます。1ドル100円なら、1ドルで100円、1ドル110円なら1ドルで110円と交換できます。

円安のメリット

円安のメリットを個人・企業別に紹介します。どちらかというと、円安になると企業にとってメリットが大きい傾向があります。

円安が企業に与えるメリット

円安になると輸出商品が相対的に割安になるため、輸出品が多い企業にとってはメリットになります。

例えば、1ドル100円のときに100万円の車をアメリカで販売しようとすると、1万ドルになりますが、1ドル120円のときに同じ車を販売すると、8,000ドルで販売できます。アメリカ人にとって日本車はとても割安になるため売上が上がる可能性があります。

また、外貨をもっている海外からの観光客は、より多くの円と交換できることから宿泊代や、買い物にお金を使ってくれるかもしれません。海外の観光客を取り込んでいる日本の観光業にとってもメリットになるでしょう。

円安が個人に与えるメリット

円安になると、1通貨で多くの円と交換できるため、外貨建ての資産を持っている人は有利になります。外貨建て資産のメリットの具体例は後述します。

円安のデメリット

日本は食品の一部やエネルギーを輸入に頼っているため、円安になると、とりわけ家計にとってデメリットになる傾向があります。円安のデメリットについて企業・個人別に見ていきましょう。

円安が企業に与えるデメリット

円安になると、輸出業にとってはメリットになりますが、日本円で輸入品を円安の時に買うと割高になることから、輸入業にとってはデメリットになります。

また、資材やエネルギーを海外から輸入している企業にとっても、原材料が高くなることから製品も値上げせざるを得ず、売り上げの減少や、その他のコスト削減を余儀なくされる可能性があるでしょう。

円安が個人に与えるデメリット

日本は食品やエネルギーの多くを海外からの輸入に頼っています。そのため円安になると、食品やエネルギー価格が高騰します。円安になったからと言って、給与が上昇するわけではないので家計にとってはデメリットになるでしょう。

また、日本人が海外旅行に行くときも、円の価値が外貨に対して相対的に弱くなっているため、海外での宿泊代や買物代金が割高になります。

円安の時にすること【おすすめ5選】

円安になると、円の価値が外貨に対して相対的に低下するため、外貨を保有しておくことをおすすめします。外貨を保有するなら、外貨の交換コストが割安なFXがおすすめです。

FXも含めて、円安になったときにしておきたい資産運用を5つ紹介します。

  • 外貨預金で外貨を保有する
  • 外貨建て投資信託に投資する
  • 外国債券へ投資する
  • 外国株へ投資する
  • FXで外貨運用をする

外貨預金で外貨を保有する

外貨預金は、外貨で預金する金融商品です。外貨預金は日本の普通預金や定期金利よりも金利が高い傾向があります。

また、円安局面なら為替差益も狙えます。例えば外貨預金を運用して1万ドルになっていた場合、受取時に1ドル100円であれば受け取れる金額は100万円ですが、1ドル110円のときに受け取れば110万円を受け取ることができます。

外貨建て投資信託に投資する

投資信託とは、投資家が投資したお金を本人に代わってプロのファンドマネージャーが運用する金融商品です。

多くの株式や債券といった金融商品の中から自分にあった商品を見つけることは大変ですが、投資信託なら投資先の選定をプロにお任せできます。

外貨建て投資信託は、投資信託のうち、基準価格※1)や分配金※2)が外貨で表示される投資信託のことです。

外貨建て投資信託が円安局面で有利なのは、外貨建て預金と同様の理由で、円安時の方が円換算したときに多くの円を受け取れるためです。

※1)基準価格・・・株式における株価にあたるもの。
※2)分配金・・・投資信託で得た利益の一部を投資家に還元するお金のこと。分配金のない投資信託もある。また分配金がある投資信託でも必ず支払われるとは限らない。

外国債券へ投資する

債券とは、国や企業といった発行体に投資家がお金を貸したときに発行される借用証書です。投資家が債券を購入すると、お金を貸したことになり、投資家は満期を迎えるまで定期的に金利を受け取ることができます。また、満期をむかえると発行体は投資家に額面金額を払い戻します(償還)。

外国債券とは、発行体、発行市場、通貨いずれかが海外である債券のことです。

外国債券は利回りが高い傾向があり、換金時に為替差益も狙えることから、円安局面では検討したい資産の1つです。

外国株へ投資する

株式投資とは、企業の株式を購入して株主となり、株価の値上がり益や、企業からの配当金を得て利益を上げる投資方法です。外国株とは、海外の企業が発行している株式のことを言います。外国株も購入時に外貨で購入するため、日本円に換金する際に円安であれば、為替差益を得られる可能性があります。

また、外国株式は配当金も外貨で支払われるため、より円安の時に配当金を日本円に換金した方が有利です。

FXで外貨運用をする

FXも円安局面では検討したい投資手法です。例えば米ドル円の通貨ペアでドルを買う新規注文した場合、新規注文時よりも円安になっていれば為替差益を得ることができます。

またFXは外貨を購入する際のコストが、外貨預金よりも安い傾向があります。さらにFXは、レバレッジを押さえてスワップポイント狙いの長期運用をすることで、金利を実質毎日受け取ることが可能です。

円安時に資産運用する際の注意点

円安、円高はどちらもずっと続くものではありません。仮に今、円安だからといって、手元の余剰資金をすべて外貨に換えてしまうと、円高局面に変わったときに今度は損失になってしまう可能性があります。

そのため円安局面であったとしても、万が一のためにドルと円など複数国の資産をバランス良く持つことを心がけましょう。

運用資産のうち外貨建て資産の割合は、約3割※3)が目安です。

※3)出典:株式会社バイアンドホールド調べ

まとめ

日本は食品やエネルギーの輸入依存度が高いので、円安になると家計に打撃を与えてしまいがちです。しかし、円安局面では外貨資産で資産運用をしていると、為替差益などで利益が出る可能性もあります。

中でもFXは、外貨を購入する際のコストが外貨預金よりも安く、レバレッジを押さえて長期運用をすることで、金利を実質毎日受け取ることも可能です。

円安をきっかけに、こうした外貨の資産運用も検討してみることをおすすめします。