FXの通貨強弱とは?把握するメリットや方法・主な活用方法を解説

通貨強弱とは通貨ペアを構成している通貨のうち、どちらの需要がどれくらい強いかでトレンドを見極める分析方法です。この記事では通貨強弱を決める指標や、通貨強弱を把握するメリット、トレードへの活用方法や注意点などについて解説しています。FX初心者や、新しい分析方法を取り入れたいと考えている人は参考にしてください。

FXにおける通貨強弱とは

FXは二国間の通貨を交換して利益を狙いますが、交換する通貨の組み合わせのことを通貨ペアと言い、通貨ペアはドルと円であれば「ドル/円」、ユーロとドルであれば「ユーロ/ドル」と表します。

通貨強弱とは、例えば米ドル/円の通貨ペアであれば、通貨ペアを構成するドルと円が、単体でどれくらい売買されているかを分析する手法です。円が買われ、ドルが売られる状態の場合は円が強く、ドルが弱いという状態を表しており、為替レートは円高に向かいます。逆に円が売られ、ドルが買われる状態の場合は円が弱く、ドルが強い状態を表し、為替レートは円安に向かいます。

FXで通貨強弱を決める指標

FXで通貨強弱を決める主な指標として、関連する国の政策金利や経済指標、要人発言などがあります。

一般的に金利が高い通貨は買われ、金利が低い通貨は売られる傾向があります。これは世界中の投資家が、金利が低い国の通貨を売って金利が高い国の通貨に交換し、金利が高い国の金融商品で運用しようと考える人が増加するためです。

また一般的に景気が良い国の通貨は買われ、景気の悪い国の通貨は売られる傾向があります。これは景気が良くなると過熱し始め物価が上昇し、各国中央銀行は政策金利を引き上げて物価の上昇を抑えようとするためです。したがって経済指標で好景気を示す内容が発表されると、その国の通貨が買われるようになります。

為替市場はFXトレーダーのような個人投資家よりも、法人や機関投資家、銀行などの売買が変動幅に大きく影響するため、こうした日本以外の国の景気や政策金利、経済指標なども注視することが大切です。

FXで通貨強弱を把握するメリット

FXで通貨強弱を把握するメリットは主に以下の2点です。

  • 利益の出やすい通貨ペアを選べる
  • トレンドを把握できる

各FX会社は多くの通貨ペアを用意していますが、二国間の通貨強弱が大きく出ている通貨ペアはトレンドが発生する可能性が高いと考えられます。したがって二国間の通貨強弱が分かれば、多くの通貨ペアのなかから、利益の出やすい通貨ペアを選ぶことができます。

FXで通貨強弱を把握する方法

各通貨の強弱を把握するには、複数のチャートを見比べる、あるいはインジケーターを使用する方法が有効です。各方法について詳しく紹介します。

複数のチャートを見比べる

複数の通貨ペアの同じ時間足のチャートを見比べることで、通貨強弱を把握できます。

一例としてドル/円と、ポンド/円、ドル/ポンドの3つの通貨ペアから、通貨の強弱を把握する方法を見ていきましょう。

まずドル/円とポンド/円のチャートを確認します。仮にどちらのチャートも円安になっていれば、ドルもポンドも日本円よりも通貨が強いということです。

さらにポンド/ドルのチャートを確認してポンド高になっていれば、ドルよりもポンドのほうが強いことが分かります。

インジケーターを使用する

インジケーターとはローソク足チャート上や、チャートの下部に表示される、相場分析をサポートするツールのことです。通貨強弱を見るための代表的なインジケーターとしては次のようなものがあります。

  • Mataf(マタフ)
  • currency-strength.com
  • CCfp
  • Finviz
  • tradingviewの通貨インデックス

インジケーターを使用する最大のメリットは、テクニカル分析が行える点です。テクニカル分析とは、過去の為替の値動きを分析し、トレンドの反転や継続を予想したり、エントリーポイントを判断したりする分析手法のことをいいます。

FXで通貨強弱を活用した主な手法

通貨強弱は、順張りトレード、スキャルピング、スイングトレードなどで活用できます。各活用方法について詳しく紹介します。

順張り

順張りとは、現在のトレンドに沿ってエントリーする取引手法です。

通貨ペアを構成している二国間の通貨で通貨強弱が出ていればトレンドが発生している可能性が高いと考えられます。実際に通貨ペアのチャートを確認して、トレンドが発生していれば、そのトレンドに沿ってエントリーをして利益を狙います。最も強い通貨と、最も弱い通貨の通貨ペアを選ぶと、よりトレンドが顕著に現れる可能性が高いでしょう。

順張りはトレンドに沿ってエントリーをするシンプルな取引手法です。そのため初心者に向いていますが、仮にトレンドが反転して判断が遅れると含み益が減少したり、含み損を抱えたりする可能性があります。トレンドの反転を察知したら、早めの利益確定や損切りを心がけましょう。

スキャルピング

スキャルピングとは数秒~数分という短い時間で売買を繰り返し、利益を積み重ねていく取引スタイルです。通貨強弱をスキャルピングに活かす場合、インジケーターを参考に、通貨の強弱が同じくらいになる時点でエントリーを検討します。米/ドル円の通貨ペアであれば、円とドルの通貨の強弱が同じくらいのときにエントリー検討しますが、円が強くなりそうなら売りエントリー、ドルが強くなりそうなら買いエントリーをします。

スキャルピングは利益を積み重ねることで、大きな利益が期待できる点がメリットです。しかし短時間に何度も判断が求められるうえ、常に取引画面を注視していなければならず、精神的に負担が大きい取引スタイルと言えます。また失敗トレードが続くと、損失が拡大するリスクがあるため初心者にはあまりおすすめできません。

スイングトレード

スイングトレードとは数日~数週間ポジションを保有して大きな値幅を狙う取引スタイルです。

スイングトレードでは、ローソク足チャートとインジケーターの両方を使用します。この場合のエントリーポイントは、ローソク足で反転シグナルが出ていて、なおかつインジケーターで二国間の通貨の強弱が反転するタイミングです。また二国間の通貨強弱が拮抗し始めた時点が決済するタイミングとなります。

スイングトレードは長期保有を前提とした取引スタイルのため、常に取引画面を注視している必要がありません。そのためスイングトレードなら、普段仕事や家事で忙しくあまりFX投資に時間を割けない人でも、利益が狙える可能性があります。

ただし急なトレンド転換で大きな損失がでている場合があるため、完全放置は禁物です。

FXで通貨強弱を活用する際の注意点

通貨強弱は通貨ペアに関連する経済指標や、各国の政策金利といった要因で絶えず変化をするものです。こうした情報を見落とすと、気が付かないうちに通貨強弱が変動して、損失が発生している可能性があります。

通貨強弱の変動を素早く察知するには、日々の経済ニュースや関連情報に対するアンテナを高く保っておく必要があります。また日頃から勉強をして、どのような要素が通貨強弱を左右するのかといった情報感度を磨き続けることも大切です。

まとめ

通貨強弱が分かるようになると、通貨ペアのトレンドが把握できる、利益の出やすい通貨ペアを見つけやすいといったメリットがあります。ただし通貨強弱は政策金利や景気などで変動し、永続的なものではありません。通貨強弱の変動をすぐに察知できるように、通貨ペアに関連する情報をチェックしたり、経済に関する勉強を継続したりするなど、情報感度を高めておきましょう。

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