ストキャスティクスとは?見方や計算式・騙しの回避方法について説明

ストキャスティクスとは一定期間の安値と高値から、相場の「売られすぎ」「買われすぎ」を判断する指標です。この記事ではストキャスティクスを活用した売買サインの見つけ方や計算方法、そしてダマシを回避する方法について解説しています。テクニカル指標を使ったトレードを勉強している方、これからテクニカル指標を使ったトレードの幅を広げていきたい方は参考にしてください。

ストキャスティクスとは

ストキャスティクスとは、一定期間の高値と安値を比較して、「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するオシレーター系のインジケーターです。ストキャスティクスには売買シグナルが早く出るファーストストキャスティクスと、相場変動への感応度を抑えたスローストキャスティクスの2種類があります。

ファーストストキャスティクス

ファーストストキャスティクスとは、%Kと%Dという2つの指標を使って売買タイミングを判断する方法です。ファーストストキャスティクスは、売買シグナルが早く出るメリットがある反面、ダマシにあいやすいというデメリットがあります。

%Kとは、直近の価格が、対象期間の変動幅のなかでどの程度の位置にあるかを表す数値です。仮に対象期間が10日で、直近価格が最も高い場合の%Kは100%、最も低ければ0%となります。

スローストキャスティクス

スローストキャスティクスとは、%DとSlow%Dという2つの指標を使って売買タイミングを判断する方法です。Slow%Dとは%Dを移動平均化したもので、%Dは%Kを移動平均化したものです。

スローストキャスティクスはファーストストキャスティクスに比べると価格への反応が緩慢な傾向がありますが、比較的ダマシが少ない点がメリットです。そのため一般的には、スローストキャスティクスが利用されます。

ストキャスティクスの見方

ストキャスティクスを活用した、売買サインの見つけ方について解説します。なお以下のチャートでは青のラインが%K、赤のラインが%Dです。

買いサイン

%Dが0~20%の水準にある場合、売られ過ぎと判断できるため、買いサインとなります。さらにこの範囲で%Kが%Dを下から上に抜けてとゴールデンクロスを形成している場合、より強い買いサインとなります。

スローストキャスティクスの場合、Slow%Dが0~20%の水準にある場合、売られ過ぎと判断できるため、買いサインとなります。さらにこの範囲で%DがSlow%Dを下から上に抜けてとゴールデンクロスを形成している場合、より強い買いサインとなります。

売りサイン

%Dが80~100%の水準にある場合、買われすぎと判断できるため、売りサインとなります。さらにこの範囲で%Kが%Dを上から下へ抜けてデッドクロスを形成している場合、より強い売りサインとなります。

スローストキャスティクスの場合、Slow%Dが80~100%の水準にある場合、買われすぎと判断できるため、売りサインとなります。さらにこの範囲で%DがSlow%Dを上から下へ抜けてデッドクロスを形成している場合、より強い売りサインとなります。

ダイバージェンス

ダイバージェンスとは「逆行現象」という意味があります。FXでは相場が上昇しているにもかかわらず、ストキャスティクスは下落、あるいは相場が下落しているにもかかわらず、ストキャスティクスが上昇しているケースがあります。このように相場とストキャスティクスの値動きが逆行することをダイバージェンスと言います。

ダイバージェンスはトレンドの勢いが弱まっていることを意味するため、反転の可能性が高くなります。つまり上昇相場におけるダイバージェンスは売りサイン、下落相場でのダイバージェンスは買いサインとして活用できます。

ストキャスティクスの計算式

ストキャスティクスの計算式を、ファーストストキャスティクスと、スローストキャスティクスに分けて紹介します。

ファーストストキャスティクス

ファーストストキャスティクスの%Kと%Dの計算方法は以下のとおりです。

【%Kの計算方法】
%K=(C-Ln)÷(Hn-Ln)✕100

【%Dの計算方法】
%D=(C-Ln)のm日間の合計÷(Hn―Ln)のm日間の合計

C:直近の終値
L:期間nの最安値
H:期間nの最高値

nは一般的に9日間を使用しますが、5や14が使われる場合もあります。

スローストキャスティクス

スローストキャスティクスの計算式は以下のとおりです。

Slow%K=%D
Slow%D=n日の%Dの単純移動平均

nは原則3日間を使用します。

ストキャスティクスでダマシを回避する方法

ストキャスティクスはスローストキャスティクスを利用してもダマシにあう場合があります。ダマシを回避するためには、他のインジケーターと組み合わせて売買サインを判断するのが効果的です。

ここではMACDとボリンジャーバンドを組み合わせた事例を紹介します。

MACDと組み合わせる

MACD(マックディー)は移動平均収束発散法と呼ばれ、「MACD」とMACDの単純移動平均である「シグナル」という2本の移動平均線から売買タイミングやトレンドを見るテクニカル指標です。

ストキャスティクスとMACDで同じ売買サインが出ているときのみトレードするというルールを決めておけば、ダマシにあう確率を減らすことができます。

例えば、MACDが上向きかつ0ラインより上にあり、さらにストキャスティクスでゴールデンクロスを形成しているときのみ買いサインとする。逆に、MACDが下向きかつ0ラインより下にあり、さらにストキャスティクスでデッドクロスを形成しているときのみ売りサインとする方法です。

ボリンジャーバンドと組み合わせる

ボリンジャーバンドとは、移動平均線と上下2本ずつの標準偏差をもとに計算した線で表されるテクニカル指標です。2σライン上抜けすると反発して売りサインとなります。さらにストキャスティクスでは、80%より上でデッドクロスを形成しているため、ここでも強い売りサインが確認できます。

ボリンジャーバンドとストキャスティクスでどちらも売りサインが出ていることから、より信頼性の高い売りサインと考えられるでしょう。

まとめ

ストキャスティクスは一定期間の高値と安値を比較して「売られすぎ」「買われすぎ」を判断するオシレーター系のテクニカル指標です。%Dが0~20%の水準にあれば売られすぎ、80~100%の水準にあれば買われすぎと判断ができるため、シンプルで売買サインがわかりやすい反面、ダマシにあいやすいというデメリットもあります。ストキャスティクスを利用するときは、MACDやボリンジャーバンドといったテクニカル指標を組み合わせてみると良いでしょう。

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