仏大統領選1ラウンド目終了 週明け円は売られすぎ?!(主要通貨チャート分析)

インヴァスト証券の山口です。

下の棒グラフは、4月21日の終値と4月14日の終値を利用して計算した、先週の日本円に対する主要通貨の騰落率を示したものになります。
(日本円を0%として、プラスは円よりも強い通貨、マイナスは円よりも弱い通貨)

先週は南アランドと英ポンドが買い戻される展開となりました。

特に南アランドに関しては、先週に引き続き買戻しが目立ちますが、南アランド/円は今週8.505で寄り付いて弱含みで推移しており、直近の高値8.980から直近の安値7.890までの61.8%戻しの8.508と重なり、少なくともこれを上回らないと本格的に上昇に転じたとは判断しにくいところです。

ポンドは後述のとおり総選挙実施の報道を受けた英ポンド買いによるものです。

逆に売られた通貨は順にカナダドル、豪ドル、日本円、米ドル、NZドルとなっており、大きな要因としては54ドル台まで上昇したWTI原油価格が50ドルを割る水準まで落ち込んだことがあげられます。

週明けの米ドル/円やクロス円は、フランス大統領選の結果を好感してリスクオンとなり大きく上昇しています。

ただフランス大統領選1ラウンド目は過ぎ去ったこと。

この結果が今後も継続的に動かすドライバーとなるかというと、そういったものでは無いと思います。

今週は日銀金融政策決定会合やECB理事会などもありますが、「地政学リスク」と「トランプ大統領就任100日(4月29日)を控え、100日間におこなうこととして掲げた公約がどれだけ実行できるのか」に注目です。

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【ユーロ/米ドル 週足チャート】

ユーロ/米ドルは上昇。先週は一時1.0775まで上昇したものの、週末にフランス大統領選の1ラウンド目を控えていたこともあり、週末にかけて値を戻し1.0697で引けました。

今週のユーロ/米ドルはフランス大統領選の結果を好感し1.0893で高寄りして始まりましたが、52週移動平均線に上値を抑えられる形となっています。なお、今週のECB理事会において政策金利の変更は無いと考えられます。

 

【ユーロ/円 週足チャート】

ユーロ/円は反発。5週連続の陰線引け後の反発となっており週明けの本日はフランス大統領選の1ラウンド目の結果を好感して120.085で寄り付きましたが、26週移動平均線に上値を抑えられる形となっています。

今週のマーケットの意識はフランス大統領選から米国の政策と朝鮮半島問題に変わっていると考えられますので、どちらかと言えば円はユーロに対し買われやすい地合いにあると考えられます。

レジスタンスは26週移動平均線が位置する120.10。サポートは13週移動平均線が位置する119.45、その下が52週移動平均線が位置する118.15。

 

【英ポンド/円 週足チャート】

英ポンド/円は反発。

先週は北朝鮮のミサイル問題を受けて年初来安値135.58を更新したものの、18日に6月に英国で総選挙がおこなわれることが発表されると、総選挙によりメイ首相の基盤強化に繋がるとの思惑からポンドが広い通貨に対して買われました。

英ポンドは18日の終値ベースでの前日比が、英ポンド/米ドルで2.25%、英ポンド/円で1.78%、ユーロ/英ポンドで1.37%上昇いたしました。

なお、今週はフランス大統領選の結果を受け、円が幅広い通貨に対して売られて寄り付いたことで、英ポンド/円も141.42で寄り付きましたが、26週移動平均線は上向きなものの、52週移動平均線や13週移動平均線がが下向きとなっており、英ポンド/円は下降トレンドと考えられるため、今後は再度140円割れまで値を戻すものと思われます。

 

【豪ドル/円 週足チャート】

豪ドル/円は引き続き弱含みで推移し、先週は81.495まで下落しましたが、81.35に位置する52週移動平均線が意識されて反発し、82円台まで回復して引けました。

今週はリスクオンによる円売りにより、83.305で寄り付きましたが、価格は13週移動平均線と26週移動平均線の下側に位置しており、上値の重い展開が予想されます

 

【ピボットによる今週の主要通貨の予想レンジとトレンド】

今週の主要通貨の予想レンジとトレンドです。仕掛け作成の上で参考にしてください。

なお、予想レンジは週足のPIVOTを利用して算出しています。トレンドは200日移動平均線と一目均衡表から上昇トレンドなら「↑」、下降トレンドなら「↓」で示しています。

(PIVOTの算出、200日移動平均線と一目均衡表の判定は東京金融取引所くりっく365の為替レート及びチャートを利用しています。)

※PIVOTとは・・ J.W.ワイルダーが考案した「リアクション・トレンドシステム」のことで、一般的にはPIVOT(ピボット)と呼ばれています。
※PIVOTの使い方
 四本値から算出された価格から2つのモードで使い分けをします。
 1.リアクションモード
   保ち合い相場(横ばいトレンド)を想定して、B1・B2で買い、S1・S2で売ります。
   上記の表の予想レンジ1はB1とS1で、予想レンジ2はB2とS2で想定レンジ幅を表示しています。
 2.トレンドモード
   LBOP(ロウ・ブレイク・アウト・ポイント)を下回ったら下降トレンド、HBOP(ハイ・ブレイク・アウト・ポイント)を上回ったら上昇トレンドと想定(リアクションモードでの取引は停止)して、取引をおこないます。