豪ドル/円:短期は揉み合い。中期トレンドはやや弱気。

(分析)

世界経済が回復基調にある中で、オーストラリア経済もまた良好さを保っています。輸出の伸びが増加傾向にあることや、国内でも労働市場は安定しており、消費も底堅く推移しています。中銀の目標とするインフレターゲットにもほぼ到達している状況ですが、5/2の金融政策決定会合ではキャッシュレートを現状の1.5%に据え置いています。一方為替市場では外的要因によるリスク回避の動きが強まったことから対円、対ドルともに上値が抑えられる展開となりましたが、市場が落ち着きを取り戻しつつあることから、小反発に転じています。

チャートを見ると、日足は5/5の日足がタクリ足の陽線引けとなり、下値トライに失敗した形で終えています。またこの足が82.60-80にあった日足の下値抵抗にしっかりと跳ね返されており、上値余地を探る動きが強まる展開が期待出来ます。しかし一方で、86~88円ゾーンの中・長期的な上値抵抗にぶつかった流れからは上抜けておらず、中期トレンドは下値リスクがより高い状態にあることから、続伸に繋げた場合でも85円が大きな壁となる可能性に注意が必要です。日足の上値抵抗は84.40-50、85.70-80に、下値抵抗は82.90-00、81.90-00にあります。21日、200日移動平均線は82.95と82.39にあり、これを上抜けて、短期トレンドは豪ドルやや強気の状態にありますが、120日線は85.10に位置しており、今後の上昇局面で強い上値抵抗として働く可能性があります。

豪ドル/円週足チャート

一方週足を見ると実体の小さい陽線が3手並んでいますが、いずれも上昇余力に乏しいものです。また、2月に付けた88.16を起点として上値を切り下げる流れからも上抜けておらず、この週足の上値抵抗が86.00-10に控えていることから、これをしっかり上抜けて越週するまでは、下値リスクに警戒が必要です。一方で、4/19に付けた81.49が2016年6月に付けた72.53を大底として下値を切り上げて来たサポートラインに跳ね返されて上昇に転じていることから、短期的には一旦底打ち、反発余地を探る動きに入っています。この週足の下値抵抗が81.90-00に位置していることから、これを割り込んで越週しない限り、下値余地も拡がり難いでしょう。31週移動平均線は83.93に位置しており、これを上抜けきれていませんが、62週線は81.83に位置しており、中期的なサポートポイントにはしっかりと跳ね返された状態です。但し、31ヵ月移動平均線が86.38に位置しており、長期トレンドが下値リスクがより高い状態にあることから、引き続き下値リスクへの警戒も必要です。

 

(戦略)

今月の戦略は、豪ドル買いは83.00-10で押し目買い。損切りは82.20で一旦撤退です。豪ドル売りは85.00-10で戻り売り。損切りは86.10で撤退です。