FXの注文方法にはどのような種類がある?初心者へのおすすめも紹介

FXは常にFXの画面を見ながら取引をしなくても、あらかじめ指定しておけば、その価格で注文や決済をしてくれる仕組みがあります。しかしFXは多くの注文方法があるため、FX初心者はどの注文方法が良いのかわからないかもしれません。そこでこの記事では、主なFX注文方法の仕組みや、初心者におすすめの注文方法について紹介しています。

FXの注文方法

FXには、さまざまな注文方法があります。そのため常にFX画面を見ながら頻繁にトレードができる人だけでなく、仕事や家事で忙しいのであまりトレードができない人、長期投資をしたい人などさまざま投資ニーズに対応できます。

ここでは、まず初心者におすすめの注文方法と、それ以外の注文方法に分けて解説します。

初心者におすすめの注文方法

FX初心者におすすめの注文方法として、成行注文・指値注文・逆指値注文があります。各注文方法の活用方法やメリット・デメリットについて解説します。

成行注文

現在の価格で即座に発注する方法です。注文したいタイミングで新規注文ボタンを押すだけのシンプルな注文方法なので、初心者におすすめです。

成行注文は取引の成立を最優先させるため、現在のレートですぐに注文できる、あるいはトレードチャンスをすぐに捉えられるといったメリットがあります。

ただしスリッページにより、注文した価格と約定した価格でズレが生じる場合があります。

指値注文

為替レートが今よりも有利な価格になったときに、レートを指定して注文する方法です。

例えば現在の為替レートが1米ドル135円の場合、買いの指値注文であれば「134円以下になったら買う」という注文を設定、売りの指値注文であれば「136円以上になったら売る」という注文を設定します。

指値注文はあらかじめ為替レートを指定しておけば、自身がFX画面を見ていなくても自動的に売買をしてくれます。売買したい為替レートを指定するだけなので、初心者でも利用しやすい注文方法と言えるでしょう。

トレンドラインに触れたら注文したいけれど、「もう外出しなければならない」「仕事に差し支えるので早く寝たい」というようなときに指値注文を入れておけば、指定した価格で自動的に売買を成立させてくれます。

ただし指定した為替レートに達しなければ、売買が成立しません。

逆指値注文

為替レートが今よりも不利な価格になったときに、レートを指定して注文する方法です。

例えば現在の為替レートが1米ドル135円で、為替レートがこれから上昇する(円安になる)と見込む場合、「136円以上になったら買う」という買いの逆指値注文を設定、下落する(円高になる)と見込む場合、「134円以下になったら売る」という売りの逆指値注文を設定します。

逆指値注文もあらかじめ為替レートを指定しておけば、自動的に売買が行われるため、損切りラインを指定しておきたいときに便利です。外出中に大きなトレンド変化があり、想定とは反対方向に価格が動いたとしても、逆指値注文で損切ラインを指定しておけば、損失の拡大を防げます。

またFX初心者は「なかなか損失を受け入れられない」「根拠もなく反転を期待してしまう」など感情に任せたトレードで、かえって損失を拡大させてしまう傾向があります。

このような損切りが苦手な初心者にも、逆指値注文はおすすめです。

しかし逆指値注文は、興国通貨など価格の変動幅が大きい通貨の場合、すぐに損切りラインに達してしまい損失を確定させてしまう場合があります。

その他の注文方法

FXの注文方法は、成行注文・指値注文・逆指値注文の他、これらの3つの注文を組み合わせた注文方法などさまざまなバリエーションがあります。ここで紹介する方法も便利な注文方法なので、基本となる成行注文・指値注文・逆指値注文に慣れたら活用してみましょう。

OCO注文

OCO注文とは同時に2つの注文を出し、一方が成立すると、もう一方が自動的にキャンセルされる注文方法です。つまりOCO注文とは、成行で注文したタイミングで指値注文と逆指値注文を同時に設定する注文方法を指します。

米ドル/円で1ドル100円のときに注文する際、「101円になったら利益確定の売り注文」と「99円になったら損切りの買い注文」を入れた事例を見てみましょう。

この場合、1ドル100円から101円になれば決済されて利益が確定し、もう一方の買い注文は自動的にキャンセルされます。逆に1ドル99円になると、決済されて損失が確定し、もう一方の売り注文はキャンセルされます。

OCO注文は利益確定と損切りが同時にできます。そのため利益も損失も自身の想定内に収まるため、FXにおけるリスクコントロールが可能です。

しかし大きなトレンドが生じたときに、損失が限定される反面、利益も限定されてしまう可能性がある点はデメリットと言えるでしょう。

OCO注文はレンジ相場を形成していて、急なトレンド変化が起きて大きな損失を防ぎたいようなときに便利な取引方法です。

IFD注文

IFD注文とはイフ・ダン注文と呼ばれ、新規注文が成立したと同時に決済注文も有効になる注文方法です。

例えば米ドル/円で現在のレートが110円のときに、「109円になったら買い」という指値注文が成立したら、それと同時に「112円になったら売る」という指値注文が有効になります。つまりIFD注文は新規の指値注文と、決済の指値注文をセットでできる注文方法です。

予想通り109円になると米ドルの買い注文が行われ、それと同時に112円になったら売るという決済注文が有効になります。

IFD注文もリスクコントロールできる、常にFX画面を見ていなくてもトレードができるといったメリットがありますが、指定したレートに達しなければ、そもそも新規注文や決済注文が行われない点に注意が必要です。

また買いの新規注文、売りの決済注文をセットにしたIFD注文の場合、損切りの注文がないため損失が拡大する可能性があります。 なおIFDは、買いの新規注文が成立したら、同時に逆指値注文が有効になるという注文も可能です。

IFDO注文

IFDO注文とは、IFD注文とOCO注文を組み合わせた注文方法です。

例えば米ドル/円で現在のレートが110円のときに、「109円になったら買い」という指値注文が成立したら、それと同時に「112円になったら売る」という指値注文と「106円になったら買う」という逆指値注文が有効になります。

IFD注文は新規注文が成立したら、売り注文が有効になるという場合、損切りがないために損失が拡大するリスクがありましたが、IFDO注文なら利益確定の注文と損切りの注文を同時に出せるメリットがあります。

しかしIFDO注文もそもそも指定した為替レートに達しなければ、新規注文も決済注文も行われないため、万能な注文方法とは言えません。

IFDO注文はFXにおけるリスクコントロールだけでなく、損切りラインも設けておきたいという人におすすめです。

トレール注文

トレール注文とは、相場の値動と一定の値幅を保ちながら逆指値注文のレートが追従していく注文方法です。例えば米ドル/円で1ドル110円のときに1円幅のトレール注文を出したとします。このときに109円に値下がりすると109円で決済され1円の損失となります。一方、111円になった場合、トレール注文が110円に切り上がり、さらに112円になればトレール注文が111円になる仕組みです。

トレール注文はトレンド相場のリスク対策として有効ですが、レンジ相場には向いていません。また一時的に下落方向に向かって、その後反転したような場合、下落の時点で損失が確定してしまい、反転による大きなリターンを逃してしまう可能性があります。

FX初心者は注文数量にも注意

FX初心者はトレードの勝率が低い可能性があるため、注文数量にも注意が必要です。

例えば米ドル/円、レバレッジ1倍で1ドル137円のときに米ドルを1,000通貨購入した場合、1円円高になると損失額は1,000円ですが、1万通貨購入した場合の損失額は1万円になります。

またFXはレバレッジをかけることで、少ない自己資金で大きな取引をすることができます。

例えば米ドル/円、レバレッジ1倍で1ドル137円のときに米ドルを1,000通貨購入するときに必要な保証金は13万7,000円ですが、レバレッジを25倍にすれば5,480円で1,000通貨分の取引が可能です。

しかしこのケースの場合、1円円高になればレバレッジ1倍のときは13万7,000円に対して損失が1,000円ですが、レバレッジ25倍のときは5,480円に対して1,000円の損失が出ることになります。

レバレッジを上げると少額でも大きな取引ができますが、相対的に損失も大きくなる点には注意が必要です。
注文数量が大きい取引をすると、手元資金の減りが早いため、トレード経験を積むことなくFX自体を断念しなければいけなくなるおそれがあります。

FX初心者は、まず少ない注文数量からトレードを始めましょう。

まとめ

FXはさまざまな注文方法があるため、常にFX画面を見ながらトレードできる人、忙しくてあまりトレードできない人どちらでもトレードスタイル次第で利益を狙える投資方法です。

ただし一度にすべての注文方法を覚えるのは難しいかもしれないので、まずは成行注文・指値注文・逆指値注文の3つを覚えることから始めましょう。

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また、それぞれトレードの特徴を持ったエージェントというキャラクターが、自動的に売買を繰り返すマイメイトも、すでに用意されているエージェントの中から、自分に合ったものを選ぶだけで始められるので、FX初心者におすすめです。

マイメイトはそれぞれ取り扱っている通貨ペアや投資スタイルが異なりますが、複数のエージェントを組み合わせて分散投資をすることもできます。