FXの取引手法は?メリットやデメリット・エントリータイミングを解説

FXで勝率を上げるためには、トレードを始める前に取引手法と取引スタイルを明確にして、それを守ることが大切です。この記事では、FXの取引手法や取引スタイルの種類や特徴、メリット・デメリットについて紹介しています。またFXで勝率を上げるコツについても紹介しているため、FXで勝率を上げたい人や、これらかFXを始めたいとお考えの人はぜひ最後までお読みください。

FXの取引手法とは

FXで継続的に利益を狙い続けるためには、取引を始める前に取引手法を決めることが大切です。取引手法を決めてトレードをすることで、不安や期待といった感情がトレードに反映することを防ぎ、成功したトレードの再現性を高めることができます。

例えばFXで含み損が出ると、いつか上がるかもしれないといった期待をしてしまうことがあります。しかしこれは「根拠のない期待」であり、かえって損失を拡大させてしまうかもしれません。「〇〇円まで下がったら損切する」など、あらかじめ取引手法を決めておくことで大きな損失を回避しやすくなります。

またうまくいったトレードも、感情が入ったトレードは偶然性が高く、再現が難しい傾向があります。しかし取引手法を守ってトレードをしていれば、判断基準が明確になっていることから成功したトレードの再現性を高めることができるでしょう。

FXの取引手法の種類

FXの取引手法は大きく、順張りと逆張りの2種類があります。以下、各取引手法の概要とメリット・デメリットを紹介します。

順張り

順張りとは現在のトレンドに沿ったポジションを保有する取引手法で、トレンドが今後も続くと予想されるときに有効です。トレンドが上昇している局面では買いポジションを保有し、トレンドが下降している局面では売りポジションを保有します。

すでに生じているトレンドに乗るシンプルな取引手法のため、順張りは初心者におすすめです。

メリット

順張りのメリットは主に以下の3つです。

  • エントリーポイントが分かりやすい
  • トレンドが長期化すると大きな利益が狙える
  • 損切りがしやすい

順張りはすでに生じているトレンドに乗る取引手法のため、エントリーポイントが分かりやすいうえ、トレンドが長期化すれば大きな利益が狙えます。

また直近の高値や安値を超えて、価格が反転し始めるとトレンドの終わりが近いことを表すなど、トレンド転換が分かりやすい傾向があるため、損切ラインが設定しやすい点もメリットと言えるでしょう。

デメリット

一方、順張りは次のようなデメリットもあります。

  • 順張りトレードができる機会は少ない
  • 短期的なトレードには向いていない
  • 利益確定の見極めが難しい

FX相場は約70%がレンジ相場と言われているため、トレンドに沿った取引をする順張りは活用できる場面が限られています。また順張りはトレンドに乗って利益を狙う取引手法のため、トレードが長期化する傾向があり、短期的なトレードをしたい人には向いていません。

うまく順張りでトレンドに乗れたとしても、価格が反転すると含み益が減ってしまう場合もあります。投資の格言で「頭と尻尾はくれてやれ」という言葉があるように、チャート分析に自身がない人は過度に利益を追わず、早めの利益確定で利益を確保するよう心がけましょう。

エントリータイミング

代表的な順張りのエントリータイミングは以下の3つが挙げられます。

  • ブレイクアウト
  • 押し目買い
  • 戻り売り

ブレイクアウトとは、過去の高値や安値を更新したタイミングのことです。過去の高値や安値を更新することは、強いトレンドを表しており、今後もトレンドが継続すると考えられます。押し目買いとは上昇トレンドが一服して一旦下がったときに買いのポジションを保有すること、戻り売りとは下降トレンドで一時的に上がったときに売りポジションを保有することです。

逆張り

逆張りとはトレンドとは逆方向のポジションを保有する取引手法で、今後トレンドが反転すると予想されるときに有効な方法です。トレンドが上昇している局面では売りポジションを保有し、トレンドが下降している局面では買いポジションを保有します。

どこでトレンドの反転が起こるか予測が必要になるため、逆張りは難易度が高い取引手法です。

メリット

逆張りのメリットは主に次の3つです。

  • エントリーできる機会が多い
  • 大きな利益が狙える可能性がある
  • 短期的な利益を狙いやすい

逆張りは、ボリンジャーバンドというテクニカル指標で反転を予想しながら売買を繰り返す手法など、レンジ相場でも活用される取引手法です。レンジ相場で活用できる逆張りは、活用できる機会が多い取引手法といえるでしょう。また逆張りは反転を見越してエントリーをすることから、反転が生じた当初からの利益が狙えるため、大きな利益が期待できます。

経済指標の発表直後など大きな値動きが起こった後に逆張りをして、短期で大きな利益を狙う方法もあります。ただしこの方法はリスクが高いためあまりおすすめはできません。

デメリット

逆張りのデメリットは主に2つあります。

  • 予想が外れると大きな損失を抱える可能性がある
  • 損切りが難しい

逆張りは闇雲に行うのではなく、チャートなどを見ながらトレンドの反転タイミングを予測してエントリーするものですが、それでも必ず予想通りの値動きになるとは限りません。仮に予想が外れてトレンドがそのまま進行すると、逆張りはその分損失につながるため、結果的に大きな損失を抱える可能性があります。

また逆張りは、反転をする予想が外れても「今度こそ反転するかもしれない」という期待感から、そのポジションを保有したまま含み損を拡大させてしまいがちです。逆張りは予想通りにトレンド反転しなければ一旦すみやかに損切りをして、次のチャンスを狙うように心がけましょう。

エントリータイミング

逆張りには、主に次のようなエントリータイミングがあります。

  • レジスタンスラインやサポートラインを狙う
  • 売られすぎ、買われすぎのタイミングを狙う

過去の高値を結んだラインである「レジスタンスライン」や、過去の安値を結んだ「サポートライン」は多くの市場参加者が意識する価格帯のため、反転する可能性が高いと考えられます。

RSIやボリンジャーバンドといったテクニカル指標から売られすぎ、買われすぎを判断して逆張りをする方法も有効です。

FXでは取引スタイルを決めておくことも重要

FXのトレードスタイルとは、新規注文から決済までにどれくらい時間をかけるかといった取引時間に着目した取引方針のことを指します。

1回あたりの取引時間を短くして利益を積み重ねていくか、長期間の値動きで1回の取引で大きな利益を狙うかといった取引スタイルによって、利用するチャートや取引に必要なノウハウが異なります。

普段、長期トレードを主な取引スタイルとしている人が、知識やノウハウがないまま、闇雲に短期トレードをしていても失敗する可能性が高いため、トレードを始める前に、自身の取引スタイルをあらかじめ決めておくことが大切です。

FXの取引スタイルの種類

FXの取引スタイルは大きく「スキャルピング」「デイトレード」「スイングトレード」「ポジショントレード」の4つに分かれます。それぞれのメリット・デメリットは次の通りです。

取引スタイルメリットデメリット
スキャルピング・取引スタイルの中では最も大きな利益が狙える可能性がある・取引スタイルのなかで最もリスクが大きい傾向がある
・取引コストの負担が最も大きくなる傾向がある
デイトレード・大きな利益が狙える可能性がある
・取引時間外のニュースなどによる為替変動を心配する必要がない
・取引時間中の精神的な負担が大きい
・取引コストの負担が大きくなりがち
スイングトレード・比較的大きな値幅が狙える
・常に取引画面を注視する必要がない
・スワップポイントが狙える
・完全に放置していると大きな損失につながる場合がある
ポジショントレード・大きな値幅が狙える
・保有期間に応じたスワップポイントが狙える
・大きな自己資金が必要になる可能性がある

以下、各取引スタイルの特徴やメリット・デメリットについて詳しく紹介します。

スキャルピング

1回の取引を数秒から数分という短い時間で売買を繰り返し、利益を積み重ねる取引スタイルです。各取引スタイルのなかで、最も大きな利益が狙える可能性がありますが、リスクも大きくなるため注意が必要です。またFXでは売買をするたびにスプレッドなどのコストがかかるため、売買頻度が多いスキャルピングは取引コストの負担が大きくなります。

為替レートは常に変動していることから、売買のタイミングを見逃さないよう、常に取引画面を注視している必要があります。そのためスキャルピングは、常にFXの取引の画面に向き合える時間的余裕がある人に向いている取引スタイルです。また売買の頻度が多いため、利益確定や損切りを瞬時に見極められる判断力がある人も、スキャルピングに向いています。

デイトレード

1回の取引を数時間から1日までの期間で完了させ、ポジションを翌日に持ち越さない取引スタイルです。そのためスキャルピングに次いで、大きな利益が狙える可能性があります。また取引時間外に為替レートに大きな影響を受けるニュースや経済指標の発表があっても、デイトレードでは取引時間外にポジションを保有していることがないため、取引時間外の大きな為替変動要因の心配をする必要がありません。

しかしデイトレードはスキャルピングと同様に、常に売買タイミングを注視する必要があるため、精神的な負担が大きい取引スタイルです。また取引頻度が多いため、コスト負担も大きくなります。

デイトレードは取引を翌営業日に持ち越さない点が特徴です。「今日は含み益が出ているから、ポジションを持ち越そう」「含み損が出ているが、取引時間外に為替が戻りそうな経済指標の発表があるから明日の値上がりを期待しよう」といった考えは持たず、自身で決めた取引スタイルを守れる人が向いています。取引の頻度も多いことから、損切りや利益確定がすみやかに行える判断力のある人もデイトレードに向いているといえるでしょう。

スイングトレード

数日から数週間ポジションを保有し、1回のトレードで大きな値幅を狙う取引スタイルです。一定期間、ポジションを保有することを前提とした取引スタイルのため、スキャルピングやデイトレードのように、常に取引画面を注視している必要がありません。また保有している通貨ペアによっては、経過日数に応じたスワップポイントが受取れます。

しかしスイングトレードで運用している期間中に経済指標の発表などで大きなトレンド転換が起き、見落としたまま長期間経過すると大きな損失を被ることがあります。

常に取引画面を注視する必要がない取引スタイルでも、放置とは異なります。スイングトレードをしている間は、常に経済指標の発表スケジュールや、関連する国の政策金利など、重要な情報は抑えておきましょう。

スイングトレードは頻繁にトレードを行う必要がないため、仕事や家事で忙しく、常に取引画面を見ることができない人に向いている取引スタイルといえます。

ポジショントレード

ポジショントレードとは数週間から数ヶ月、長いときは数年単位でポジションを保有する取引スタイルです。長期の保有を前提とした取引スタイルのため、スイングトレードと同様、常に取引画面を注視する必要がありません。ただしポジションを保有している期間中のトレンド転換には注意が必要です。

ポジショントレードは大きな値幅が狙えるうえ、保有期間に応じたスワップポイントが狙えます。しかしポジション保有によって投資資金が長期間拘束されてしまうため、多くの自己資金がなければ、売買差益で大きな利益を狙いにくい傾向があります。

ポジショントレードは、普段忙しくて取引画面に向き合えず、なおかつFXに多くの自己資金を振り向けられる人に向いている取引スタイルといえるでしょう。

FXの相場を分析する方法

これまでさまざまなFXにおける取引手法や取引スタイルを紹介してきましたが、どの方法を利用するにしても、なぜその価格で注文、あるいは売却するのか?といった基準があいまいでは、失敗する可能性が高いでしょう。こうした判断基準を検討するうえで必要になるのが、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」です。

以下、テクニカル分析とファンダメンタルズ分析の特徴とメリット・デメリットについて見ていきましょう。

テクニカル分析

各種チャートを用いて過去の為替レートの値動きを分析し、将来のトレンドを予測したり、エントリーポイントを推測したりする分析手法です。

テクニカル分析により、チャート上でさまざまな売買シグナルや、トレンドが転換あるいは継続するシグナルを見つけられます。しかし数多くのテクニカル指標があり、習熟に時間がかかる場合があります。また万能なテクニカル指標はなく、ときにセオリーとは異なる値動きをする、いわゆる「だまし」にあう可能性もある点には注意が必要です。

ファンダメンタルズ分析

通貨ペアに関連する経済指標や要人発言、政策金利といった情報が相場に与える影響から、将来の値動きを判断する分析手法です。

経済指標や要人発言、政策金利といったファンダメンタルズ要因は、発表内容次第で大きなトレンドを形成する可能性があるためファンダメンタルズ分析は、中長期のトレンドを把握する際に役立ちます。

しかし一方でファンダメンタルズ分析は、おおよそのトレンドは把握ができますが、どれくらい為替レートが動くかまでは予想がつきにいため、ファンダメンタルズ分析で具体的な売買シグナルを見つけることは困難です。

また経済指標や要人発言、政策金利などの発表内容が市場参加者のなかで周知されている場合、すでに市場参加者の思惑が為替相場に反映されており、発表されてもほとんど相場が動かないこともあります。

FXで勝率を上げるためのコツ

FXで勝率を上げるためのコツは次の3つです。

  • 勉強と取引の振り返りを継続する
  • トレードルールを守る
  • 自動売買ツールを活用する

FXを始める前に基礎知識を身に着けることは大切です。しかしFXを始めた後も、チャートの見方や、為替相場に与える経済ニュースなど常に勉強を継続していくことで、トレードの勝率は上がっていくでしょう。また自身が行ったトレードを振り返ることも重要です。

しかし、なぜこの価格で売買をしたのか?といった判断基準があいまいでは振り返りができません。初心者のうちはエントリーをする際、なぜこの価格で売買したのかノートなどに書き込んでおくと良いでしょう。

トレードの失敗・成功どちらも今後の経験値にしていくためにも、取引をする際は自身のトレードルールを明確にして、それを守ることが大切です。

まだ初心者で、どのようなトレードルールが向いているのかわからない人は、自動売買ツールの活用をおすすめします。自動売買とはあらかじめトレードルールを決めておけば、その内容に基づいて自動的かつ機械的に売買が行ってくれる仕組みのことです。

自身でトレードルールを作らなくても、すでに用意されているものから選ぶだけで始められるものもあるため、自動売買ツールを利用すればFX初心者でも勝率を上げられる可能性があります。

まとめ

FXを始める際は、自身に合った取引手法や取引スタイルを決めることが大切です。こうした取引手法や取引スタイルを守り、闇雲なトレードを控えることで取引の勝率が上がっていくでしょう。また闇雲なトレードを避け、しっかりとした判断基準でトレードをするには、テクニカル分析やファンダメンタルズ分析も必要です。

FX初心者で取引の勝率を上げたい人は、自動売買ツールの活用も検討してみましょう。インヴァスト証券の自動売買ツール「トライオートFX」はあらかじめ定めたトレードルールに基づいて、自動的に売買が行われる仕組みです。すでにFX上級者が利用しているトレードルールをそのまま利用して始めることもできます。

自動売買ツールにはAIを活用したものもあります。「マイメイト」はエージェントというキャラクターが、過去のトレードを学習し、学習内容を今後のトレードに反映させます。マイメイトもあらかじめ用意されているエージェントのパフォーマンスを見て、自身にあったものを選ぶだけで始められます。