FXとバイナリーオプションの主な違い4つ|向いている人の特徴も解説

バイナリーオプションはリスクが大きく、上級者向けの投資と思っていませんか?バイナリーオプションは、予想通りの値動きをすれば利益になり、予想が外れると損失になる二者択一のシンプルな取引のため、投資初心者やFX初心者に向いているかもしれません。この記事ではバイナリーオプションとは何か、FXとの違い、FXとバイナリーオプションはそれぞれどのような人に向いているかについて解説しています。

バイナリーオプションとは

バイナリーオプションとは、将来の為替レートの騰落を予想して利益を狙う取引です。バイナリーとは「二者択一」、オプションは「選択権」という意味があります。

バイナリーオプションは大きく「ラダー制」と「レンジ制」に分けられます。ラダー制とは、満期時に為替レートが目標レートを上回っているか、下回っているかを予想する取引です。レンジ制とは、満期時に為替レートが目標レンジ(価格帯)で収まるか、外れるかを予測する取引です。

バイナリーオプションの取引開始から、損益が出るまでの流れは以下の通りです。

  1. 通貨ペアを選ぶ
  2. 目標レート、または目標レンジを設定する
  3. ラダー制の場合は目標レートを上回るか下回るか、レンジ制の場合は目標レンジの範囲内に収まるか外れるかを決める
  4. オプションを注文する
  5. 満期時に結果を確認

満期時にオプションが予想通りの値動きをしていれば一定額のペイアウト(利益)が得られます。一方、満期時にオプション価格が予想に反する値動きをした場合、ペイアウトは得られずオプション購入代金も戻ってきません。つまりオプション注文代金分の損失を被ることになります。

FXとバイナリーオプションの主な違い

FXとバイナリーオプションは、将来の為替レートを予測して利益を狙う点は共通していますが、異なる点もあります。

決済タイミングレバレッジの有無スワップポイントの有無利益と損失の決まり方
FX自身で判断するありあり決済するタイミングによって異なる
バイナリーオプション満期時に決済が行われるなしなし利益、損失額があらかじめ決まっている

両者の主な違いを4つ紹介します。

決済タイミング

FXは基本的に新規で注文したポジションを、一瞬で決済することも、数年間保有し続けることも可能です。つまりFXは決済タイミングを自身で選択できます。

一方バイナリーオプションは、満期時のみ決済できる「ヨーロピアン・タイプ」と、満期までの間いつでも決済できるタイプのことを「アメリカン・タイプ」があります。アメリカン・タイプであればある程度決済のタイミングは選べますが、満期になれば決済されます。

そのためバイナリーオプションは自身で決済タイミングを選べる余地がまったくない、あるいはFXに比べると少ないといえるでしょう。

レバレッジの有無

レバレッジとは少ない資金で大きな取引ができる仕組みのことをいいます。レバレッジ取引ができるのはFXのみです。FXで米ドル/円の通貨ペアを選択し、1ドル100円のときに1万米ドル注文するためには、本来100万円の資金が必要です。しかし仮にレバレッジを25倍にとした場合、4万円の資金で100万円分の取引が可能です。

一方、バイナリーオプションはレバレッジがありません。

スワップポイントの有無

スワップポイントとは金利差調整分のことで、2つの通貨間の金利差から得られる利益のことです。スワップポイントが得られるのはFXのみで、バイナリーオプションにはありません。

スワップポイントはFXの通貨ペアのうち、金利が高いほう通貨を買い、金利が低いほうの通貨を購入すると、ポジションを保有している期間中ほぼ毎日のようにスワップポイントが得られます。

利益と損失の決まり方

FXは決済のタイミングによって損益額が変動します。例えば米ドル円の通貨ペアで、1ドル100円のときに1万通貨の買いポジションを持っている場合、円安で1ドル101円のときに決済すれば利益は1万円です。さらに円安となり102円のときに決済すれば利益は2万円になります。逆に1円円高になり、99円のときに決済すると損失は1万円、98円のときに決済すれば損失は2万円です。

一方、バイナリーオプションはオプション購入時点で、利益額はペイアウト分、損失額はオプション購入代金に限定されています。米ドル/円の通貨ペアでオプション注文した後、どれだけ円安あるいは円高になったとしても、利益額はペイアウト分、損失額はオプション購入代金となります。

FXとバイナリーオプションのメリット・デメリット比較

FXとバイナリーオプションのメリット・デメリットをまとめると、以下の通りです。FXは決済のタイミングを自身で選べるため、スワップポイント狙いの長期投資が可能な反面、為替レートの値動きが少ないと利益が狙いにくい傾向があります。

一方バイナリーオプションは、予想通りの値動きをしたか・しなかったかで損益が決まるため、為替レートの値動きが少なくても利益が狙えますが、満期時に決済されるため長期でコツコツ投資をするトレード手法は使えません。

FXバイナリーオプション
メリット・決済タイミングが選べる
・レバレッジをかけて大きな利益が狙える
・スワップポイント狙いの長期投資が可能
・選択肢が予想通りの値動きをしたか・しなかったかの二者択一でシンプルな取引
・1口あたりの損失が限定されている
・値動きが少なくても利益が狙える
デメリット・レバレッジをかけて大きな損失を被る場合がある
・為替レートの値動きが少ないと利益が狙いにくい
・決済タイミングを選べる余地がまったくないか、少ない
・レバレッジやスワップポイントがない
・1口あたりの利益はあまり大きくならない可能性がある
・長期投資ができない

FXとバイナリーオプションに向いている人の特徴

FXとバイナリーオプションのどちらが自身に合っているか、迷うかもしれません。先に紹介したFXとバイナリーオプションのメリットとデメリットをふまえて、それぞれに向いている人の特徴を紹介します。

FXに向いている人の特徴

FXはレバレッジをかけられるため、少ない自己資金で大きな利益が狙えるため、大きな利益を狙いたい人は、FXに向いています。スワップポイントが狙えるため、長期保有して少しずつスワップポイントを獲得していくトレードをしたい人にもおすすめです。

またFXはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて自動的に売買が繰り返される自動売買システムを用意しているFX会社もあります。自動売買システムを使ったトレードは、仕事や子育てで忙しく、常にFXのトレード画面に向き合っている時間がない人に向いています。

バイナリーオプションに向いている人の特徴

バイナリーオプションはオプションを購入した後、満期を迎えれば自動的に決済されるため、一旦購入すれば画面を見ている必要がありません。しかし決済後はオプションがなくなるうえ、バイナリーオプションは開始から満期まで2時間としている場合が多いため、コツコツと利益を積み重ねていきたい人は、定期的にオプションを注文する必要があります。実質、トレード画面を頻繁に確認することになるでしょう。

バイナリーオプションも自動売買がありますが、原則、自動売買システムを使ったバイナリーオプション取引は禁止されています。大手FX会社が提供している場合、それはあくまでも将来の価格を予想・分析するためのツールで、自動的に注文まで行うものではない点に注意が必要です。

自動売買ができないバイナリーオプションは、ゆっくりトレードする時間を確保できる人に向いているトレード手法です。

またバイナリーオプションは、為替レートが目標レートを上回っているか下回っているか?あるいは、目標レンジの範囲内か範囲外かを予想するシンプルな取引のため、投資初心者やFX初心者に向いています。

まとめ

バイナリーオプションは、将来の為替レートを予測して利益を狙うという点でFXと共通していますが、決済タイミングを選べる余地が限定的、レバレッジやスワップポイントがない、利益・損失額があらかじめ決まっているという違いがあります。

またバイナリーオプションは原則、自動売買が禁止されているため、トレード画面と向き合ってトレードできる時間を確保できる人に向いています。そのため仕事や子育てなどで忙しい人は、自動売買を活用したFXトレードがおすすめです。

インヴァスト証券の「トライオートFX 」はあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・継続的にトレードが繰り返されます。トレードルールは自身で設定する必要はなく、すでに用意されたトレードルールのなかから選ぶだけですぐに始めることもできます。

自動売買はAIを活用したものもあります。インヴァスト証券の「マイメイト」は、エージェントと呼ばれるキャラクターが過去のトレードを学習し、その内容を将来のトレードに反映させ、常に学習を継続します。すでに有名トレーダーやストラテジストが運用しているエージェントがそのまま利用可能です。