FXで資産運用するメリット・デメリットは?向いている人の特徴も

資産運用にはFXや円預金、株式投資、投資信託などさまざまな方法があります。この記事ではFXによる資産運用に着目して、FXで資産運用を行うメリット・デメリット、その他の金融商品との違いについて解説しています。またFXでの資産運用に向いている人、向いていない人の特徴についても紹介しているため、これからFXで資産運用をしていこうと考えている人、良い資産運用方法を探している人は参考にしてください。

FXとはどのような資産運用の方法?

FXとはForeign Exchange(外国為替証拠金取引)を略した言葉で、二国間の通貨を売買して利益を狙う資産運用方法のことをいいます。

例えば米ドル円の通貨ペアで、100万円を元手に1ドル100円のときに1万ドルを購入。円安で110円になったタイミングで円に売却すると110万円となり、通貨の売買によって10万円の利益が出たことになります。

また二国間の金利差から生じる、スワップポイントを狙う方法もあります。スワップポイントとは通貨ペアのうち金利が高いほうの通貨を購入、金利が低いほうの通貨を売却し、そのポジションを保有することで得られる利益のことです。

米ドル円の通貨ペアの場合、2024年1月時点ではドルのほうが金利が高いため、ドル買い円売りのポジションを保有し続けることで、保有期間に応じたスワップポイントが受け取れます。

ギャンブルとの違い

FXはギャンブルではありません。ギャンブルは運に依存しているため、初心者でも利益が出る可能性がありますが、どんなに勉強しても勝率が上がることはありません。

一方、FXは経済指標やチャートの値動きなどの動きを勉強して、知識や経験を積むほど勝率が上がり、利益が狙える確率が高まります。

しかし同じFXトレードでも、何の根拠もなくやみくもに取引をしていてはギャンブルと変わりません。FXがギャンブルにならないように、各国の金利や経済情勢、チャートの読み方といった知識を身に付けて取引にのぞむことが大切です。

FXで資産運用を行うメリット

資産運用はFX以外にもさまざまな方法があります。各金融商品で資産運用を行うメリットは次の表の通りです。

資産運用の種類メリット
FX・上昇・下落どちらでも利益が狙える
・ほぼ毎日のようにスワップポイントを獲得できる
・少額から取引できる
・下落局面でも利益を狙える
円預金・元本割れするリスクが極めて少ない
・(普通預金の場合)いつでもお金を引き出せる
株式投資・売買益が狙える
・企業からの配当金が狙える
・株主優待をもらえることがある
債券・定期的な利子収入が狙える
・途中売却により利益が狙える
投資信託・分散投資によりリスクを抑えた投資ができる
・運用は投資のプロが行うため初心者でも取り組みやすい
・途中売却で利益が狙える
不動産投資・安定した家賃収入が得られる
・手元資金が少なくてもローンを利用して、安定した家賃収入が狙える
・節税になる場合がある

以下より、FXのメリットについて詳しく紹介します。

円高・円安どちらでも利益が狙える

現物の株式投資や、投資信託といった資産運用は一般的に価額が上がらなければ売買益が得られません。しかしFXは取引している通貨が上昇しているとき、下落しているときどちらでも利益が狙えます。

例えば米ドル円の通貨ペアで取引をする場合、円高局面では売り、円安局面では買いから取引を始めることで利益が狙えます。

ほぼ毎日のようにスワップポイントを獲得できる

スワップポイントは通貨ペアのうち、金利が高いほうの通貨を購入し、金利が低いほうの通貨を売却して金利差がプラスの状態であれば、ポジションを保有したまま営業日を持ち越すだけでほぼ毎日のように受け取れます。

ただし高金利通貨を売却、低金利通貨を購入して金利差がマイナスの状態で保有すると、スワップポイントを支払うことになるため注意が必要です。

少額から取引できる

FXはレバレッジをかけられるため、少額でも取引ができます。レバレッジとは少ない資金で大きな取引ができる仕組みのことで、国内のFX会社は最大25倍までレバレッジを設定可能です。

1ドル100円のときに1万ドルを購入する場合、本来100万円の元手が必要ですが、レバレッジ25倍に設定すれば4万円の元手で購入ができます。

このとき仮に円安で101円になれば、101万円に増えるため4万円の元手で1万円の利益が出ることになります。しかし1円円高になれば4万円の元手で1万円の損失が生じることにもなるため注意が必要です。

下落局面でも利益を狙える

株の現物取引で売買益を狙う場合、株価が購入時よりも上昇しなければ売買益が生まれません。しかしFXは買いポジションを保有することにより上昇局面で利益が狙える一方、売りポジションを保有することで、相場の下落局面でも利益を狙うことができます。

FXで資産運用を行うデメリット

各金融商品で資産運用を行うデメリットは次の表の通りです。

資産運用の種類デメリット
FX・価格変動が激しい
・入金額以上の損失が出る場合がある
円預金・金利が低く大きく資産を増やすことは難しい
・インフレリスクがある
株式投資・株価暴落で大きな損失を被ることがある
・企業の業績などの影響で、必ず配当金や株主優待が受け取れるとは限らない
・投資先が破綻するリスクがある
債券・途中売却により売却損が出ることがある
・国や会社、地方自治体などの発行体の破綻により、元本や利子が支払不能になることがある
投資信託・信託報酬や信託財産留保額などの手数料がかかる
・途中売却により損失が発生することがある
不動産投資・空室リスクがある
・火事や自然災害などで所有物件が損害を受ける可能性がある
・入居者からのクレームや入居者同士のトラブルに対処する必要がある

以下、FXのデメリットについて詳しく紹介します。

価格変動が激しい

FXは資産運用のなかでも価格変動が激しい部類に入ります。価格変動が激しい金融商品は、大きな利益が狙える可能性もありますが、下落したときの損失も大きくなります。

資産運用では損失が出ても決済をしない限りは「含み損」という状態であり、実際の損失とはなりません。しかし「いつか価格が戻るかもしれない」という根拠のない期待で含み損を抱え続けると、さらに損失を拡大させてしまう可能性があります。

自身の予想と反する方向に動いた場合、どこまで含み損が出たら損失確定をするか?いわゆる「損切り」ラインを新規注文前に、あらかじめ決めておくことが大切です。

レバレッジをかけると大きな損失が出る場合がある

元手が100万円ありレバレッジ1倍で取引をする場合、1ドル100円であれば1万ドルを購入できます。この場合、仮に1円円高になると損失額は1万円です。

またレバレッジを25倍にすると100万円分の元手で2,500万円分の取引ができるため、25万ドルを購入できます。この場合、仮に1円円高になっただけで25万円の損失が発生します。

このようにレバレッジを大きくすると損失が出た場合の金額が大きくなるため、FX初心者が取引をする場合、レバレッジは1~3倍にとどめておきましょう。また損失が出ても生活費まで取り崩すことのないよう、資産運用は余剰資金で行うことが大切です。余剰資金がない人は、日々の家計などを見直して、資産運用をするための余剰資金を生み出すよう心がけましょう。

「FXはやめとけ」と言われる理由

FXを始めるために調べていると、「FXはやめとけ」と言われる意見を見かけることがあるかもしれません。「FXはやめとけ」と言われる理由はさまざまですが、主に以下のような内容が挙げられます。

  • 24時間価格が変動するため、精神的負担が大きい
  • FXはギャンブルだと思われている
  • 大きな損失が出る

24時間価格が変動することによる精神的な負担については、あらかじめ定めたトレードルールに基づいて新規注文や決済を行うFX自動売買を利用すれば解消できる可能性があります。「仮に含み損を抱えていても、○○時を過ぎたらポジションをすべて決済してFXトレードはしない」といった自分なりのトレードルールを決めるだけでも、精神的な負担は減らせるでしょう。

また先に述べた通り、FXはギャンブルではありません。FXに関連する知識や経験を積み重ねることで、ある程度勝率を上げることはできます。大きな損失を避けたいときは、あらかじめ損切ラインを決めておくことが大切です。

FXでの資産運用が向いている人の特徴

FXでの資産運用は、「絶えず勉強を続けることができる人」や「自己管理能力が高い人」が向いています。

為替相場は各国中央銀行の政策や世界経済、地政学リスクなど多くの要因で変動します。FXや為替相場に関する基本的な知識の他、日々の経済ニュースにも目を通すことも必要になるため、日々勉強することが苦にならない人が向いています。

またFXは大きな損失を出さないために、「損切ラインを決める」「利益確定ラインを決める」「○○円損失が発生したらその日はもうトレードをしない」など自身でトレードルールを決める必要性が生じることがあります。こうした自身で決めたルールを守ることができる人、つまり自己管理能力が高い人がFXでの資産運用に向いています。

FXでの資産運用が向いていない人の特徴

「短期間で大きく増やしたい人」や「余剰資金がない人」はFXでの資産運用は向いていません。

FXはデイトレードなど、短期間で大きく資産を増やせる運用方法というイメージを持っている人もいるでしょう。しかし短期で大きな利益が出る可能性があるということは、短期間で大きな損失が出る可能性もあることを理解しておく必要があります。

また生活費をFXに費やすと、損失が出た場合に家計に支障を来してしまいます。直近の生活費を取り戻すために、やむを得ずリスクが高い短期トレードを始めて、さらに損失を拡大させてしまう可能性もあるため、余剰資金がない人はFXに向いていません。

まとめ

FXはスワップポイントを受け取れる、少額で取引が可能といったメリットがありますが、資産運用方法のなかでも価格変動が大きく、リスクが大きい傾向があります。FXで資産運用をするときは短期的に大きな利益を狙うのではなく、まずは少額から少しずつ勉強しながらトレードの勝率を上げていくことから始めていきましょう。

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またAIを活用した自動売買もあります。「マイメイト」はエージェントというキャラクターが過去の取引を学習して、以降のトレードに学習内容を反映。過去の実績などを確認して、高いパフォーマンスを出しているエージェントを選んで自動売買を始められます。