まだ初心者なので、リスクを抑えてFXをしたい。そのようなときは1,000通貨でのFX取引がおすすめです。この記事では1,000通貨でFX取引をするメリット・デメリットの他、1,000通貨で取引をして月5万円の利益を狙うポイントについて解説しています。FX初心者や、リスクを抑えてFX取引をしたい人はぜひ最後までお読みください。
FXにおける1,000通貨とは
FXにおける1,000通貨とは、FX取引をする際の通貨量を表します。
例えば1ドル130円のときに1,000通貨を取引する場合、13万円分の取引をしていることを指します。1万通貨なら取引額は130万円、10万通貨なら1,300万円です。
通貨とLotの関係性
Lot(ロット)とは最小取引単位のことを指します。最小取引単位はFX会社ごとに決まっており、1,000通貨単位で取引できるところもあれば、1万通貨からとしているFX会社もあります。
なおインヴァスト証券の「トライオートFX」は1Lot=1,000通貨から取引が可能です(南アフリカランド/円の通貨ペアのみ1Lot=1万通貨から)。
FXの1,000通貨の取引に必要な証拠金はいくら?
1,000通貨の取引をする際、どれくらいの証拠金が必要か計算してみましょう。必要証拠金は以下の計算式で計算します。
基準レート×取引数量×保証金率=必要証拠金 |
FXでは取引数量に対して、一定割合以上の証拠金を預けておかなければなりません。この割合のことを保証金率(証拠金率)と言います。一般的に国内のFX会社は保証金率4%までの取引が可能です。
上記計算式より、1ドル130円で1,000通貨を取引するために必要な証拠金は、130円×1,000×4%=5,200円と計算できます。
FXで1,000通貨で取引するメリット
FXで1,000通貨で取引をすると、損失を抑えて取引ができるメリットがあります。そのため1,000通貨での取引は、FX初心者に向いているトレード手法と言えるでしょう。なぜFXで1,000通貨での取引が初心者向けなのか?理由を解説します。
損失を抑えられる
例えば米ドル円の通貨ペアで取引をしていて、1ドルの値動きがあり損失を被った場合、1,000通貨で取引していた場合と、1万通貨で取引をした場合とでは、同じ1ドルの値動きでも損失額が変わります。
1ドル130円で取引をしたケースで、どれだけ損失額が変わるか具体的に見てみましょう。
なお米ドル円における1pipsとは0.01円の値動きを指します。10pipsは0.1円、100pipsなら1円値動きしたことになります。
値幅 | 1,000通貨の取引の損失 | 10,000通貨の取引の損失 |
1pips | 10円 | 100円 |
10 pips | 100円 | 1,000円 |
50 pips | 500円 | 5,000円 |
100 pips | 1,000円 | 10,000円 |
300 pips | 3,000円 | 30,000円 |
500 pips | 5,000円 | 50,000円 |
1,000 pips | 10,000円 | 100,000円 |
上記の表より、取引する通貨量が多いほど、1pipsあたりの損失が大きくなることがお分かりいただけるでしょう。
1,000通貨で取引をすれば損失を抑えられるため、FX取引による失敗が生活に影響を及ぼすといったリスクが少なくなります。
また損失を抑えられるので、精神的にも余裕を持ったトレードができるようになるでしょう。精神的に余裕がないトレードをすると、冷静な判断ができなくなり、かえって損失を拡大させたり、不安から勤務先でミスをしたりするなど悪循環に陥りがちです。
初心者でも経験を積みやすい
1,000通貨での取引なら、少ない必要証拠金で1つのポジションを保有できます。そのため複数のポジションを保有しやすくなり、初心者でも多くの実戦トレードを経験できます。
トレード経験を積むだけなら、FX会社が用意しているでもトレードを活用する方法もありますが、すべてのFX会社がデモトレードを用意しているとは限りません。
またデモトレードは実際の自己資金を使うわけではないため、人によっては緊張感が欠けてしまい、トレード経験に結びつかないかもしれません。
FXで1,000通貨で取引するデメリット
1,000通貨での取引は損失を抑えられるメリットがありますが、裏を返せば利益を出しにくいためデメリットにもなり得ます。
仮に米ドル円の通貨ペアで、1ドル130円のときに100pipsの利益が出た場合、変動幅は1円です。10,000通貨で取引をしていれば10,000円の利益が得られるところ、1,000通貨なら1,000円の利益になってしまいます。
初心者がFXの1,000通貨の取引で月5万円を稼ぐポイント
1トレード当たりの利益額が小さいため、1,000通貨の取引でFX初心者が月5万円を狙うのは簡単ではありません。しかし以下のポイントを踏まえて取引をすることで月5万円を狙うことは可能です。
- 取引のマイルールを設定する
- 相場が動きやすい時間帯に取引する
- スプレッドの狭い会社を選ぶ
- 通貨量を増やす
- 値動きの大きい通貨ペアでトレードする
各ポイントについて詳しく解説します。
取引のマイルールを設定する
FXで新規注文をする前に、自分自身でトレードのルールを決めておくことが大切です。これを「マイルール」と言います。
マイルールを決めておかないと、含み益が出ているときに「もう少し上がるかもしれない」と思っていたところ、反転して損失になってしまった。含み損が出ているときに「いつか価格が戻るかもしれない」と思っていたところ、さらに損失が拡大してしまったということが起こり得ます。
新規注文後、予想に反した値動きをしたら一旦、決済をする。含み益が出たら深追いせずに、一旦、利益確定をするといったマイルールを決めることで、1度のトレードで大きな損失を被るリスクを減らせるでしょう。
実際のマイルールは以下の例のように、より具体的に決めておきます。あくまでも一例ですが、参考にしてください。
- 含み損が100pipsになったら損切りする
- 含み益が100pipsになったら利益確定する
- 1日に3,000円利益(3,000円の損失)が出たらその日はトレードをしない
- ポジションは翌日に持ち越さない
- レバレッジは3倍まで
相場が動きやすい時間帯に取引する
FXはほぼ24時間トレードができますが、時間帯によってはあまり為替レートが動かず、利益を出しにくい時間帯があります。効率よく利益を狙うために、以下のような相場が動きやすい時間帯で取引しましょう。
相場が動きやすい時間帯(日本時間) | 理由 |
8時00分〜10時00分 | 東京市場がスタートする時間帯です。特に9時頃から金融機関が外国為替取引をする際の基準となる「仲値」が発表される9時55分までは取引が活発になります。10時になると値動きが落ち着く傾向があります。 |
16時00分〜26時00分 | 世界全体の4割近い取引量を占めるロンドン市場が始まる時間帯です。市場参加者が急激に増加するため、ユーロやポンドを含む通貨ペアを中心に、為替レートの値動きが大きくなり始めます。 |
22時00分〜5時00分 | ニューヨーク市場が始まる時間帯です。ロンドン市場と重なる時間帯は、1日のなかでも最も活発に取引が行われる時間帯です。 |
スプレッドの狭い会社を選ぶ
スプレッドとはFXにおける実質的な取引コストにあたり、新規注文や決済をするたびに負担する必要があります。
1取引あたりのスプレッドは少額なので、大きな負担に感じないかもしれません。しかし1,000通貨での取引は1回あたりのトレードで狙える利益が小さい傾向があるため、何度も取引をしなければ月5万円を狙うのは難しいでしょう。
取引回数が増えれば負担するスプレッドも増えるため、月5万円を狙うときは、極力スプレッドが狭い(安い)FX会社を選びましょう。スプレッドは各FX会社のホームページで確認できます。
通貨量を増やす
米ドル/円で1,000通貨の取引で月5万円を狙うには、5,000pipsつまり50円の値動きがなければなりません。仮に月20日トレードをすると想定した場合、1日あたり2.5円の値動きが必要です。
米ドル/円の通貨ペアで1日2.5円の値動きがあるケースはあまりありません。また取引回数を増やして、1日250pipsの利益を狙うのもかなりハードルが高いでしょう。初心者であればなおさらです。
このように通貨ペアによっては月に5万円の利益を狙うのは難しいため、その場合は通貨量を増やすことも検討しましょう。
10,000通貨で取引をすれば、月に500pips、月に20日トレードすると想定した場合、1日あたり25銭値動きすれば月5万円が狙えます。
値動きの大きい通貨ペアでトレードする
通貨量を増やさずに、1,000通貨で月5万円を狙いたいときは、値動きが大きい通貨ペアを選ぶという方法もあります。
代表的な通貨ぺアとしては、英ポンド/円が挙げられます。どちらも取引通貨量が多い通貨のため、スプレッドが比較的狭く、取引コストも抑えられるでしょう。
ただし値動きが大きいということは、それだけ損失も大きくなる可能性があります。大きな損失にならないうちに、早めの損切りを心がけましょう。
FX初心者には自動売買ツールの活用がおすすめ
FX初心者は経験不足のため、トレードの勝率が低い傾向あります。1,000通貨の取引は、小さな利益を積み重ねていかなければ5万円に届かない可能性が高いため、自動売買ツールの活用もおすすめです。
自動売買ツールとは、あらかじめトレードルールを設定しておけば、それに基づいて自動的・機械的に売買が繰り返されるツールのことです。自動売買ツールを利用すれば常にFX画面を見ている必要がなく、仕事中でも寝ているときでも、要件を満たせば売買が自動的に行われます。
FX会社によっては、1からトレードルールを設定しなくても、あらかじめ用意されているなかから選ぶだけで始められる自動売買ツールもあるため、FX初心者におすすめです。
まとめ
1,000通貨など小さい取引単位でのFX取引は、損失が抑えられるためFX初心者におすすめです。しかし大きな利益を狙うことも難しいため、月5万円などFXである程度の成果を出したい人は、ポイントを押さえたトレードをすることが大切です。
またFX初心者は自動売買の活用もおすすめです。インヴァスト証券の「トライオートFX」は、あらかじめ用意されたトレードルールから自身にあったものを選ぶだけで始められます。
さらに自動売買のなかにはAIを活用したものもあります。「マイメイト」はエージェントというAIに過去のトレードを学習させ、その学習内容を今後のトレードに反映させる自動売買システムです。学習はトレード開始後も継続的に行われます。
マイメイトもすでにトレードルールが設定されたエージェントを自身で選ぶだけで、自動売買を始められます。