4月23日はフランス大統領選 株・為替はどうなる?

インヴァスト証券の山口です。

週末4月23日にフランスの大統領選がおこなわれます。

仏大統領選の結果如何によっては為替も株も大きく動く可能性があり、大変注目されています。

何故かというと、ざっくりといえば次のようなロジックです。
・この大統領選の結果によっては、フランスもイギリスのようにEUを離脱しうる
・イギリスの国民投票ではEU離脱という結果を受け、為替・株式が乱高下した
・フランスのEU離脱の可能性が高まると為替・株式が乱高下する

それでは、まず、何故、大統領選の結果でフランスもEUを離脱しうるのかですが、それは支持率の高い候補者のうちマリーヌ・ル・ペン氏とジャン=リュック・メランション氏の2名がEU離脱や反EUを掲げているからです。

フランスの大統領選立候補者は全部で11名で、そのうち次の4名が次期大統領として有望と見られています。

※現オランド大統領の後継となるのはブノワ・アモン氏

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ちなみに、上記4名+現オランド大統領の後継者のアモン氏の世論調査による支持率は以下のとおりです。

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フランス大統領選挙は4月23日に1ラウンド目がおこなわれ、過半数の支持を獲得した候補者が大統領となりますが、1ラウンド目で過半数の支持を集められない場合、上位2候補者で5月7日に決戦投票がおこなわれ大統領が決まります。

現在の支持率から見れば、4月23日の第1ラウンドでこれらの候補者のうち過半数の支持を集められる候補者はまずいないと考えられます。

では、第1ラウンドはどのような結果が見込まれマーケットのセンチメントがどうなりそうかを可能性の高い順に表にすると次のような組み合わせになるでしょう。

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現在のマーケットは、メインシナリオは第1ラウンドは「マクロン・ルペン」で考えているとすれば、2行目以下の組み合わせがサブシナリオ(リスクシナリオ)で、上記表の下に行くほどマーケットにとってはサプライズとなり値動きも大きくなりやすいと考えられます。

しかし、フランスのEU離脱懸念の後退や高まりという観点から言えば、上から2番目の「マクロン・フィオン」と5番目の「ルペン・メランション」の組み合わせが最もマーケットへのインパクトが高いと考えられます。
(株式市場はユーロストックス50やCAC40指数、DAXなどを想定)

 

なお、昨年6月のイギリスのEU離脱の是非を問う国民投票の結果を受け英国のFTSE100と英ポンド/米ドル、また、日経平均と米ドル/円、更にユーロ/ドル、ユーロ/ポンド以下のような変動となりました。(23日から24日までの最高値=最大値と最安値=最小値で算出)

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もし仮に、今回の結果がメインシナリオ(上記の表では1行目)以外で、マーケットにとってサプライズ(上記の表では2・5行目)となる場合には、月曜日の寄り付きのマーケットは金曜日の終値から5%から10%程度、ギャップを空けて始まる可能性もあるということです。

 

ちなみに、EU(イギリスを含む)におけるフランスのプレゼンスは、
人口:13.1%(EU内2位)
GDP[%]:14.9%(同3位)
EUへの拠出金:16.8%(同2位)
EU議会の議席数:74名/751名(2位)
と、EU内ではドイツに次いで2位から3位程度というイメージです。

週明けのリスクに備えたポジションメイクをしておきましょう。