昨晩は、ドル買いが優勢となったが、強いと想定される米雇用統計を前に、ショートカバーが強まった可能性もあり、本日はこの結果次第も、巻き戻しの動きも想定されるので、慎重に対応したい。
本日の経済指標としては、NZ第2四半期輸入・輸出価格、独7月貿易収支、スイス第2四半期非農業部門雇用者数、ユーロ圏7月卸売物価指数、加第2四半期労働生産性指数、米国では、8月雇用統計、7月製造業新規受注や耐久財受注・改定値などが発表される。
注目はやはり米雇用統計となるが、 8月非農業部門雇用者数は、前回+52.8万人に対して予想は+29万人となっている。あくまで予想比の結果が焦点となるが、直近発表されたADP全米雇用報告の結果は、予想+30万人に対して、結果は+13.2万人となっている。特にこのADP全米雇用報告は、3か月ぶりの発表で、算出方法の修正が行われている。これは穿った意見となるが、過去ADPと米労務省のNFPの数値には乖離が指摘されており、今回の修正での同調性を高めている可能性があれば、今夜の8月非農業部門雇用者数が、ADPの結果通りの+10万人台に落ち込む可能性があるかもしれない。それであっても、米雇用環境は良好であり、市場にショックは走らないと思うが、少なくとも結果を受けた一時的なドル売りには注意しておきたい。
その他は特別なことはなく、米株価や長期金利を睨んで、週末のポジション調整の動きが注意となるが、英国の保守党党首選に関しては、投票が締め切られ、5日月曜日の結果が発表される。現状優勢が伝えられるトラス外相が勝利した場合、ポンド相場にマイナスとの意見が主流となっているが、既にそういった面が織り込まれている可能性があり、来週は結果を受けたポンド相場の巻き戻しの可能性に注目したい。
為替の戦略としては、ドル円は、140円台を買う気はせず、基本は買いはあくまで深押し待ちだが、米雇用統計が出るまでは、一応揉み合いが想定されることで、しっかりと利食いながらの対応となる。ただ、ベンチャー気味には140.50越えをストップに、上がったところは売りを狙ってみたいが、現状139円が維持されると利食いとなる。
ユーロドルは、昨晩はまたぞろ弱く0.99トライも4度目となり、若干このレベルが買いづらくなってきた。今日は買いは様子見から、あくまで吹き値売りで対応したい。ストップは、1.0079や90越えで、十分上昇したところで売りを狙って、下値は0.99を前に下げ渋りでは、軽く利食いながらの対応。一方買いは、今後0.99ミドルを維持するような、下値の切り上がりがあれば検討する形。0.99を割れるなら止めて、再度0.96に向けての下落では、慎重に超長期目線で買い場を探したい。ポンドドルも安値圏で上値は重く、吹けば売り狙いで、ストップは1.1596、1.1654、1.17越えなどの順次置いて検討する形。一方買いは、来週の英保守党代表戦を睨むなら、慎重に買い場探し。1.15を守れればこの手前だが、割れるなら止めて、1.14ミドル、1.14などは、月足のトリプル・ボトム狙いで、長期的目線で買い場を探したい。
一方クロス円は、まちまちの動きが続いているが、雇用統計でストレートが荒れる日は、あくまで深押しの買いや吹き値があれば売りと、大きめの動きが出て場合だけ、逆張りで臨んで反発ではしっかりと利食いながら対応したい。