昨晩の海外

 昨晩の海外市場は、ニュースのヘッドラインでポンド相場が荒れた展開となった。米経済指標としては、弱い9月小売売上高がドルを一時圧迫したが、10月NAHB住宅市場指数は予想を上回り、影響は限定された。NYダウは、一時の181ドル安からプラス33ドル高まで値を戻すも、大きな展開となっていない。
 米中通商協議に関しては、トランプ大統領が、米中通商合意文書について、「作成中としながらも、署名は習近平・中国国家主席と会談するまではしない」との考えを示した。米中首脳会談は11月16-17日にチリで開かれるAEC首脳会議に合わせて行われるとみられているが、昨日に米下院で可決された「香港人権・民主主義法案」に対して、中国が強く反発していることで、米中関係が再び悪化する懸念が相場の上値を抑えている。
 ポンドドルは、「EUは、英国が動かない限り離脱合意は不可能と認識」との報道を受けて、1.2656まで下落後、トゥスクEU大統領が「7-8時間以内に英国のEU離脱がいつになるか分かるだろう」と述べ、ジョンソン英首相、マクロン仏大統領やメルケル独首相が、ブレグジット合意が間近なことを示唆したことで、1.2877まで上昇、ただ英政府筋の話として「本日のブレグジット合意はない」と伝わり上値を抑えられた。ユーロドルは、ユーロ圏9月消費者物価指数の改定値が、速報から下方修正されたが反応は限られ、ポンドにつれる形で、1.1023から1.1085まで反発、ドル円は、弱い米小売売上高を受けて108.57まで売りに押されたが、その後108.85まで反発した。
 一方クロス円では、ユーロ円が119.80から120.47、ポンド円は137.52から140.08、オージー円は73.04から73.57、NZD円が67.85から68.43まで反発、カナダ円は、加9月消費者物価指数が弱かったことで82.02まで下落後、82.46まで反発した。