昨晩の海外

 昨晩の海外市場は、米中通商交渉に絡んだ報道で、荒れた展開となった。ロンドン時間に、「中国は米国による中国企業の禁輸措置に対して内政干渉だと批判」、「米中通商交渉でワシントンに滞在している中国の代表団が、滞在を短縮する計画をしている」との報道を受けて、リスク・オフ・ムードが一時強まったが、その後パウエルFRB議長が、「FRBは適切に行動する」、「中長期的に準備供給を拡大する措置を近く発表する」と述べたことで、巻き戻しが出るも、「米政府は中国の新疆ウイグル自治区でウイグル人弾圧に関与した中国当局者へのビザ発行を停止する」との報道で再びリスクオフが強まる形で引けた。経済指標としては、米9月生産者物価指数が弱く、NYダウは、338ドル安から102ドル高まで反発後、再びマイナス圏に落ち込んだ。 

 ドル円は106.81を安値に、パウエルFRB議長の「準備供給拡大と量的緩和を混同しないように。これは技術的な問題」との発言を受けて107.30まで一時反発したが、総じてもみ合いの展開。ユーロドルは1.0941まで下落、ポンドドルもメルケル独首相がジョンソン英首相に、「北アイルランドが関税同盟に残らない限り、絶対にブレグジット締結は無理だ」と電話会談で伝えたと報じられたこと、ジョンソン英首相も「EU離脱合意は本質的に不可能だ」と述べたことで1.2196まで売り押された。

 一方クロス円では、ユーロ円が117.13、ポンド円が130.44、オージー円が71.94、NZD円は67.31まで下落、カナダ円は80.54まで一時反発した。