FXの基本的なやり方をわかりやすく解説|失敗しないためのポイントも

FXを実際に始めたい場合、具体的に何をすれば良いのでしょうか?FX会社選びに失敗すると、思ったように利益が出ない、必要な情報が得られないなどトレードに支障が出るかもしれません。この記事では、これからFXを始めてみたい人向けに、基本的なFXのやり方や、FXトレードで失敗しないためのポイントについて解説しています。

FXの基本的なやり方

FXは基本的に以下の手順で進めていきます。

  1. FX会社を選ぶ
  2. 口座を開設する
  3. 入金する
  4. 通貨ペアを決める
  5. 新規注文を行う
  6. 決済注文を行う

FXを始めるときは、まず自身に合ったFX会社を選んで、FX専用口座の開設をしましょう。次に、開設した口座に保証金を入金。入金した保証金で取引をしたい通貨ペアを選択して、新規注文をすることでポジションを保有し、保有しているポジションを決済すれば損益が確定します。

以下、各手順のポイントについて解説します。

FX会社の選び方

FXを始めるには、まず自身に合ったFX会社を選びましょう。いい加減に選んでしまうと、後からより自分に合ったFX会社が見つかったときに、再度口座開設をしなければなりません。その間に取引チャンスを逃してしまう可能性もあるため、最初の口座開設選びは大変重要なプロセスと言えます。

FX初心者がFX会社を選ぶときに、確認しておきたいポイントは以下の通りです。

  • 少額から取引できるところを選ぶ
  • スプレッドが狭いところを選ぶ
  • 取引ツールが使いやすいところを選ぶ
  • 約定力が高いところを選ぶ

各ポイントについて詳しく解説します。

少額から取引できるところを選ぶ

初心者は、少額で取引ができるFX会社を選びましょう。初心者はトレードで失敗する確率が高いため、1万通貨など大きな通貨単位でしか取引できないと、為替変動による損失額が相対的に大きくなる可能性があります。

例えば米ドル/円で1ドル135円のときに1,000通貨を購入した場合、1円円高になったときの損失額は1,000円ですが、1万通貨を購入した場合の損失額は1万円になります。

通貨量1,000通貨1万通貨
1ドル135円のときに必要な保証金※13万5,000円135万円
1円円高になった場合の損失額1,000円1万円

※レバレッジは1倍とする

初心者は、1,000通貨以下で取引ができるFX会社がおすすめです。

スプレッドが狭いところを選ぶ

各通貨ペアの売値(Bid)と買値(Ask)の差をスプレッドと言います。例えば米ドル/円で売値が136.075円、買値が136.077円とすると、スプレッドは0.002円つまり0.2銭です。

この場合1ドルを136.077円で購入したとしても、売値が136.077を上回り136.078円にならなければ、FXでは売買益が得られません。つまりこの売値と買値は、FXにおける実質的な手数料と言えます。

仮に米ドル/円の売値が136.075円、買値が136.080円でスプレッドが0.5銭だとすると、売値が136.080円を上回り、136.081円にならなければ利益になりません。

【スプレッドが売買益に与える影響】

 売値買値売値がいくらになったら利益になる?
スプレッド0.2銭136.075円136.077円136.078円
スプレッド0.5銭136.080円136.081円

このようにスプレッドは狭いほうが利益を狙いやすいため、FX初心者はスプレッドが狭いFX会社を選びましょう。スプレッドはFX会社ごとに異なり、各FX会社は公式サイトで取り扱っている通貨ペアのスプレッドを公開しています。

取引ツールが使いやすいところを選ぶ

FXは絶えず為替レートが値動きしているため、素早く為替レートが確認できなければトレードチャンスを逃したり、決済判断が遅れて損失が拡大したりする可能性があります。

また為替や自身が保有している通貨に関する情報にアクセスがしにくいと、対策を立てるのが遅れてしまうかも知れません。ストレスなくトレードをするために、自身が使いやすい取引ツールを提供しているFX会社を選びましょう。

FXの取引ツールでは、一般的に以下のような機能が利用できます。

  • 売買および決済機能
  • 動画やブログなどFXに関するコンテンツの閲覧
  • ニュースやメルマガの閲覧
  • テクニカル分析ツール
  • 経済指標や要人発言などが発表される重要指標カレンダーの閲覧

ニュースやメルマガ、重要指標などはこちらからアクセスするのではなく、発表があるとお知らせが表示されるプッシュ型のものであれば、情報の見落としを防げるので便利です。

約定力が高いところを選ぶ

約定力とは、希望通りの為替レートで注文を成立できる能力のことを指します。

FXでは値段を指定せずに注文を入れる成行注文をした場合、注文価格と約定価格にスリッページというズレが生じることがあります。仮に希望よりも高い為替レートで約定してしまったり、低い為替レートで決済したりすると損失につながるため、約定力は重要な問題です。

注文した価格で約定した割合のことを約定率と言いますが、この約定率は、FX会社によっては公式サイトで公開しています。

口座の開設方法

FXを始めるには、FX専用の口座を作る必要があります。まずはFX会社所定の申し込むフォームに必要情報を入力。必要書類を提出し、FX会社の審査を受けます。審査で問題なければ口座開設が完了し、トレードができるようになります。

一般的に個人がFX専用口座を開設するためには、本人確認書類とマイナンバー確認書類が必要です。

【本人確認書類】
<1点で確認できるもの>

  • マイナンバーカード
  • 各種運転免許証
  • パスポート
  • 在留カード
  • 外国人登録証明書
  • 住民基本台帳カード

<2点で確認できるもの>

  • 各種健康保険証
  • 住民票
  • 年金手帳
  • 印鑑登録証明書

【マイナンバー確認書類】

  • マイナンバーカード
  • 通知カード
  • マイナンバー付き住民票の写し

マイナンバーカードは、本人確認書類とマイナンバーカード両方の役割があります。そのためマイナンバーカードがあれば、1点の必要書類だけで口座開設ができます。なおマイナンバー通知カードは本人確認書類として使用できないため、注意が必要です。

保証金の入金方法

FXを始めるときは、開設したFX口座に一定の資金を担保として預け入れなければなりません。この資金のことを保証金と言います。

FXは差金決済の仕組みを利用した取引です。差金決済とは、株式や通貨などの現物資産の受け渡しを行わず、決済時に売買で生じた損益のみ受け渡す取引のことを指します。

仮に米ドル/円の通貨ペアで1ドル130円のときに1,000通貨を購入するには、本来13万円の資金が必要です。しかし差金決済の仕組みにより、国内FXでは13万円の4%、つまり5,200円の保証金があれば取引ができます。

保証金の入金方法は、FX会社によって異なります。ここではインヴァスト証券「トライオートFX」の入金方法を紹介します。

即時入金サービスとは、インヴァスト証券と提携しているネットバンキングに口座があるときに利用できる入金方法。振込入金は銀行窓口・ATM・ネットバンキングから入金する方法。他サービスからの資金振替とはマイメイト・トライオートETFなど、インヴァスト証券の他のサービスの資金をトライオートFXに移す方法です。

即時入金サービスお振込入金他サービスからの資金振替
手数料無料振込手数料がかかる無料
入金方法トライオートの取引ツール機能、あるいはMyページの入出金サービスを通じて入金インヴァスト証券指定の振込入金専用口座宛に、各金融機関から振り込みMyページから手続きが可能

通貨ペアの選び方

FXは 二国間の通貨を交換することで利益を狙う投資手法です。この交換する二国間の通貨の組み合わせのことを、通貨ペアと言います。

各FX会社はさまざまな通貨ペアを用意していますが、FX初心者におすすめの通貨ペアは以下の通りです。

  • 米ドル/円(USD/JPY)
  • ユーロ/円(EUR/JPY)
  • ユーロ/米ドル(EUR/USD)
  • 英ポンド/円(GBP/JPY)

なぜこれらの通貨ペアがおすすめなのでしょうか?通貨ペアの選び方について、解説します。

メジャー通貨同士の通貨ペアを選ぶ

メジャー通貨とは各国の通貨のなかでも、取引量が多い通貨のことを指します。メジャー通貨は値動きが比較的安定しており、スプレッドが狭い傾向があるため、FX初心者でも取引がしやすい通貨と言えます。そのためFX初心者はメジャー通貨同士の通貨ペアを選びましょう。

代表的なメジャー通貨としては、次のようなものがあります。

  • 米ドル(USD)
  • ユーロ(EUR)
  • 円(JPY)
  • 英ポンド(GBP)
  • 豪ドル(AUD)
  • カナダドル(CAD)
  • ニュージーランドドル(NZD)

取引量の多い通貨ペアから選ぶ

取引量が多い通貨は流動性が高いため、FX初心者におすすめです。通貨の流動性が高い状態とは、その通貨の取引量や取引参加者が多いことを指します。

流動性が高いと市場参加者は買いたいときにすぐに買えて、売りたいときにすぐ売却できるため通貨の価格が安定します。また取引量が多い通貨は市場参加者が多いことから、通貨に関連する情報が多く、今後の動向が把握しやすいのです。

通貨の取引量は国際決済銀行(BIS)が3年に1度、外国為替及びデリバティブに関する中央銀行サーベイを実施し、発表しています。

スプレッドの狭い通貨ペアを選ぶ

スプレッドはFXにおける実質的な手数料にあたることから、狭いほうが利益が出しやすくなります。メジャー通貨はスプレッドが狭い傾向があるため、FX初心者はスプレッドの狭い通貨ペアを選びましょう。

FX会社は公式サイトで通貨ペアごとのスプレッドも公開しているので、取引をする前に確認しておきましょう。

新規注文の発注方法

取引をする通貨ペアが決まったら、いよいよ新規注文を出します。FXはさまざまな新規注文方法がありますが、FX初心者におすすめなのは、成行注文・指値注文・逆指値注文の3つです。

ここでは3つの注文方法について、詳しく解説します。

成行注文

値段を指定せずに現在の価格で注文する方法です。すぐに売買ができるため、トレードチャンスに即時に反応できるメリットがありますが、スリッページが生じることがあるため注意が必要です。

成行注文は新規注文のたびに自身で注文指示をするため、常にFX画面を見ながらトレードができるときにおすすめです。

指値注文

今よりも有利なレートを指定して注文する方法です。売りたい、あるいは買いたい価格を指定しておけば、自動的にその価格で売買が実行されるため、常にFX画面を見ることができないときにおすすめです。

逆指値注文

今よりも不利なレートを指定して注文する方法です。主に損切りなどで使用され、指値注文と同様、あらかじめ売買したい価格を指定しておけば、自動的にその価格で売買を実行します。

決済注文の発注方法

決済注文とは新規注文と反対の売買をして、損益を確定させることです。新規注文で買い注文をしたときは、売り注文で決済。売り注文で新規注文をしたときは、買い注文で決済をします。

FXは二つの通貨ペアを交換する取引ですが、買い注文とは右側の通貨を左側の通貨で交換すること。売り注文とは左側の通貨を右側の通貨に交換することです。

米ドル/円の通貨ペアの場合、買い注文は円を米ドルに購入することを指します。例えば新規注文を買いで注文した場合、1ドル135円のときに円を購入し、円安で136円になったタイミングで売却をすれば利益になります。

またFXは差金決済という仕組みの取引なので、売り注文から始めることも可能です。

米ドル/円の通貨ペアの場合、米ドルを円に交換する取引が売り注文にあたります。例えば新規注文を売りで注文する場合、1ドル135円のときに円を売却し、円高で134円になったタイミングで買い戻しをすれば利益になります。

初心者がFX取引で失敗しないためのポイント

FX初心者のうちは、まだトレードの勝率が低いかもしれません。FX取引で失敗しないためには、損切りラインを決め、低レバレッジから取引を始めることで、大きな損失を回避することが大切です。

初心者がFX取引で失敗しないためのポイントについて、詳しく紹介します。

損切りラインを決めておく

損切りラインとは、自身の想定とは異なる方向に為替レートが動いたときに、損失の拡大を防ぐ目的で損失を覚悟で保有しているポジションを決済することです。

FXは損失が出ても決済をしない限り、損失は確定しません。いわゆる含み損という状態です。しかし含み損で損失が確定しないからといって、根拠もないのに反転を期待したり、放置したりするとかえって含み損を拡大させてしまいます。

FX初心者はトレードの損失を嫌い、損切りをためらう傾向があります。すべてのトレードで利益を出すことは困難です。仮に自身の想定と反対方向に価格が動いたとき、含み損が拡大しないよう、損切りラインを決めておきましょう。

含み損が出ても損切りラインを決めて忠実に実行すれば、FX初心者でも損失の拡大を防げます。

損切りラインの一例としては以下のようなものがあります。

  • ポジションの含み損が1,000円になった
  • 想定外の方向に50pips変動した
  • テクニカル指標を活用する

また逆指値注文であらかじめ損切りラインを設定しておけば、機械的に損切りが実行されます。

低レバレッジから取引を始める

レバレッジとは少ない保証金で、大きな取引ができる仕組みのことを指します。

国内のFX会社はレバレッジをかけることで、保証金の最大25倍まで取引可能です。しかしレバレッジを利用すれば、少ない自己資金で大きな利益が狙えますが、その分相対的にリスクも大きくなります。

損失が大きくなると自己資金がすぐに枯渇し、多くのトレード経験が積めないまま、FX自体を断念せざるを得なくなるかもしれません。

トレードの勝率が低いうちは、レバレッジは高くても5倍程度にとどめておきましょう。

まとめ

FXはFX会社を選んで口座を開設し、保証金を入金すればすぐに始められます。しかしFX会社を選ぶ際、ポイントを押さえておかないと、思ったように利益が出ない、取引に必要な情報を見落としていたといった理由でトレードに失敗しやすくなります。

FXで失敗しないために、本記事で紹介したFXの基本的なやり方をぜひ参考にしてください。

すぐにFXを始めたいFX初心者は、FX自動売買を活用したトレードもおすすめです。FX自動売買とはあらかじめ設定したトレードルールに基づいて、機械的・継続的に売買をする仕組みです。インヴァスト証券の「トライオートFX」は、すでに設定されたトレードルールのなかから選ぶだけで、FX自動売買が始められます。

また「マイメイト」は、エージェントというキャラクターが、あらかじめ設定されているトレードルールに基づいて売買を行う自動売買システムです。マイメイトも、あらかじめ用意されているエージェントのなかから、自身のトレードスタイルに合ったものを選ぶだけで自動売買が始められます。さらにエージェントを組み合わせて、分散投資ができるファンド機能も利用できます。