ドル円は地政学リスクの高まりや、フランス大統領選のリスクから、4月17日に108.14円まで下がりました。
前回の記事でも書きましたが、そこからは機関投資家の買いが出てきており、さらにヘッジファンドの買い戻しも出て、5月10日に114.36円まで上昇しました。
ここまでの上昇が投機筋の買い上げであれば、リスク要因が出れば簡単に下がることになるのですが、機関投資家の買いや損切りでの上昇となれば、まだ買いに偏っていないことになり、下がったときに新たな買いオーダーで押しも浅くなることが多いです。
5月10日の早朝に北朝鮮の核実験の報道が流れても、約50銭しか下がらず、押しが浅いことを表していました。
最近のドル円の動きは、ポンド円と相関して推移していることが多いです。
ユーロ円とも相関はしていますが、ユーロ円よりもポンド円との相関の方が顕著で、昨日のBOEでポンド円が調整したことにより、ドル円も113.46円まで調整しました。
市場のテーマの1つである6月FOMCに関しては、0.25%の利上げがほぼ織り込まれている状態で、市場はすでに次々回の利上げの有無が注目され始めています。
6月FOMCは13-14日になるため、まだ1か月以上先になりますが、現段階では利上げは確実だといえる状態まで来ています。
ドル円の日足です。
108円から114円まで約6円上昇してきています。
115円半ばには今年1月から3月までレジスタンスとなった水準があります。
ここまでの上昇が急だったこともあり、調整も期待したいところですが、前述のように押しは浅くしか期待できず、短期では113円前半はサポートとなりますが、1-2週間程度であれば112円がサポートとして機能しそうです。
上は短期では114円半ばから後半に売りオーダーがあるようですが、1-2週間では116円程度までの上昇を見越しておくべきではないかと思います。
基本は押し目買いだと考えていますが、ポンド円などが調整をしているので、上昇も緩慢となるように思われ、早めに利食いを入れていくようなトレードがいいように思います。
ユーロは、4月23日のフランス大統領選第1回投票で、マクロン候補とルペン候補が勝利したことで、窓を大きく開けて上昇しました。
市場参加者は投票前まではリスクとして捉えていましたが、世論調査の結果と同じだったこともあり、5月7日の決選投票を待たずにマクロン候補の勝利を織り込みにいきました。
そしてマクロン候補が勝利したことで、さらに上昇し、ユーロドルは1.1031ドルまで上昇しました。
発表後は織り込んでいたこともあり、手仕舞いが出て、ユーロドルは下がりました。
さらにECB理事会では6月にテーパリングがあるのではないかとの観測ありましたが、5月10日のドラギ総裁の議会証言ではその内容もなく、まだしばらく緩和策が続くということで、ユーロドルは1.0839ドルまで下がりました。
ユーロドルの日足です。
1.07ドル台に大きな窓があり、サポートゾーンとして意識される水準となっています。
4月24日から5月3日まで1.0850~1.0950ドルで揉み合いを形成し、決選投票のときに上へブレイクしましたが、cell the factとなり、日足では包み足となり、反落を示唆する形となりました。
いまだにテーパリング観測があるので、1.08半ばがサポートとして下がりにくい動きをしていますが、短期的な天井を形成しているので、上値は重い動きが続きそうです。
窓はサポートゾーンとなるため、1.07ドル台が下限となり、当面は1.07~1.10ドルでの推移となりそうです。
ユーロドルもまだ戻り売りがいいのではないかと考えています。