「各種リスクが緩和され、ドル円もまだ上昇」

・フランス大統領選

4月23日にフランス大統領選第1回がありました。

この投票では候補者の中から2名を選び、5月7日の決選投票で再度投票するというものです。

第1回の投票前までの世論調査では各候補が接戦となり、誰が勝利しても不思議ではない状態でしたが、結果はマクロン候補とルペン候補が勝利をしました。

マクロン候補とルペン候補で決選投票となった場合、マクロン候補が勝利する可能性が高く、現在の世論調査でもマクロン候補の支持が62%あります。

これによって、決選投票を待たずに、マクロン候補が次期フランス大統領ではないかと織り込まれてきています。

それを受けて、為替相場の方は、今週ギャップアップから始まり、ユーロドルでは1.0950ドルまで上昇しました。

 

ユーロドルの1時間足です。

 

・北朝鮮の地政学リスク

また、4月15日は金日成生誕105年、4月25日は朝鮮人民軍創建85周年と、北朝鮮がミサイルや核実験をするのではないかと、地政学リスクが高まっており、ドル円は108.14円まで下がっていましたが、その日が過ぎるにつれてリスクが緩和され、フランス大統領選も通過したことで、ドル円は111.77円まで上昇しました。

リスクが緩和されたことにより、それまで様子見をしていた機関投資家の買いも出てきたため、底堅い展開が続いています。

ただ、昨夜にアメリカの税制改革案の骨子が発表され、法人税は15%へ、リパトリ減税10%となりますが、ムニューシン財務長官からの発言からは財源の詳細が無い上に「税制改革の財源は成長によっておのずと賄われる」と楽観的な発言となり、具体的な内容が出てこなかったです。

トランプ大統領の税制改革については、市場参加者も疑心暗鬼になっており、昨夜に関しては期待が大きくなかったので、調整は浅いもので終わっています。

下がれば機関投資家の買いも出てくることから、この調整もいい押し目とされそうです。

ドル円の日足です。

 

109.20円付近に窓が開いたままですが、これも閉めずに上昇してきています。

新年度入りしてからの機関投資家の買いも出ていることから、この窓はしばらく埋まらないと思われ、まずは110円もサポートされるものと思われます。

3月31日の高値112.18円がありますが、ドル円を売る材料もないため、もう一段の上昇も見込めそうです。

基本はドル円は押し目買いでいいのではないかと考えています。

 

・イギリスも選挙

4月18日には、メイ英首相が解散総選挙の発表を行いました。

6月8日に前倒し選挙となります。

これにより、メイ首相は盤石の状態となって、EU離脱交渉に挑もうと考えており、それに伴って、為替相場の方はポンドが急騰しました。

 

ポンドドルの日足です。

 

ポンドドルは長い間1.27~1.28ドルがレジスタンスとなっていましたが、メイ首相の総選挙の発表をきっかけにブレイクしてきました

現在はまだ1.27ドルがサポートとして機能しており、1.2750~1.2850の揉み合いを形成しています。

チャートパターンとしては、急騰した後に起きる時間調整の形で、この後は再度上昇トレンドが再開する可能性が高い形です。

ポンドは新規で買い上げる材料はないですが、これまで極端に売られていたこともあり、この売られていたポジションの手仕舞いによる上昇がまだ起きるのではないかと思います。

したがって、ポンドドルはまだ上昇する余地があるのではないかと考えており、4月18日の高値1.2904ドルも越えるのではないかと考えています。