「3月利上げ観測が強く、ドル円は底堅い」

・トランプ大統領演説は目新しさ無し

日本時間3月1日11時にトランプ大統領の上下両院合同会議での演説がありました。
ただ目新しい材料はなく、インフラ投資も1兆ドル規模と、事前に知らされていた内容と変わらず。
先週までの市場参加者のコンセンサスは、具体的な内容が出ず、期待外れで終わるという予想になっていたため、演説時に目新しい材料が出なくても下げる動きにはつながりませんでした。
株式市場にとっては好感され、米株は連日高値を更新し、米ダウは21000ドルも突破してきました。

・演説よりも重要視された3月利上げ
演説よりも材料視されたのは、FRB要人からの早期利上げに関する発言が続いたことです。
トランプ大統領の演説前に3月利上げ観測が急速に出てきたため、ドル円は111円台から上昇を始めていました。
さらにハト派の中でも一番ハト派であるブレイナードFRB理事も「早期の利上げ環境は整った」「雇用とインフレに関するFRBの目標はほぼ達成しており、段階的な利上げ継続が可能な状況となった」と早期の利上げを示唆する発言をしました。
これにより3月の利上げ観測がさらに高まり、CME Fed Watchでは利上げ確率が77.5%まで上がってきました。

・利上げ期待でFOMCまではドル円崩れず

本日イエレン議長の講演があります。
ここでは利上げの可能性を示唆する発言をすると思われるので、3月10日の雇用統計で、極端に悪い数字さえ出なければ、3月15日のFOMCまでは利上げ期待からドル円は底堅い展開が続くと思われます。
雇用統計で少し悪いぐらいの数字であっても、米株は堅調なこともあって、利上げが実行される可能性は高いままではないかと思います。

ドル円の日足です。

 

チャート的には111.50~115.00円のレンジが続いています。
115.00円にはストライクの大きなオプションがあり、その周辺では売りが出やすい状況です。
ただ、FOMCまでは利上げ観測があるため、下がるような環境でもないです。
116円台まで上がる可能性はあると思うので、112~116円のレンジにシフトするようなイメージを持っています。

株式市場は強いですが、上海株などが昨日に下がり始めており、米株も演説後に急激に買われていることから、株式市場が調整する動きが出てくる時期が近づいているように思います。
3月1日に発表された豪のGDPが前年比予想2.0%のところ、2.4%とかなり強く、オージーは下がりにくい動きをしていましたが、昨日はそのオージーも下がり始めました。
リスク回避での動きに敏感なオージーが下がり始めたということは、米株も調整する時期が近いかもしれません。

オージー円の日足です。

オージードルは昨年4月から0.7150~0.7800ドルの揉み合いを続けており、今回も0.77ミドルがレジスタンスとなって下がり始めています。

株式市場が崩れるようであれば、オージーも下がるため、オージー円も下がる可能性が出てきます。

87.40円がレジスタンスとなって下がってきており、浅いサポートである85.20円や、84円まで下がる可能性があります。

米株が調整すれば、同じようにオージー円も調整をする動きが出てきそうです。