・クリントン候補が優勢だが
市場が注目しているアメリカ大統領選挙まで約2週間です。
11月8日には次期大統領が決まります。
現在はクリントン候補が優勢とされています。
CNNの調査によると、第三回テレビ討論会終了時(10月20日)にクリントン候補が勝利したと回答した人は52%で、トランプ候補が勝利したと回答した人は39%となったようです。
クリントン候補が大統領になる可能性が高く、金融市場もそれを徐々に織り込みにいっています。
下記の表はCNNが第1回から第3回までのテレビ討論会直後にどちらが勝利したかを調べた結果になります。
これを見てみると、トランプ候補は徐々に盛り返してきています。
しかも女性蔑視発言が報道されたあとの第3回討論会であっても、数字を伸ばしてきていることになります。
クリントン候補が大統領になる可能性は高いですが、まだトランプ候補が大統領になる可能性も残っており、11月8日までは予断を許さない状況です。
株式市場も大統領選挙が終わるまでは動きにくく、上昇が期待できるのは選挙後ではないかと考えています。
ドル円もそれに連れて上昇する動きが期待できます。
ただ、クリントン候補はドル高を容認しないと思われることから、長期的にはドル円の上昇は見込めないと考えています。
大統領選挙の前に、11月1日には日銀会合があります。
今週に関しては追加緩和期待で円安に推移しやすいのではないかと考えています。
104円台から105円にかけては輸出の売りが多いようですが、徐々に越えていく動きを想定しています。
・超長期的にポンドドルは大底ゾーン
ポンドは10月7日にフラッシュ・クラッシュ(瞬間的な暴落)が起き、市場のストップが大きく出たこともあって、先週は小動きとなりました。
目先はまだ売り圧力が出ていますが、超長期的には買いゾーンに入っているように考えています。
その理由として、ポンドドルは8年サイクルで安値を付けていることが挙げられます。
ポンドドルの月足です。
2001年6月に安値を付けてからリーマンショック後の安値(2009年1月)まで7年7か月となっています。
その以前の安値から安値までの期間は
1976年11月~1985年3月:8年4か月
1985年3月~1993年2月 :7年11か月
1993年2月~2001年6月 :8年4か月
安値の周期は最短で7年7か月、最長で8年4か月となっています。
前回の安値が2009年1月なので、次回安値を付けるタイミングは、最短では2016年8月、最長で2017年5月になります。
とすると、すでに安値を付ける時間帯に入っていることになります。
次に値幅に関してですが、92-93年の最高値から最安値までの下落率は30%。
07年-09年までの最高値から最安値までの下落率は36%です。
今回は2014年から下がっているので、そこを起点にすると現在まで約31%下落していることになります。
過去の大きな下落時は30%と36%の下落で終わっており、現在は31%になるので、いつ大底を付けてもいい水準まで下がっていることになります。
超長期のテクニカル上では、横軸も縦軸も(時間的にも値幅的にも)すでに買いゾーンに入っていることになります。
それではファンダメンタルズ的にはどうかというと、現在はまだ買う材料は出てきていないです。
時間的に最長では2017年5月まで底打ちしない可能性があるので、それまでの材料を考えると、メイ首相が2017年3月にリスボン条約50条を発動すると発言しています。
とすれば、悪材料もいったん終わる可能性があり、ファンダメンタル的にもそこがポンドの大底になる可能性があります。
まとめると、テクニカル的にはすでに底の可能性が出ており、2017年3月に悪材料が出尽くせば、超長期的なポンドドルの底打ちとなるのではないでしょうか。