昨晩の海外市場は、日本の低金利政策が変わらず、当局が円安に警戒感を示すも具体的な対策を講じる可能性は低いとの見方で、アジア市場から円売りが継続した。ただ、その後は145円への達成感から利食いも優勢となっている。一部通信社が「米財務省は、急速な円安進行でも為替介入に消極的な姿勢を崩していない」と報じたが円売りは限定された。WSJが「9月のFOMCでの0.75%の利上げの可能性」を報じたが、ブレイナードFRB副議長が「金融当局は政策金利を景気抑制的な水準まで引き上げ、当面その水準で維持する必要がある」、「強いドルがインフレ鎮静化に影響する可能性」と述べ、強い金利上昇に警戒感を示したことで、米10年物国債利回りが3.367%から3.252%まで低下し、ドル相場の上値を抑え、NY株価3指数は大きく買い戻された。
ドル円は、144.99まで一時上昇も145円に観測されたバリアオプションの防戦売りに抑えられ、米長期金利の調整を伴って143.67まで売りに押され、ユーロドルは、天然ガス価格の急落やECB理事会控えた買い戻しで1.0011まで上昇、ポンドドルは1.1405まで売り込まれた後、1.1540まで反発した。
一方クロス円で、NY株価3指数が大きく反発したことや欧州通貨の買い戻しが強まったことで堅調に値を上げた。ユーロ円が144.01、ポンド円は166.02、オージー円は97.40、NZD円は87.37まで上昇、カナダ円は110.11まで上昇後、カナダ中銀が予想通り政策金利を3.25%に引き上げたが、109.47まで利食いに押された。