川合美智子氏7月のFXリアルトレード戦略

世界経済の回復基調が鮮明となる中で、既に段階的な利上げ実施とバランスシートの縮小について検討に入った米国をはじめ、ユーロ圏ではドラギECB総裁の「デフレ圧力からリフレに変化」やカーニー英中銀総裁の「金融緩和の縮小が必要かどうかを今後数ヶ月で議論する」などの発言が相次ぎ、金融政策にも変化の兆しが見え始めています。米欧の長期金利も上昇傾向にあり、金融緩和策を続ける日本と欧米各国との景況感に温度差が感じられこれが金利差にも表れており、為替相場は円の全面安の展開となっています。

7月は金利差を意識する動きが継続すると見られ、引き続きドル/円、クロス/円の上昇の可能性が期待出来そうです。基本戦略はドル/円でのドルの押し目買い、クロス円での円売りが有効と見ています。

1.ドル/円

日足は6/14に付けた108.83を起点として下値を切り上げる流れを維持しており、短期トレンドはドル強気の流れにあります。また、収束している21日、120日、200日移動平均線を7/3の陽線がしっかりと上抜けており、新たな上昇トレンド入りした可能性が点灯中です。この移動平均線はそれぞれ、111.40112.04111.29に位置しています。

但し、日足が112円台を維持出来ずに終えた場合は下値リスクが点灯、111円割れを見た場合は短期トレンドが変化してドルの下落リスクが高くなります。

今月の戦略

ドル買いは113.00-10で押し目買い。下値余地を112.60-70近辺まで見て置く必要があります。損切りは111.40で撤退です。売りは様子見か114.20-40ゾーンで売り狙い。損切りは114.70で浅めに撤退です。

【ドル/円(日足チャート)】

 

 

2.ユーロ/ドル

ユーロ/ドルは5/11の日足が21日(1.1250に位置)、120日(1.0875)、200日移動平均線(1.0831)を上抜けており、新たな上昇トレンド入りした形となっています。この日足の下値抵抗は1.1250-60にあります。現状は週足の上値抵抗が1.1460-80にありますが、1.1500超えで越週した場合は上昇余地が更に拡がり易くなります。短期トレンドは1.1200割れを見ない限り、ユーロ強気の流れを維持します。またこれを切れた場合でも1.1000割れで越週しない限り、ニュートラルな状態を維持します。

今月の戦略

ユーロ買いは1.1300-10で押し目買い。損切りは1.1190で撤退です。売りは様子見とします。

【ユーロ/ドル(日足チャート)】

 

3.ユーロ/円

ユーロ/円は6/27の大陽線が揉み合いを上抜けて新たな上昇トレンド入りを宣言した形となっています。このため、この陽線の値幅を下抜けて125円割れで終えない限り、短期トレンドは大きく変化しません。週足も揉み合いを上抜けた位置に実体のしっかりとした陽線が出ており、一段の上昇の可能性に繋げています。また、31週、62週移動平均線も122.17と119.28に位置しており、中期トレンドをサポートしています。

今月の戦略

ユーロ買いは128.00-10で押し目買い。下値余地を127.70-80まで見て置く必要があります。損切りは短期トレンドが変化する126.40で撤退です。売りは様子見とします。

【ユーロ/円(日足チャート)】

 

4.カナダドル/円

カナダドル/円は6/26の日足が収束していた21日(84.35)、120日(83.99)、200日移動平均線(83.47)を上抜けて強い上昇トレンド入りしています。88円台に中期的な上値抵抗が控えており、これにぶつかる可能性にも注意が必要ですが、トレンドが強い状態を維持しているので、押し目買い方針が有効と見ます。

今月の戦略

買いは86.80-00で押し目買い。損切りは85.40で撤退です。売りは様子見です。

【カナダ/円(日足チャート)】